【5月13日朝】BTC8万ドル攻防、14日CLARITY法案大詰め

朝のマーケット

リード

5月13日(水)朝のアジア市場では、ビットコイン(BTC)が8万ドルの大台を意識した値動きで寄り付いた。前夜の米国市場は4月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る粘着性を示し、リスク資産全般が伸び悩み、BTCは8万ドル前半まで売り直された。本日は上院銀行委員会のCLARITY Act修正案提出期限(米東部時間13日終日)、明日14日には同委員会のマークアップ(公開審議)、15日にはパウエルFRB議長の任期満了が控える。本稿では前夜の米国市場、アジア朝の値動き、そして当日(5月13日)に予習すべき指標・規制日程を、複数の一次ソースに当たりつつ整理する。

主要マーケット動向(2026年5月13日 6:30時点・JST)

米Yahoo Finance Personal Financeの集計によると、5月12日(火)のニューヨーク市場でBTCは一時1%超下落し、80,389.00ドル付近まで売られた。寄り付きは81,721.41ドルで、5月11日の82,164.43ドルと比べて0.5%安いスタート。米労働統計局(BLS)が同日朝に公表した4月CPIが市場予想を上回り、中東情勢に伴う原油価格高騰がインフレを押し上げているとの観測がBTC・ETHの上値を抑えた格好だ(Yahoo Finance 2026/5/12)。

イーサリアム(ETH)はNY市場で3%安の2,259.40ドルまで下落し、3週間ぶりの安値圏。寄り付きの2,339.40ドルから一段安となった(Yahoo Finance 2026/5/12)。

主要アルトコインも軒並み軟調。Solana(SOL)は5月12日時点で94.84ドル付近、XRPは1.42ドル前後でこう着し、両銘柄ともCPI発表前のテクニカルな上値抵抗を抜けきれていない(24/7 Wall St. 2026/5/3)。

地政学要因では、トランプ大統領が「イランとの停戦は『生命維持装置の上にある』」と述べたと報じられ、原油先物の堅調と米長期金利の上昇が同時進行。CPI上振れと相まって、株式・暗号資産双方にリスクオフの圧力がかかった(Yahoo Finance 2026/5/12)。

ヘッドライン

CLARITY Act、本日13日が修正案提出期限──14日マークアップへ

上院銀行委員会は5月12日朝、ティム・スコット委員長、シンシア・ルミス上院議員、トム・ティリス上院議員の連名で、デジタル資産市場明確化法(CLARITY Act)の309ページにわたる代替テキスト草案を公表した。委員には米東部時間5月13日(水)の業務終了時刻までに修正案を提出することが求められており、14日(木)午前10時30分(米東部時間、ダークセン上院オフィスビル)に正式なマークアップが予定されている(news.bitcoin.com 2026/5/12Phemex Blog 2026/5/12)。

銀行業界、ステーブルコイン譲歩案を拒絶──論点になる「ステーブルコイン利回り」

5月9日には、独立コミュニティ銀行協会(ICBA)、銀行政策研究所(BPI)、米国銀行協会(ABA)の3団体が、5月1日付でティリス・アルソブルックス両議員が提示したステーブルコイン譲歩案を正式に拒絶した。譲歩案は、暗号資産企業による「銀行預金に類似する利回り提供」を制限する内容で、ステーブルコイン発行体の収益モデルへの影響が懸念されている(news.bitcoin.com 2026/5/12)。

モスクワ証取、本日13日からSOL・XRP・TRX・BNB指数を公表

ロシアのモスクワ証券取引所(Moex)は、本日5月13日から新たに4本の暗号資産指数(Solana、XRP、TRX、BNB)を公表すると発表した。同取引所では制度的な現物投資商品としての位置づけは限定的だが、新興市場における暗号資産指数の標準化は、機関投資家のベンチマーク選択肢の拡大という意味で注目される動きと言える(ZUU Web3 2026/5/5関連報道)。

米現物BTC ETF、累計純流入は500億ドル超で機関の押し目買い継続

米上場の現物BTC ETF11本は、5月初旬に直近4営業日連続の純流入を記録し、5月5日単日でも4.67億ドルの流入があった。Coinglassのデータでは、上場以来の累計純流入は500億ドル超に達している。1日あたり4,500〜5,000BTCを吸収しているとの試算もあり、新規発行量(1日450BTC程度)の約10倍をETF経由で抜き取る構造が継続している(Intellectia.ai 2026/5/12Coinglass ETF Flows)。

国内:与党、暗号資産を「申告分離課税20%」へ──適用は法施行年の翌年

与党が公表した令和8年度(2026年度)税制改正大綱では、暗号資産取引の所得を一定の条件下で「申告分離課税」の対象とし、税率を現行の総合課税(最大55%)から株式・投資信託と同水準の約20%に引き下げる方針が明記された。3年間の損失繰越控除も創設される。施行時期は「金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年の1月1日以後」とされ、現時点では2028年1月の適用開始が見込まれる(日本経済新聞 仮想通貨所得20%分離課税CoinDesk Japan 与党 暗号資産分離課税)。

