【7月4日夕】BTC6万2千ドル迫る、SBIクリプトが採掘撤退

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7月4日夕、独立記念日の連休で米国の株式・債券市場が休場となるなか、24時間眠らない暗号資産市場は逆行高で週末を迎えた。ビットコイン(BTC)は約2週間ぶりの高値となる6万2,000ドル手前まで水準を切り上げ、イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)が相場を主導した。上昇の主因は、弱い米6月雇用統計を受けた利下げ観測の再燃と、それに伴う大規模な「踏み上げ(ショート・スクイーズ)」だ。本稿(夕刊)では、日中のアジア時間で強含んだ相場のメカニズムに加え、SBIクリプトのマイニングプール撤退という国内発の構造ニュース、そして機関投資家向けステーブルコインの新展開を整理する。

主要マーケット動向:踏み上げでBTC6万2千ドル手前、アルトが主導

ビットコインは前日までの上昇の勢いを保ち、6万1,500〜6万2,000ドルのレンジで底堅く推移している。暗号資産メディアCoinDeskによると、BTCは6万1,565ドル前後まで戻し、約2週間ぶりの高値圏を回復した(CoinDesk)。国内円建てでは、おおむね990万〜1,000万円前後で朝方から大きな変動はない。今回の上昇局面で目立つのは、ビットコイン以上にアルトコインが強い点だ。イーサリアムは前日比約6.4%高の1,719ドル前後まで上昇し、週間では約10%高。ソラナは節目の80ドルを回復して80.84ドルを付け、週間で約15〜19%高と主要銘柄で最も大きな値幅を記録した。XRPも1.10ドルの節目を回復している(CoinDesk)。

この上昇を加速させたのが「踏み上げ」だ。CoinDeskの集計では、直近24時間で弱気筋(ショート)の強制決済(清算)が約2億8,100万ドルに達し、強気筋(ロング)の清算額(約1億5,900万ドル)のおよそ2倍に膨らんだ。市場全体の清算総額は約4億4,000万ドル、影響を受けたトレーダーは9万5,690人に上った。とりわけイーサリアムのショート清算額(約1億5,700万ドル)がビットコイン(約1億300万ドル)を上回り、上昇局面でBTCが最大の清算源となる通常の構図が逆転した点は、今局面の特徴といえる(CoinDesk)。なお、現物ETFの資金フローは米国が独立記念日の連休に入ったため新規データの発表が止まっており、直近では7月2日の約2億2,350万ドルの純流入(Farside Investors)が最後の手掛かりとなる。連休明けに流入基調が続くかが引き続き焦点だ。

重要ヘッドライン

SBIクリプト、5年運営したビットコイン・マイニングプールを7月末に閉鎖

SBIホールディングス傘下のSBIクリプトは、約5年間運営してきたビットコインのマイニングプール事業を2026年7月31日午前7時(日本時間)に終了すると発表した。同社によれば、6月末時点の7日間平均ハッシュレートは約21EH/s(エクサハッシュ毎秒)で、ビットコイン・ネットワーク全体の約2.2%を占め、世界12位規模だった(CoinDeskあたらしい経済)。閉鎖理由は明示されていないが、採掘マージンの低下と運用コストの上昇が業界全体で重石となっている。同社は移行先候補としてBraiins、Luxor Pool、NeoPoolの3プールを案内している(CoinPost)。

スタンダードチャータード、G-SIBとして初のUSDC発行・償還サービス

英スタンダードチャータード銀行は7月2日、ステーブルコインUSDCの発行元サークル(Circle)と提携し、グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIB)として初めて、機関投資家向けにUSDCの発行(ミント)と償還を一体で提供するサービスを開始したと発表した(CircleStandard Chartered)。顧客はサークルに直接口座を持たずに、銀行の窓口を通じてUSDCを扱える。提供はまずドバイ国際金融センター(DIFC)の適格顧客に限定されるが、同行は規制当局の承認を前提に対象市場を拡大する方針だ。銀行がステーブルコインの一次市場へ本格参入する象徴的な動きといえる。

金融庁、暗号資産の「20%申告分離課税」を税制改正で要望へ

国内では、金融庁が2026年度の税制改正要望に暗号資産取引の課税見直しを盛り込む方針が報じられている。現行では最大55%となる総合課税から、株式などと同様の一律20%の申告分離課税への移行を求める内容だ。あわせて、暗号資産を金融商品取引法の枠組みに位置づけ、国内での現物ETF組成に道を開く狙いもあるとされる(CoinPostcryptonews)。ただし現時点はあくまで「要望」段階であり、実際の税制改正大綱への反映と法制化の行方は年末以降の議論を待つ必要がある。

