【FP解説】仮想通貨にかかる税金と確定申告の基本|2028年から税制が大きく変わる

初心者ガイド

※本記事は2026年5月時点の税制および公開情報に基づいて執筆しています。税制は毎年改正される可能性があり、最新情報は必ず国税庁公式サイトでご確認ください。

こんにちは、ファイナンシャル・プランナーの「あきFP」です。
「仮想通貨で利益が出たけど、税金ってどうなるの?」「確定申告って、自分も必要?」──これは私のもとに最も多く寄せられる相談のひとつです。

本記事はファイナンシャル・プランナーとしての一般的な税制解説であり、個別の税務申告・節税アドバイス・代理申告ではありません。実際の申告にあたっては、必ず最新の国税庁発表内容をご確認のうえ、必要に応じて税理士または最寄りの税務署へご相談ください。本記事の情報をもとに行った判断によって生じた損失について、筆者および運営者は一切の責任を負いません。

そのうえで本記事では、初心者の方が「全体像」をつかめるよう、2026年5月時点の現行ルールと、議論が進んでいる2028年以降の税制改正の方向性を、できるだけわかりやすくまとめていきます。


  1. 1. 結論:仮想通貨の税金は『雑所得・最大55%』。ただし2028年から変わる予定
  2. 2. 確定申告が必要になる金額の基準
    1. 給与所得者(会社員・パート等)
    2. 扶養に入っている方・専業主婦(主夫)
    3. 住民税は「20万円ルール」が適用されない
  3. 3. 『利益』とは何か?4つの課税タイミング
    1. ①売却して日本円に換えたとき
    2. ②仮想通貨で商品やサービスを購入したとき
    3. ③別の仮想通貨に交換したとき(BTC→ETH等)
    4. ④マイニング・ステーキング・レンディング・エアドロップで取得したとき
  4. 4. 損益の計算方法:『総平均法』と『移動平均法』
    1. 総平均法(初心者におすすめ)
    2. 移動平均法
    3. 選び方のポイント
    4. 計算例
  5. 5. 具体的な税額シミュレーション3パターン
    1. ケース1:年収500万円の会社員が30万円儲けた場合
    2. ケース2:年収800万円の会社員が100万円儲けた場合
    3. ケース3:専業主婦が50万円儲けた場合(配偶者控除との関係)
  6. 6. 確定申告のやり方(4ステップ)
    1. ステップ① 年間取引履歴CSVをダウンロード
    2. ステップ② 損益計算をする
    3. ステップ③ 国税庁「確定申告書等作成コーナー」で入力
    4. ステップ④ e-Taxまたは郵送で提出
  7. 7. 知らないと損する3つの節税ポイント
    1. ① 同一年内の損切りで利益と相殺
    2. ② 経費として計上できるもの
    3. ③ 法人化の検討(年間500万円超の利益が継続的に出る場合)
  8. 8. 2028年からの『申告分離課税』移行で何が変わるか
  9. 9. よくある誤解
    1. 誤解①「日本円に換えなければ税金はかからない」
    2. 誤解②「取引所が源泉徴収してくれる」
    3. 誤解③「海外取引所なら税金がかからない」
  10. 10. FPからのアドバイス:『記録を残す習慣』が最重要
    1. アドバイス① 毎月CSVをダウンロード保存
    2. アドバイス② 計算ツールには早めに登録
    3. アドバイス③ 迷ったら税務署・税理士へ
  11. 11. まとめ:税金を正しく知れば、仮想通貨はもっと安心して使える

1. 結論:仮想通貨の税金は『雑所得・最大55%』。ただし2028年から変わる予定

まず結論からお伝えします。

2026年5月時点の日本では、個人が仮想通貨(暗号資産)で得た利益は、原則として「雑所得(総合課税)」として扱われます。給与など他の所得と合算したうえで累進課税が適用され、所得税の最高税率は45%、これに住民税10%が加わり、最大で約55%(復興特別所得税を含めるとさらに上乗せ)になります。

これは、株式やFX(申告分離課税・一律20.315%)と比べると、特に高所得層にとってかなり重い税率です。出典は国税庁の「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」で、暗号資産取引による所得は原則「雑所得」と明記されています。

ただし、ここで朗報があります。
2026年度税制改正大綱では、暗号資産の「申告分離課税への移行」が検討項目として盛り込まれたと複数の報道で伝えられています。実現すれば、2028年(令和10年)以降は、株式やFXと同じ一律20.315%の申告分離課税となる予定です。