テーマ深堀り:CLARITY Act草案309ページが示す「規制の地殻変動」

12日に公表された309ページの代替テキスト案は、SECとCFTCの管轄分担、ステーブルコイン規律、ステーキング、プロトコル・マイニングなど主要論点を包括的にカバーしている。最大の対立点は引き続き「ステーブルコイン譲歩案」で、銀行業界は預金類似商品の規律を維持する立場、暗号資産業界はイノベーション阻害を懸念する立場で対立している(Phemex Blog 2026/5/12)。

倫理規定もホットイシューだ。キルステン・ジリブランド上院議員は、規制対象である暗号資産業界から政府高官が利益を得ることを禁じる倫理条項を法案に追加すべきだと主張している。3月17日にSECとCFTCが共同で示したトークン分類(デジタル・コモディティ、デジタル・コレクティブル、ステーブルコイン、デジタル・ツール、デジタル・セキュリティの5分類)と、今回の法案の整合性をどう図るかも審議の焦点となる見込みだ(SEC Press Release 2026-30CFTC Press Release 9198-26)。

14日のマークアップが順調に進めば、本会議採決へ向けたタイムラインが具体化し、市場構造法案の通過確度に対する見方が一段と前向きに変化する可能性がある。逆に修正案の応酬で会期延長となれば、過去1年続いた審議遅延への懸念が再燃する局面もあり得る。

識者の見方(両論併記)

強気派は、米現物BTC ETFの純流入回復と、機関投資家(年金基金・ウェルスマネジメント・伝統的アセットマネージャー)の参入継続を背景に、「需給的にBTCは年央に向けて再度8万ドル台後半を試す余地がある」と分析する。新規発行量の約10倍をETFが吸収し続ける現在の構造は、長期的な供給制約として機能する可能性がある。モルガン・スタンレーがE-Tradeを通じてBTC・ETH・SOLの小売向け取引を拡大した点も、買い手の裾野拡大として評価されている(IG International 2026年見通し)。

一方、慎重派はCPIの粘着性と中東情勢の不確実性を引き続き警戒する。3月のFOMCはFF金利を3.50〜3.75%で据え置いており、市場が6月会合での利下げを完全に織り込むには、本日CPI後の市場反応とパウエル後任体制下の発言を見極める必要がある。次期FRB議長候補とされるケビン・ウォーシュ氏はビットコインを「40歳以下の世代にとっての新しいゴールド」と評するなど暗号資産には親和的だが、インフレに対してはタカ派寄りと目されており、就任直後の発言が短期ボラティリティを増幅させるリスクも指摘されている(Cryptobriefing Warsh nominationPhemex News Warsh)。

両論ともに「単一指標で結論を出さず、ETFフロー・規制進捗・マクロ指標を組み合わせて評価する」という姿勢では一致している。

今後チェックすべき指標・イベント

  • 5月13日(水・本日):CLARITY Act修正案提出期限(米東部時間業務終了時)、モスクワ証取SOL/XRP/TRX/BNB指数公表開始
  • 5月14日(木):上院銀行委員会CLARITY Actマークアップ(米東部時間10:30、ダークセン上院オフィスビル)
  • 5月15日(金):パウエルFRB議長の任期満了
  • 5月後半:4月CPIを踏まえた6月FOMC利下げ確率の推移、ウォーシュ次期議長の最初の発言・声明
  • 通年:米現物BTC ETFの累計純流入(Coinglass)、機関投資家配分動向
  • 国内:金融商品取引法改正案の国会審議進捗、税制改正大綱に基づく具体法案

まとめ

5月13日朝時点で、BTCは8万ドル付近を挟んだ攻防、ETHは2,300ドル割れ、SOLは95ドル前後、XRPは1.4ドル付近と、主要銘柄は揃って軟調なスタートを切った。本日13日はCLARITY Act修正案の提出期限、14日はマークアップ、15日はパウエルFRB議長の任期満了と、規制・人事の重要イベントが立て続けに控えている。米現物BTC ETFの純流入が継続している一方、CPIの粘着性・中東情勢・新議長体制への移行など、不確実性は依然として複合的だ。一次ソースに当たり、レバレッジを抑えた冷静なリスク管理が重要となる局面と言える。本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買推奨ではない点を改めて申し添える。

免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘や特定銘柄の売買推奨を行うものではありません。暗号資産は価格変動が大きく、元本を割り込む可能性があります。記載した価格・数値・規制情報は執筆時点(2026年5月13日 6:30 JST)のものであり、最新情報は各一次ソースをご確認ください。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

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