【05月13日夕】Solana大型改修とHYPE ETF上場、明日にCLARITY採決

夕のマーケット

リード

5月13日(水)夕方、東京市場のBTCは8万ドル付近での膠着が続き、明確な方向感を欠いたまま米国時間入りを迎えようとしている。日中はSolanaの最大級コンセンサス改修「Alpenglow」が検証段階に入り、21SharesのHyperliquid現物ETF(THYP)がNasdaqで取引を開始するなど、相場よりも個別テーマが先行する一日となった。夜には4月CPI後初となる米株の本格セッションが控え、明日14日にはCLARITY Actのマークアップが予定されている。本稿では日中アジアの値動き、午後の規制・企業動向、そして米国市場の見どころを整理する。

主要マーケット動向(2026年5月13日 18:30時点・JST)

BTCは終日$80,900〜$81,400のレンジで揉み合い、米Blockchain Reporterの記事によれば、ニューヨーク取引所では13日朝方に$80,960付近をつけている。CPI発表直後に$79,800まで売られた水準からは小幅戻すも、$82,000の節目は週内でも複数回跳ね返されている形だ(Blockchain Reporter 2026/5/13)。

ETHは$2,290〜$2,340のレンジで推移し、朝方の$2,259ドル付近の安値から小幅な戻り。SOLは前日比小動きで$94〜$96水準、XRPは1.4ドル台前半に張り付いている(Yahoo Finance 2026/5/12)。

特筆すべきはHyperliquidのHYPEで、21Shares現物ETFの取引開始を受け、午前のアジア時間で買いが先行。FTSE Hyperliquid Indexを参照する初のETFが米国市場に上場した影響が、現物価格にも波及している(GlobeNewswire 2026/5/12)。

マクロ面では、CMEのFedWatchが「2026年末まで利下げなし」を織り込みつつあり、Bank of Americaは初回利下げ予想を2027年下期に後ろ倒しした。この高金利長期化シナリオが、BTC・ETHの上値を抑える背景となっている(Blockchain Reporter 2026/5/13)。

ヘッドライン

Solanaの最大級コンセンサス改修「Alpenglow」、コミュニティテストへ

Solana開発企業Anzaは5月11日、提案中のコンセンサス・オーバーホール「Alpenglow」がコミュニティ・テストクラスタ上で稼働開始したと発表した。既存のProof-of-HistoryとTowerBFTを、票を分離する新レイヤ「Votor」とブロック伝播エンジン「Rotor」に置き換える設計だ。現状約12.8秒のファイナリティを150ミリ秒水準にまで短縮することを目標としており、投票トランザクションが消費するブロックスペース(推計75%)を解放できると説明されている(CoinDesk 2026/5/11Anza Blog)。Solana共同創業者のAnatoly Yakovenko氏は「次四半期のメインネット到達もあり得る」と発言しており、テスト・Agaveリリース・パブリックテストネットが順調に進めば、2026年後半のメインネット移行が視野に入る(Decrypt 2026/5/11)。

21Shares、米初の現物Hyperliquid ETF「THYP」をNasdaqに上場

21Sharesは5月12日、米国初の現物Hyperliquid ETF「THYP」と、2倍ロング型「TXXH」を同時に立ち上げた。THYPはFTSE Hyperliquid Indexに連動し、年率0.30%のスポンサーフィーをHYPEで徴収する設計。カストディはAnchorage Digital BankとBitGoが担い、Figmentを通じたステーキング報酬の四半期分配(Figment取り分30%)も組み込まれた。1933年証券法に基づくETP(投資会社法非適用)であり、CFTC管轄の永久先物DEX「Hyperliquid」を、米証券市場のラッパーで取引可能にする構造として注目される(GlobeNewswire 2026/5/12The Block 2026/5/11)。

Elliptic、シリーズDで1.2億ドル調達──Nasdaq・Deutsche Bankが参画

ロンドンを拠点とするブロックチェーン分析企業Ellipticは5月12日、One Peakがリードする1.2億ドルのシリーズD調達を発表した。評価額は6.7億ドル。Nasdaq Ventures、Deutsche Bank、British Business Bankが新たに参画し、JPMorganら既存投資家も追加出資した。世界のクリプト取引量の3分の2をスクリーニングする同社は、調達資金を「エージェント型AIによるコンプライアンス自動化」に投じる方針。CEOのSimone Maini氏は「コンプライアンスアナリストの反復作業を自動化するエージェント群の構築を加速する」とコメントしている(CoinDesk 2026/5/12Elliptic Press Release)。

国内:金融庁、26年夏に「暗号資産・ステーブルコイン課」新設

金融庁は2026年1月26日、同年夏に「暗号資産・ステーブルコイン課」を新設する組織再編計画を公表している。2025年6月に成立した改正資金決済法(ステーブルコイン仲介業の創設等)が2026年内に施行予定で、これに対応する省内体制整備が進む。11月には三菱UFJ・みずほ・三井住友の3メガが共同で信託型ステーブルコイン発行の実証実験を金融庁「FinTech実証実験ハブ」案件として進めることが採択されており、銀行系プレイヤー主導の市場形成が具体化している(CoinChoice 2026年再編EY Japan 規制概要)。