もっとも、これはあくまで「議論されている」「方向性として示されている」段階であり、2026年5月時点で確定した内容ではありません。最終的な税率・施行時期は、今後の法律改正の内容を確認する必要があります。

これから仮想通貨を始める方は、まず以下の記事で全体像をつかんでおくと安心です。


2. 確定申告が必要になる金額の基準

「いくら儲かったら確定申告が必要なのか?」これは最も基本的な疑問ですが、あなたの立場によって基準が変わるのがポイントです。

給与所得者(会社員・パート等)

勤務先で年末調整を受けている給与所得者の場合、仮想通貨の利益を含む「給与所得・退職所得以外の所得」の合計が年間20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。これは国税庁が「給与所得者で確定申告が必要な人」として明示しているルールです。

扶養に入っている方・専業主婦(主夫)

給与収入がない、または少ない方の場合、基礎控除48万円(所得税)を意識する必要があります。仮想通貨の利益+他の所得の合計が年間48万円を超えると、所得税の申告が必要になり、同時に配偶者の「配偶者控除」の対象から外れる可能性があります(後述のケース3で詳しく解説します)。

住民税は「20万円ルール」が適用されない

ここが見落とされがちな最重要ポイントです。
所得税の「20万円以下なら申告不要」というルールは、住民税には適用されません。仮想通貨の利益が10万円でも5万円でも、原則としてお住まいの市区町村に対する住民税の申告は必要です。所得税が不要だからといってそのまま放置すると、住民税の申告漏れになるおそれがあるので注意してください。


3. 『利益』とは何か?4つの課税タイミング

多くの初心者がつまずくのが、「そもそも、いつ利益が確定するのか?」という点です。仮想通貨は『日本円に換えたとき』だけが課税対象ではありません。

国税庁FAQでは、次の4つのタイミングで「所得」が発生するとされています。

①売却して日本円に換えたとき

最もわかりやすいパターンです。100万円で買ったBTCを150万円で売れば、50万円が雑所得になります。

②仮想通貨で商品やサービスを購入したとき

たとえば、50万円で取得したBTCで、80万円相当の家電を買った場合、その時点で30万円の利益が確定したとみなされます。「使った瞬間」が課税イベントになるのです。

③別の仮想通貨に交換したとき(BTC→ETH等)

これが最も誤解の多いポイントです。日本円を経由せず、BTCをETHに直接交換しただけでも、その時点での時価で利益(または損失)が確定します。「日本円に出金していないから大丈夫」は通用しません。

④マイニング・ステーキング・レンディング・エアドロップで取得したとき

無料でもらったように見えるエアドロップ、ステーキング報酬、マイニング報酬なども、取得時点の時価が所得として扱われます。受け取った瞬間の日本円換算額をしっかり記録しておく必要があります。

これらはいずれも国税庁FAQ(前掲リンク)に明確に記載されています。「知らなかった」では済まされない部分なので、特に③と④は注意してください。


4. 損益の計算方法:『総平均法』と『移動平均法』

仮想通貨の取得価額は、原則として「総平均法」または「移動平均法」のいずれかで計算します。国税庁FAQでは、個人の場合は届出をしなければ「総平均法」が法定評価方法とされています。

総平均法(初心者におすすめ)

1年間に取得した同一仮想通貨の取得価額を平均して、1単位あたりのコストを算出する方法。年に1回まとめて計算でき、シンプルなので、初心者や取引回数の少ない方に向いています。

移動平均法

仮想通貨を購入するたびに、平均取得単価を更新していく方法。その時点での損益が把握しやすい反面、計算が煩雑で、頻繁に取引する人や正確に損益管理したい人向けです。

選び方のポイント

一度選んだ評価方法は、原則として継続して同じ方法を使う必要があります(継続性の原則)。年ごとにコロコロ変えることはできません。初心者の方はまず「総平均法」で問題ないケースが多いでしょう。

計算例

項目 金額
購入時:1BTCを400万円で取得 取得価額 400万円
売却時:1BTCを600万円で売却 売却価額 600万円
所得(利益) 200万円

この200万円が「雑所得」となり、給与など他の所得と合算されて課税されます。


5. 具体的な税額シミュレーション3パターン

「実際にいくら税金がかかるの?」というイメージをつかむため、3つのケースで概算してみましょう。
※あくまで概算であり、各種控除や個別事情で変動します。実額は税理士または国税庁・確定申告書等作成コーナーで確認してください。

