【9月4日夕】BTC8万1000ドルへ急伸、利上げ観測が後退

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9月4日夕、ビットコイン(BTC)は8万1,000ドル台(約1,265万円)へ水準を切り上げ、5月12日以来の高値圏でこの日を過ごしている。今朝の記事では、9月中旬のFOMCで「利上げ」がメインシナリオという緊張感を軸に、7万7,000ドル台で膠着する相場を整理した。だが日中にかけて風景は一変した。前日の米国市場でFRBのウォーラー理事がハト派的な発言を行い、9月利上げ観測が急速に後退。これを引き金に米現物ビットコインETFへ約7か月ぶりの規模の資金が流入し、BTCは一気に8万ドルの壁を突破した。夕方の本稿では、この「ウォーラー・ショック」ともいえる地合いの反転と、暗号資産関連株の急騰、そして本日夜に迫る米雇用統計の見どころに焦点を当てる。

主要マーケット動向:BTCは8万1,000ドル台へ急伸、5月以来の高値圏

暗号資産市場は、今朝の膠着から一転して急伸した。ビットコインは日本時間9月4日の米東部時間寄り付きで8万1,271.92ドルをつけ、前日始値比で約5.1%高となった。米東部時間7時21分(日本時間20時21分)時点では8万1,240.29ドルで推移し、その後も8万1,000ドル前後で底堅く動いている(出典:Yahoo Finance)。The Blockの相場ボードでも同時間帯のBTCは8万1,076ドル前後で表示されていた(出典:The Block)。1ドル=約155.8円で換算すると、1BTCはおよそ1,263万円となる(為替出典:Exchange-Rates.org)。

高値は5月12日以来の水準で、1週間前比では約1.3%高、1か月前比では約28.1%高と、8月に築いた上昇基調を明確に回復した(出典:Yahoo Finance)。イーサリアム(ETH)も追随し、寄り付きで2,507.70ドル(前日比約4.9%高)、7時21分時点で2,522.14ドルへ上昇した。主要アルトはソラナ(SOL)が104ドル前後、チェーンリンク(LINK)が12ドル前後で推移した(出典:The Block)。暗号資産全体の時価総額は前日終値時点で約2兆8,200億ドルまで拡大し、ジーキャッシュ(ZEC)などが上昇を主導した(出典:The Block)。

重要ヘッドライン

①ウォーラー理事がハト派転換、9月利上げ観測が急後退

相場反転の起点は金融政策だった。FRBのウォーラー理事は前日、9月15〜16日のFOMCについて「2%目標に向けた進展が続くなら、政策金利を現行水準で据え置くことを支持する用意がある」と述べた。一方で「インフレが強含めば利上げも検討する」とも付け加え、判断を今後2週間のインフレ指標に委ねた(出典:The Blockcrypto.news)。今朝の記事で「利上げがメインシナリオ」と伝えた局面から、市場の見立ては大きく振れたことになる。

②利上げ確率は67%から50%前後へ、予測市場では38%に低下

ウォーラー発言を受け、金利先物に基づくCMEフェドウォッチの9月利上げ確率は数分のうちに約67%から54.6%へ低下し、その後さらに切り下がって50%近辺となった。予測市場のポリマーケットでは、週初に50%へ迫っていた利上げ確率が38%まで低下し、「据え置き」の確率が約62〜63%へ上昇した(出典:investingLivecrypto.news)。金融引き締めの後退観測は、リスク資産である暗号資産にとって追い風となりやすい。

③米現物ビットコインETFに約7か月ぶり規模の資金流入、7億3,000万ドル超

需給面でも明確な変化が表れた。米現物ビットコインETFは前日、合計7億3,090万ドルの純流入を記録した。1月14日以来の大きさで、うち約4億5,400万ドルがブラックロックのIBITに集中した。フィデリティやグレースケールなど他の6ファンドも流入となった。8月月間では合計35億ドルを集め、2025年9月以来の好調な月となっていた(出典:The BlockYahoo Finance)。アナリストは、IBITへの資金集中は機関投資家による本格的な積み増しの表れだと指摘している。