Warsh次期FRB議長指名、上院本会議へ──49対44で手続進捗

5月12日までに、米上院はKevin Warsh氏のFRB理事指名を49対44で本会議審議に進めることを承認した。Powell議長の任期は5月15日に切れる予定だが、Powell氏は理事としては2028年まで在任可能で、後任が承認されるまでは議長を続投するとしている(Al Jazeera 2026/4/29The Hill)。Warsh氏はインフレに対してはタカ派寄りだが、「過度なインフレを起こさずに利下げ余地はある」とも発言しており、就任後の最初の声明が短期ボラティリティの増幅要因となり得る(CNBC 2026/3/18)。

テーマ深堀り:Solana・Hyperliquid・Elliptic──「制度内インフラ層」の同時進化

13日に揃って表面化したテーマは、いずれも「機関投資家・規制当局が利用できるインフラ層」の進化に関わる。

Alpenglowは、L1のスループットと確定性を金融取引水準(ミリ秒台)に近づけ、決済・証券インフラとしてのSolanaの位置づけを大きく変え得る。約75%を占めるとされる投票トランザクションのブロックスペース解放は、実需アプリケーションのスループット拡張にも直結する設計だ(Anza Blog)。

THYP/TXXHの上場は、永久先物DEXとして既に高い実取引高を持つHyperliquidに、伝統金融側の「ETPラッパー」を通じた資金導入経路を提供する。米国ETPは通常、銀行ベースのカストディ(Anchorage、BitGo)を必須とする構造で、ステーキング報酬の分配を含む点はETHステーキングETFの議論にも先行する形となる(The Block 2026/5/11)。

Ellipticの大型調達は、コンプライアンス領域のAI化が、銀行・取引所のクリプト本格参入の前提条件として明確に意識されていることを示す。Nasdaq・Deutsche Bankの戦略出資は単なる財務リターンではなく、自社プラットフォームへの統合を見据えたものとみるのが自然だろう(CoinDesk 2026/5/12)。

3つを並べると、価格そのものよりも「市場構造の地殻変動」が静かに進行している局面と読める。

識者の見方(両論併記)

慎重派は、CPIの粘着性とFed利下げ後ろ倒しを警戒する。Bank of Americaが初回利下げ予想を2027年下期に後ろ倒しした点を踏まえ、「BTCが$82,000を継続的に上抜けるには、ETFフロー以外のマクロ材料が必要」との見方を示す。$80,000の心理的節目を割り込んだ場合、レバレッジ清算が短期的なボラティリティを増幅させる可能性がある(Blockchain Reporter 2026/5/13)。

一方、強気派は「ETF経由の機関フローと、Alpenglow・THYPに代表されるインフラ進化が中長期の評価軸を変える」と論じる。米現物BTC ETFは5週連続の純流入を記録しており、Morgan StanleyのIBITだけで5月11日に1.94億ドルの流入があった。Bitcoin・Ethereumともに30日リターンはBTCが+17.3%、ETHが+13.1%で、ETFインフローを伴った「割当ベース」の買いがマーケットの下支えになっているとの指摘もある(Amberdata Blog 2026Spotedcrypto 2026年5月)。

両論ともに、「短期は重い、しかし構造変化は進行している」という見立てで一致しており、レバレッジを抑えた段階的な観察姿勢を推奨する声が目立つ。

今後チェックすべき指標・イベント

  • 5月13日(水・本日)夜:米株主要指数の引け値、CPI後初の本格セッションでのリスク資産反応、CLARITY Act修正案の提出締切(米東部時間業務終了)
  • 5月14日(木):上院銀行委員会CLARITY Actマークアップ(米東部時間10:30、ダークセン上院オフィスビル)
  • 5月15日(金):Powell FRB議長の議長任期満了、Warsh氏の本会議採決進捗
  • 5月後半:6月FOMC利下げ確率の推移、Bank of Americaが提示した「初回利下げ2027年下期」シナリオの市場織り込み
  • 通年:米現物BTC ETF累計純流入(Coinglass)、ETHステーキングETF議論の進捗
  • 国内:金融庁「暗号資産・ステーブルコイン課」新設タイミング、3メガ銀の信託型SC実証進捗

まとめ

5月13日夕時点で、BTCは$80,900〜$81,400のレンジ膠着、ETHは$2,300前後、SOLは$95付近で、価格そのものは方向感を欠く。一方、日中はSolana最大級のコンセンサス改修「Alpenglow」始動、21Sharesの米初HYPE現物ETF(THYP)上場、Ellipticの1.2億ドル調達と、L1スループット・ETPラッパー・コンプライアンスAIという「制度内インフラ層」の進化が同時に表面化した一日となった。夜の米CPI後初本格セッション、明日のCLARITY Actマークアップ、15日のPowell議長任期満了と、政策・制度の重要日程が連続する局面に入っている。一次ソースを継続的に確認し、レバレッジに依存しない冷静なリスク管理が引き続き重要となる。本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買推奨ではない点を申し添える。

免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘や特定銘柄の売買推奨を行うものではありません。暗号資産は価格変動が大きく、元本を割り込む可能性があります。記載した価格・数値・規制情報は執筆時点(2026年5月13日 18:30 JST)のものであり、最新情報は各一次ソースをご確認ください。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

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