米上場のマイニング・暗号資産関連株はさえない展開

株式市場は連休で休場だが、暗号資産関連株は総じて上値が重い。ビットコインが6月に一時5万9,000ドルを割り込んだことを背景に、代表的なビットコイン保有企業ストラテジー(旧マイクロストラテジー、MSTR)の株価は7月1日時点で85〜86ドル前後まで下落し、11カ月連続の月間下落を記録したと報じられている(Crypto Times)。今回のBTC反発が関連株の底入れにつながるかが、連休明けの注目点となる。

テーマ深堀り:ビットコイン採掘網の再編と「日本勢の後退」

SBIクリプトの撤退は、単発の企業判断にとどまらず、ビットコイン採掘(マイニング)業界が直面する構造変化を映している。2024年4月の半減期(ハービング)以降、採掘報酬はブロックあたり3.125BTCに半減し、採掘事業者の利幅は恒常的に圧迫されてきた。電力・設備コストが上昇するなか、規模の経済で優位に立つ米国上場の大手へハッシュレートが集約される流れが強まっている。SBIクリプトの約21EH/s(全体の約2.2%)は世界12位規模で、決して小さくない。この分がどこへ移るかによって、採掘網の企業別・地理的な集中度が変わり得る(CoinDesk)。

同社は移行先としてBraiins、Luxor Pool、NeoPoolを案内しており、特定プールへの偏在が進めば、ビットコインの中立性・検閲耐性を重視する立場からは議論を呼ぶ可能性がある。日本にとっては、国内発の大規模プールが姿を消すことで、採掘という基盤(インフラ)レイヤーでの存在感が一段と薄まる意味を持つ。折しも国内では、金融庁が暗号資産を金融商品として位置づける制度整備を進め、ETFや分離課税といった「投資商品」としての枠組みづくりは前進している。その一方で、採掘やインフラといった「支える側」からの後退が同時に進む——このコントラストは、日本の暗号資産産業が今後どの部分で強みを築くのかという問いを突きつけている。読者としては、値動きだけでなく、こうした基盤レイヤーの地殻変動にも目を向けておきたい。

識者の見方:本格反発か、一時的な踏み上げか

市場の見方は、今回の6万2,000ドル手前までの戻りが本格反発の起点となるのか、戻り売りに押される一時的な踏み上げにとどまるのかで割れている。強気派は、弱い6月雇用統計で利下げ観測が息を吹き返し、アルトコインを中心に大規模なショート清算が発生した点を重視する。需給の重石だった弱気ポジションが振り落とされたことで、上値追いの余地が生まれたとみる(CoinDesk)。一方の慎重派は、上昇の主因が実需よりも先物主導の踏み上げという側面が強く、連休の薄商いで値が振れやすい点を警戒する。加えて、ウォーシュFRB議長は6月会合で金利を据え置き、インフレはなお「高すぎる」との認識を崩していない(CNBC)。7月28〜29日のFOMCで早期利下げ観測が後退すれば、反動安のリスクもくすぶる。両者に共通するのは、FOMCとETF資金フローの再開を当面の分岐点と位置づける姿勢だ。

今後の注目イベント・指標

連休明け以降の最大の焦点は、7月28〜29日のFOMCだ。ウォーシュ議長率いる委員会が利下げに動くか、据え置きを続けるかで、リスク資産全体の地合いが左右される。前哨戦として、次回の米消費者物価指数(CPI)と各種インフレ指標も要チェックだ。制度面では、7月18日に最終化期限を迎える米ステーブルコイン規制(GENIUS法)の6機関による最終規則、国内では金融庁の税制・制度をめぐる動きが引き続き重要となる。連休で止まっているETFの資金フロー(Farside Investors等)が、週明けに流入基調へ復帰するかも確認したい。

まとめ

夕方の暗号資産市場は、独立記念日の連休で薄商いとなるなか、弱い雇用統計と大規模なショート清算を背景にビットコインが6万2,000ドル手前まで上昇し、イーサリアムやソラナが相場を主導した。国内では、SBIクリプトが5年運営したマイニングプールの7月末閉鎖を発表し、採掘網の再編と日本勢の後退が鮮明になった。制度面では、スタンダードチャータードのUSDC参入や金融庁の税制要望など、機関化・制度化の流れが着実に進む。踏み上げ主導の上昇の持続性は、7月28〜29日のFOMCが試金石となる。連休の薄商いに惑わされず、需給・制度・基盤の変化を冷静に見極めたい。

*本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。*

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