【05月12日朝】BTC8万ドル台、本日米CPIと週末FRB議長交代に注目

ウィークリーまとめ

リード

5月12日(火)朝のアジア市場で、ビットコイン(BTC)は1BTC=8万ドル台前半の小動きで寄り付いた。前日(5月11日)の米国市場では、BTCが約1か月半ぶりの高値圏で寄り付いたあと中東情勢の緊迫化を嫌気して伸び悩み、上値が抑えられた格好だ。本日日本時間夜には注目の4月米CPI発表を控え、今週後半にはパウエルFRB議長の任期満了(5月15日)と上院銀行委員会のCLARITY Act非公開会合(5月14日)が並ぶ。本稿では前夜の米国市場、アジア朝の値動き、そして当日(5月12日)に予習すべき指標・規制日程を整理する。

主要マーケット動向(2026年5月12日 6:30時点・JST)

米Yahoo Finance Personal Financeの集計によると、5月11日(月)のBTCはニューヨーク朝に82,164.43ドルで寄り付き、1月31日以来の高い始値となった。その後は東部時間7:16時点で80,971.89ドルまで上値を切り下げ、9:15時点では81,224.17ドルと8万ドル台前半でこう着した(Yahoo Finance 2026/5/11)。同社の別レポートでは、5月11日の日中値はBTCが+1.44%の81,969.65ドルと小幅高で取引されたとされている。

イーサリアム(ETH)は5月11日朝の寄り付きが2,369.40ドルで、4月27日以来の高い始値。その後は2,331.11ドル付近まで軟化したが、日曜寄り付き比では+1.8%とプラス圏を維持して週を始めた(Yahoo Finance 2026/5/11)。

主要アルトコインも個別物色が続く。Solana(SOL)は5月12日時点のライブ価格が98.19ドル、直近24時間で+3.29%、時価総額は約567.9億ドル(OKX SOL価格)。XRPは1.40〜1.42ドル前後で、5月初旬に1.40ドルの上値抵抗を出来高を伴って上抜けたとの観測がある一方、1.65ドル付近のブレイク水準には届いていない(24/7 Wall St. 2026/5/3)。

地政学要因では、トランプ大統領がイランの和平案への回答を強く拒絶したと伝えられ、5月11日のNY市場では金価格の下落、原油の上昇、米国債利回りの上昇という典型的なリスクオフの動きが混在した(Yahoo Finance 2026/5/11)。

ヘッドライン

本日夜、米4月CPI公表──Fedの利下げ織り込みの分水嶺

米労働統計局(BLS)は日本時間5月12日(火)夜に4月の消費者物価指数(CPI)を公表する予定。市場では総合・コアともに3月から大きな伸び鈍化が見込みづらいとの見方が多く、想定を上回る粘着性が確認されればドル高・米長期金利上昇を通じてBTCに重しとなる可能性がある(ジェトロ世界の政治・経済日程)。

Morgan Stanley系ETF「MSBT」、5月11日に1.94億ドルの大型流入

低コスト(経費率0.14%)で4月8日に上場したモルガン・スタンレーの現物BTC ETF「MSBT」は、5月11日に1.94億ドルの純流入を記録したと報じられた。上場以来の累計純流入は1.63〜1.94億ドル、純流出ゼロを維持しており、機関投資家による新規配分の窓口として存在感を高めている(Coinglass ETF Flows)。

米現物BTC ETF、累計純流入587.2億ドル

米上場の現物BTC ETF11本の累計純流入は、2024年1月の上場以来587.2億ドルに達したと集計されている。直近2か月では純流入が再開し、合計32.9億ドルが流入。2025年10月の最高値(611.9億ドル)にはまだ届かないものの、機関の「押し目買い」継続が確認できる水準だ(Coinglass ETF Flows)。Q1 2026時点の機関保有比率は38%と、前年の24%から大きく上昇している。

SEC・CFTCのMOU、規制ハーモナイゼーションの動き加速

SECとCFTCは2026年に入り、共同解釈とMOU(覚書)を相次いで公表。Atkins SEC委員長は「両機関の縄張り争いと規制の不一致がイノベーションを阻害してきた」とし、MOUを「ハーモナイゼーションの新時代へのロードマップ」と位置づけた(SEC Press Release 2026-26SEC Press Release 2026-30)。