④暗号資産関連株も急騰、ストラテジーは17.6%高

株式市場でも連動が鮮明だった。前日の米国市場で、ビットコインを大量保有するストラテジー(旧マイクロストラテジー)は17.6%高の144.80ドル、コインベースは10%高の192.70ドル、ステーブルコイン発行のサークルは16.5%高の103.23ドルで引けた(出典:The Block)。金融緩和期待の後退が、暗号資産そのものだけでなく関連株全体を押し上げた形だ。

テーマ深堀り:今夜の雇用統計より「来週のCPI」が本丸

日本時間今夜21時30分(米東部時間8時30分)には、8月の米雇用統計が発表される。市場予想(ダウ・ジョーンズ集計)では非農業部門雇用者数が前月比プラス5万3,000人、失業率は4.1%で横ばいとされる(出典:CNBC)。今朝の記事でも触れたとおり、雇用は目先最大のイベントだが、夕方時点で相場を動かしたのはむしろ金融政策の文脈だった点が重要だ。

ポイントは、ウォーラー理事が据え置き姿勢の前提を「インフレの鈍化が続くこと」に置いたことにある。つまり9月利上げの帰趨は、雇用統計以上に、9月10日の生産者物価指数(PPI)と9月11日の消費者物価指数(CPI)にかかっている。両指標はいずれも9月16日のFOMC直前に出そろう(出典:crypto.news)。BTCマーケッツのアナリストは「近い将来のリスクはデータだ。まず雇用、次にCPI。ウォーラー氏はインフレ鈍化を条件にハト派的な見方を示したため、強い数字が出れば前提が直接崩れる」と指摘し、8万1,000ドルが「下値の床」になるか「一時的な上抜け」で終わるかは、これらの指標と今後のETF資金フロー次第だとの見方を示した(出典:The Block)。

もう一つ注目したいのが、ビットコインの性格の変化だ。同アナリストによれば、BTCの過去90日間の金との相関は6年ぶりの高水準となる50%超へ上昇した一方、S&P500種株価指数との相関はゼロ近辺まで低下した。これは、ビットコインが「高ベータのリスク資産」ではなく「インフレヘッジ」として価格づけられ始めている可能性を示唆する(出典:The Block)。この見立てが定着すれば、日々の株価変動より数か月単位のインフレ動向が相場を規定することになる。

識者の見方:強気・弱気の両論

強気派は、金融政策と需給の両面から追い風を評価する。BTSEのジェフ・メイ最高執行責任者(COO)は「ウォーラー理事は事実上、市場にゴーサインを出した。インフレが冷え込み続ければ据え置く意向だと述べ、それがグロース株と暗号資産を押し上げた」と分析した(出典:The Block)。約7か月ぶり規模のETF流入も、機関投資家マネーの継続的な流入を裏づける材料と受け止められている。

一方の慎重派は、前提の脆さと季節性を重視する。ウォーラー理事の据え置き姿勢はあくまでインフレ鈍化が条件であり、来週のCPIが上振れれば一転して利上げ観測が強まりかねない。加えて9月は歴史的にビットコインが弱含みやすい月とされ、今朝の記事で紹介した過去平均のマイナスリターンも意識されている。今夜の雇用統計を含め、指標の一つひとつが方向感を左右する不安定な局面が続くとの見方だ。

今後の注目イベント・指標

直近では本日9月4日21時30分の米8月雇用統計が最初の関門となる。続いて9月10日にPPI、9月11日にCPIが発表され、9月15〜16日のFOMCで政策金利の判断が下される。暗号資産関連では、米現物ETFの資金フローが反転の勢いを保てるか、そしてBTCが8万1,000ドルを維持できるかが焦点となる。

まとめ

夕方のポイントは、①ウォーラー理事のハト派発言で9月利上げ観測が後退し、BTCは5月以来の8万1,000ドル台へ急伸、②利上げ確率は67%から50%前後(予測市場では38%)へ低下、③米現物ETFに約7か月ぶり規模の7億3,000万ドル超が流入、④ストラテジーなど関連株も急騰、の4点だ。ただし据え置き期待の前提はインフレ鈍化にあり、今夜の雇用統計と来週のCPIが「床」か「戻り売り」かを決める。日本の投資家は21時30分前後のボラティリティに留意したい。

*本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。*

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