【9月8日朝】BTC8万ドル攻防、堅調な米雇用で利上げ観測62%に

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日本時間9月8日の朝、ビットコイン(BTC)は8万ドルの節目を挟んで小動きが続いている。前週末に発表された8月の米雇用統計が市場予想を大きく上回る強さを示したことで、いったん後退していたFRB(米連邦準備制度理事会)の追加利上げ観測が再び強まった。米国は7日(月)が勤労感謝の休日(レイバーデー)で株式市場が休場となり、暗号資産も薄商いのまま様子見に傾いている。相場の目先の方向を決めるのは、9月11日発表の8月消費者物価指数(CPI)と、その直後に控える9月15〜16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)だ。今朝は、雇用統計後の地合いと、日本の読者にとって見逃せない国内債券・原油の動きを整理する。

主要マーケット動向:8万ドル近辺で膠着、ETHは相対的に堅調

直近の米東部時間の水準を確認すると、9月7日(月)午前9時41分時点でBTCは7万9,349.91ドルで取引されていた。同日の始値は8万351.40ドルで、日曜の始値より0.7%高い水準からのスタートだった(出典:Yahoo Finance)。1ドル=約156円で換算すると、1BTCはおよそ1,238万円となる(為替は概算)。BTCは1週間前と比べれば約3.4%高、1カ月前比では約25%高と夏場の上昇基調を保つ一方、1年前と比べると約27%安い水準にとどまる。過去最高値は2025年10月6日の12万6,198.07ドルで、そこからの調整局面が続いている点は押さえておきたい。

相対的な強さが目立つのがイーサリアム(ETH)だ。7日の始値は2,514.80ドルと日曜比1.4%高で、8月22日以来の高い始値となった。午前中は2,497.60ドルへ小幅に軟化したものの、1カ月前比では約32%高とBTC(同25%高)を上回る戻りを見せている(出典:Yahoo Finance)。米休場と重要指標待ちが重なり、週明けは主要銘柄とも方向感に欠ける展開だが、資金がETHへ相対的に向かう動きは継続している。

重要ヘッドライン

8月米雇用統計、予想を大きく上回る16万2,000人増

前週の最大の材料は、8月の米雇用統計だった。米労働統計局(BLS)によると、8月の非農業部門雇用者数は前月比16万2,000人増と、過去12カ月の平均(月3万1,000人増)を大きく上回った。失業率は4.1%で横ばい、民間部門の平均時給は10セント(0.3%)上昇の37.75ドルだった。業種別では飲食・宿泊が5万9,000人増、地方政府の教育が4万2,000人増と伸びを牽引した一方、情報産業は2万3,000人減となった(出典:BLSCrypto Daily)。労働市場の底堅さが確認されたことで、金利先物市場が織り込む9月FOMCでの利上げ確率は、統計発表前の約55%から約62%へ上昇した(出典:Crypto Daily(Reuters/CU Today引用))。金利上昇観測はリスク資産にとって重石となりやすく、暗号資産の上値を抑える要因として意識されている。

BTC現物ETF、9月3日に9カ月ぶりの大量流入

需給面では米ビットコイン現物ETFの資金フローが振れ幅を伴った。集計によると、9月1日は約2億3,650万ドルの純流出(ブラックロックIBITが約2億120万ドルの流出)だったが、3日は約7億3,080万ドルと約9カ月ぶりの大量流入に転じた。3日はIBITが約4億5,396万ドル(全体の約62%)、アーク21シェアーズARKBが約1億3,774万ドル、フィデリティFBTCが約7,445万ドルの流入。翌4日も約1億7,460万ドル(IBIT約1億1,740万ドル、FBTC約5,720万ドル)の純流入が続いた(出典:HedgeCoBlockchain.News)。米現物ETFの純資産総額は約1,033億ドルに達し、BTC時価総額の6%強を占める規模まで拡大している。押し目では機関投資家の買いが入る構図が続いている。