国内:金商法改正案、4月10日に国会提出済み

金融庁は暗号資産を資金決済法から金商法へ移管する改正案を、2026年4月10日に第221回国会へ提出している。インサイダー取引規制、発行者の年1回情報開示義務、責任準備金の積み立てなどが柱で、登録業者の呼称も「暗号資産取引業者」へ変更される予定だ(日本経済新聞 2026/4/10金融審WG報告 2025/12/10)。

テーマ深堀り:CPIとFRB人事──「ダブルイベント週」の歩き方

今週前半の暗号資産市場は、本日12日の米4月CPIと、15日のパウエルFRB議長任期満了という二つの大型イベントに挟まれる。CME FedWatchベースで6月会合の利下げ確率は揺れ動いており、CPIが+3%台前半で粘着すれば長期金利上昇を通じてリスク資産全般に圧力がかかりかねない。3月のFOMCはFF金利の誘導目標を3.50〜3.75%で据え置いており、次の会合まで「据え置き継続」が市場のコンセンサスとなっている(KuCoin Blog 2026 Fed Policy)。

15日のパウエル議長退任後は、後任候補とされるケビン・ウォーシュ氏体制への移行が焦点。市場ではウォーシュ氏は前任よりインフレに対しタカ派的との見方があり、最初の声明・記者会見のトーン次第ではボラティリティが拡大する局面も想定される。BTCドミナンスが60%超で推移する現在、マクロ連動の動きはアルトコインのβを増幅させやすく、ポートフォリオの分散とレバレッジ管理がより重要となる。

加えて14日には上院銀行委員会のCLARITY Act非公開会合が予定され、市場構造法案の進捗が確認できる。SECとCFTCが3月17日付の共同解釈で示したトークン分類(デジタル・コモディティ、デジタル・コレクティブル、ステーブルコイン、デジタル・ツール、デジタル・セキュリティ)との整合性が、法案修正の方向性を左右する見込みだ。

識者の見方(両論併記)

強気派からは、ETF純流入の回復と機関ローテーションを背景に「BTCは年央に向け再度8万ドル台後半を試す余地がある」との見方が出ている。BlackRockのIBITとFidelityのFBTCが新規純流入の6割超を占める寡占的構図は、需給面での下支え要因として引き合いに出されることが多い。

一方、慎重派は中東情勢に伴う原油価格の不安定さと、CPIの粘着性による利下げ後ずれリスクを警戒する。BTCは2025年10月のサイクル高値から-22.6%、ETHは同-32%と依然調整局面にあり、「過去のFOMC後の値動きでは、Bitcoinは8回中7回で発表後に下落した」というセル・ザ・ニュース傾向も指摘されている(KuCoin Blog 2026 Fed Policy)。両論とも、「単一指標で判断せず、複数の資金フローと規制進捗を組み合わせて評価する」点で共通している。

今後チェックすべき指標・イベント

  • 5月12日(火)夜:米4月CPI発表
  • 5月14日(木):上院銀行委員会・CLARITY Act非公開会合、Coinbase Q1決算(引け後)
  • 5月15日(金):パウエルFRB議長の任期満了、次期議長への移行
  • 5月後半〜6月:CME FedWatchによる6月FOMC利下げ確率の推移
  • 通年:米現物BTC ETFの累計純流入(Coinglass
  • 国内:金商法改正案(暗号資産関連)の国会審議スケジュール

まとめ

5月12日朝時点のBTCは8万ドル台前半でのこう着、ETHは2,300ドル台前半、SOLは約98ドル、XRPは1.4ドル付近と、主要銘柄ともレンジ取引が続く。本日夜の米4月CPI、14日のCLARITY Act会合、15日のFRB議長任期満了とイベントが密集する週前半は、短期のボラティリティ拡大に備えたい。機関ETF経由の純流入は継続している一方、中東情勢と政策金利見通しは依然不透明だ。複数の一次ソースを突き合わせ、レバレッジに依存しないリスク管理を心がけるのが望ましい。本記事は情報提供を目的としており、個別の売買推奨ではない点を改めて申し添える。

免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘や特定銘柄の売買推奨を行うものではありません。暗号資産は価格変動が大きく、元本を割り込む可能性があります。記載した価格・数値・規制情報は執筆時点(2026年5月12日 6:30 JST)のものであり、最新情報は各一次ソースをご確認ください。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

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