ケース1:年収500万円の会社員が30万円儲けた場合

項目 内容
給与所得(概算) 約346万円
仮想通貨の雑所得 30万円
合算後の所得税率帯 20%(課税所得330万〜695万円帯)
追加で発生する所得税(概算) 約6万円
追加で発生する住民税(概算) 約3万円
追加税額の目安 合計 約9万円

会社員の場合、20万円超なので確定申告が必要です。

ケース2:年収800万円の会社員が100万円儲けた場合

項目 内容
給与所得(概算) 約610万円
仮想通貨の雑所得 100万円
合算後の所得税率帯 23%(課税所得695万〜900万円帯)
追加で発生する所得税(概算) 約23万円
追加で発生する住民税(概算) 約10万円
追加税額の目安 合計 約33万円

高所得層になるほど、雑所得への課税負担が大きくなることがわかります。

ケース3:専業主婦が50万円儲けた場合(配偶者控除との関係)

専業主婦(主夫)で他に所得がない場合、基礎控除48万円を引いた2万円が課税所得となり、所得税はごくわずかですが申告が必要です。
さらに重要なのは、合計所得が48万円を超えると、配偶者(夫)の「配偶者控除」の対象から外れる点です。48万〜133万円の範囲では「配偶者特別控除」に切り替わり、控除額が段階的に減ります。
「自分の税金は数千円でも、世帯全体では夫の税金が数万円増える」という波及があるため、扶養内の方は特に注意してください。


6. 確定申告のやり方(4ステップ)

確定申告と聞くと身構えてしまう方も多いですが、流れ自体はシンプルです。

ステップ① 年間取引履歴CSVをダウンロード

利用している取引所のマイページから、1月1日〜12月31日までの年間取引履歴CSVをダウンロードします。複数取引所を使っている場合は、すべての取引所分が必要です。

ステップ② 損益計算をする

計算方法は主に2通りあります。

  • 専用ツールを使う:Cryptact(クリプタクト)、Gtax、CryptoLinCなどの損益計算ツール。CSVをアップロードするだけで自動計算してくれます。取引回数が多い人は必須レベル。
  • 自分でExcel計算:取引回数が少なく、現物のみのシンプルな取引であれば、Excelで総平均法を計算できます。

ステップ③ 国税庁「確定申告書等作成コーナー」で入力

国税庁・確定申告書等作成コーナーにアクセスし、画面の案内に従って金額を入力していきます。仮想通貨の利益は「雑所得」→「その他」の欄に入力します(種目は「暗号資産」と記載)。

ステップ④ e-Taxまたは郵送で提出

マイナンバーカードがあればe-Taxでオンライン提出が便利です。期限は原則として翌年3月15日まで。納税も同じ期限です。


7. 知らないと損する3つの節税ポイント

※以下は一般的な節税の考え方であり、具体的な適用は税理士へご相談ください。

① 同一年内の損切りで利益と相殺

同じ年の中であれば、ある銘柄の利益と別の銘柄の損失を通算できます。年末時点で含み損を抱えている銘柄があり、別の銘柄で利益が出ているなら、12月中の損切りで課税所得を圧縮できる可能性があります。
ただし、現行制度では仮想通貨の損失は翌年以降に繰り越せません。年をまたぐと相殺できなくなる点が、株式投資との大きな違いです。

② 経費として計上できるもの

仮想通貨取引に直接関係する支出は、必要経費として認められる可能性があります。

  • 取引所への売買手数料・送金手数料
  • 仮想通貨に関する書籍・有料情報サービス費用
  • 取引に使用したPC・スマホの使用割合相当(家事按分)
  • セミナー参加費・関連交通費

※領収書・明細は必ず保管してください。プライベートと兼用のものは「業務に使用した割合」を合理的に按分する必要があります。

③ 法人化の検討(年間500万円超の利益が継続的に出る場合)

法人化すると、法人税率(実効税率約30%前後)が適用されるため、個人の高い累進税率より有利になる場合があります。また、法人なら損失の繰越(最大10年)も可能です。
ただし、設立費用・社会保険料・税理士顧問料などのコストも発生するため、「年間500万円超の利益が安定して出る」レベルが一つの目安と言われています。実行前に必ず税理士へ相談してください。


8. 2028年からの『申告分離課税』移行で何が変わるか

※以下は2026年度税制改正大綱で議論されている内容に基づくものであり、2026年5月時点で確定した制度ではありません。最終的な内容・施行時期は今後の国会審議を経て決定されます。