日本:長期金利が3%に接近、原油高が波紋

日本の読者にとって見逃せないのが、国内の債券・原油の動きだ。9月1日、日本の10年国債利回りは約30年ぶりに3%へ接近した。中東情勢の再燃で北海ブレント原油先物が1バレル91.49ドル(前日比+3.53%)まで上昇し、世界的な物価再加速への警戒が債券売りを誘った。米10年債利回りも4.78%と約20カ月ぶりの高水準に上昇している(出典:Crypto Daily(Reuters/Investing.com引用))。ロイターの分析では、10年債利回りが3%を上回って定着した場合、日本の国債費が予算で確保した31兆円(約1,950億ドル)を超えて膨らむ可能性があり、財政運営の重しになると指摘されている。金利・エネルギー価格の上昇は、円建て資産全体のボラティリティを高める点で、暗号資産投資家も注視すべき背景といえる。

テーマ深掘り:雇用統計「後」の主役は11日CPIとFOMC

今週の相場を読み解く鍵は、金融政策を巡る綱引きにある。8月雇用統計の強さは、労働市場が想定以上に堅調であることを示した。ただし雇用の強さそのものよりも、それがインフレ再燃と結びつくかどうかが焦点だ。エコノミストの間では「雇用統計は、FRBの関心を次会合でのインフレ動向へ改めて向けさせた」との見方が広がり、9月15〜16日のFOMCは「利上げ」と「据え置き」の間で微妙なバランスにあるとされる(出典:Yahoo Finance)。

その判断を左右する最大の分岐点が、9月11日(米東部時間8時30分、日本時間同日夜)に発表される8月CPIだ(出典:Finance Calendar)。7月CPIは前月比0.1%上昇・前年同月比3.4%と、依然として物価が高止まりしていることを示していた(出典:CNBC)。8月分でインフレの再加速が確認されれば利上げ観測が一段と強まり、暗号資産を含むリスク資産の重石となりやすい。逆に鈍化が示されれば「据え置き」観測が優勢となり、ETF流入と相まって相場の下支えになる可能性がある。米国が休場明けとなる今週は、CPIを起点にボラティリティが高まりやすい局面だ。

識者の見方:強気・弱気の論点

強気派は、需給の改善を根拠に挙げる。9月3日の9カ月ぶりの大量流入に象徴されるように、押し目では機関投資家の買いが入り、ETF純資産はBTC時価総額の6%超まで拡大した。ETHの相対的な強さも、資金がビットコイン以外へ広がる裾野の拡大と受け止められている。金利が高止まりしても、供給の逼迫と長期保有層の存在が下値を支えるとの見立てだ。

弱気派は、マクロ環境の逆風を強調する。堅調な雇用で利上げ確率が6割超まで高まり、米長期金利は20カ月ぶりの高水準、原油も90ドル台と、リスク資産に不利な条件が重なっている。BTCが最高値から約2割低い水準で戻りきれていない点も、上値の重さを示す。CPIがインフレ再燃を示せば、短期的な調整が深まる余地があると警戒する。強気・弱気いずれの見方も、11日のCPI待ちという点で一致している。

今後の注目イベント・指標

直近では9月11日の8月米CPI(同時期に卸売物価指数PPIも)が最重要だ。続く9月15〜16日のFOMCでは利上げの有無と、パウエル議長の会見での物価・雇用に関する評価が焦点となる。国内では日本の長期金利が3%を上回って定着するか、中東情勢と原油価格の推移も引き続き波乱要因となる。米現物ETFの日次フローも、地合いを測る手掛かりとして注視したい。

まとめ

今朝のポイントは3つ。第一に、BTCは8万ドル近辺で膠着し、ETHが相対的に堅調。第二に、強い雇用統計で9月FOMCの利上げ確率が約62%へ上昇し、上値が重い。第三に、相場の方向は11日のCPIとFOMC次第で、日本の長期金利・原油高もリスク資産全体の変動要因となる。休場明けの今週は、指標を起点にボラティリティが高まりやすい点に留意したい。

*本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。*

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