もし予定通り移行された場合、主な変更点は以下のとおりです。

項目 現行(〜2027年想定) 移行後(2028年〜予定)
所得区分 雑所得(総合課税) 申告分離課税(予定)
税率 所得税5〜45%+住民税10%(最大約55%) 一律20.315%(予定)
損失の繰越 不可 翌年以降3年間繰越可能(株式と同様の見込み)
他の所得との通算 給与等と合算(雑所得内のみ通算) 分離(暗号資産内・同種所得内で通算の見込み)

特に高所得者・大きな含み益を抱えている方ほど、税負担の軽減効果が大きい改正となります。一方で、給与所得が低く累進税率が20%以下の方にとっては、必ずしも有利とは限らない点に注意が必要です。

繰り返しになりますが、これは2026年5月時点で「議論されている方向性」であり、税率や開始時期が変わる可能性があります。確定情報は国税庁・財務省の正式発表をご確認ください。


9. よくある誤解

誤解①「日本円に換えなければ税金はかからない」

これは最も多い誤解です。前述のとおり、BTC→ETHのような仮想通貨同士の交換でも、その時点で課税対象になります。日本円に出金していなくても、利益が確定したとみなされるケースは多数あります。

誤解②「取引所が源泉徴収してくれる」

国内の暗号資産交換業者は、原則として源泉徴収を行っていません(特定口座制度もありません)。すべて自己申告制です。「取引所が勝手にやってくれているはず」というのは大きな誤解で、申告漏れの典型的な原因になります。

誤解③「海外取引所なら税金がかからない」

日本の居住者は、国内・海外を問わずすべての所得(全世界所得)に対して日本の所得税が課されます。海外取引所だから無税、ということは絶対にありません。
むしろ近年は、各国の税務当局間で取引情報の自動交換(CRS等)が進んでおり、「バレない」という前提自体が成立しなくなっているのが現状です。無申告は加算税・延滞税の対象となり、悪質な場合は重加算税(35〜40%)が加算されます。


10. FPからのアドバイス:『記録を残す習慣』が最重要

10年以上家計相談に乗ってきた私の経験上、仮想通貨の税務で困る人のほとんどは、「あとから過去の取引履歴がわからなくなった」というケースです。

アドバイス① 毎月CSVをダウンロード保存

1年分まとめてではなく、月末ごとにCSVをダウンロードしてクラウドストレージに保存する習慣をつけてください。取引所が突然サービス終了・倒産した場合、過去データが取り出せなくなるリスクがあります。これは過去の海外取引所破綻でも実際に起きた問題です。

アドバイス② 計算ツールには早めに登録

取引が少ないうちに計算ツール(Cryptact・Gtax等)に登録し、API連携を設定しておくと、後年「取引履歴が膨大で計算不能」という事態を避けられます。

アドバイス③ 迷ったら税務署・税理士へ

税務署は基本的に無料で電話相談に応じてくれます(国税庁・電話相談センター)。複雑なケース(DeFi、NFT、海外ステーキング、法人化検討など)は、暗号資産に詳しい税理士への相談が安全です。


11. まとめ:税金を正しく知れば、仮想通貨はもっと安心して使える

長文おつかれさまでした。最後に重要ポイントを整理しておきます。

  • 2026年5月時点では、仮想通貨の利益は雑所得(総合課税)で、最大約55%。
  • 会社員は年20万円超、扶養内の方は48万円超で所得税の申告が必要。住民税は20万円以下でも申告対象。
  • 課税タイミングは4つ。「日本円に換えなくても」課税される場面が多い。
  • 取引履歴の毎月CSV保存計算ツール早期登録が最大の自衛策。
  • 2028年からの申告分離課税20.315%への移行が議論中(確定ではない)。

税金は「怖いもの」ではなく、ルールを知れば淡々と対応できるものです。正しく申告し、堂々と仮想通貨と付き合っていきましょう。

これから始める方・取引所選びで迷っている方は、こちらもどうぞ。

本記事で参考にした一次情報も、ぜひご自身でも確認してみてください。


【免責事項】

本記事は2026年5月時点の税制および公開情報に基づき、ファイナンシャル・プランナーとして一般的な解説を行うものであり、個別の税務相談・申告代行ではありません。実際の申告にあたっては、最新の国税庁発表内容をご確認のうえ、必要に応じて税理士・税務署にご相談ください。本記事の情報をもとに行った申告判断によって生じた損失について、運営者は一切の責任を負いません。詳しくは免責事項をご覧ください。

【執筆者】あきFP|ファイナンシャル・プランナー

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