【5月25日朝】ARMA法案「100万BTC義務なし」判明──BTC1,215万円台で持ち直し

【5月25日朝】BTC1,215万円で持ち直し──ARMA法案「100万BTC義務なし」が判明、米メモリアルデー休場で薄商い

2026年5月25日(月)朝、暗号資産市場は週末を挟んで持ち直しの動きが続いている。前週末は、米下院に提出された戦略的ビットコイン準備金法案「ARMA(American Reserve Modernization Act of 2026)」の草案詳細が判明し、市場が期待していた「100万BTC購入義務」条項が含まれていなかったことから、円建てBTCが一時1,200万円を割り込んだ。週末にかけて中東停戦への期待感とテクニカルな反発でやや戻したものの、本日5月25日は米メモリアルデー休場で米株・米債・米現物ETFのアービトラージが不在となるため、薄商いの中でレンジ推移となる可能性が高い。本稿では、ARMA法案の中身、トランプ・メディアの2,650BTC送金、5月27日のXRPLアップデート、28日のコアPCE、6月1日施行の日本ステーブルコイン制度など、今週前半の論点を整理する。

主要マーケット動向:BTCは1,215万円台、HYPEの+10%が突出

2026年5月24日(日)11:30(JST)時点でのCoinPost掲載ティッカー(CoinGeckoベース)では、ビットコインは1,215万9,603円(24時間+1.17%)、イーサリアム(ETH)は33万3,490円(同+1.71%)、ソラナ(SOL)は1万3,551円(同+1.29%)、XRPは214.52円(同+0.75%)、BNBは10万4,350円(同+1.32%)、ドージコイン(DOGE)は16.22円(同+0.34%)と、主要銘柄が小幅高で揃った(出典:CoinPost トップ(5/24 11:30 JST取得))。同時刻のティッカーで突出して目立ったのが、ハイパーリキッドのネイティブトークンHYPEの1万0,078円(同+10.34%)で、後述するグレースケールのHYPE現物ETF修正申請とビットワイズ・21シェアーズのHYPE現物ETFの累計流入100億円超といった材料が、価格を押し上げた格好だ(出典:CoinPost(5/23 8:40)CoinPost(5/23 12:00))。

ドル建てでは、米Yahoo Finance/CoinDesk取材ベースでビットコインが22日終値で7万7,547ドル付近、イーサリアムが2,131ドル前後、Polymarketの予測でも5月末まで7万7,000〜8万0,500ドルのレンジを意識する見立てが多数派だ(出典:Yahoo Finance(5/22)Polymarket May 2026 BTC Event)。ドル円は159円台に留まっており(出典:日本経済新聞 為替チャート日銀 外国為替市況)、邦貨換算は1,210万〜1,230万円圏で推移している。総時価総額は約2.6兆ドル前後、BTCドミナンスは58%台で、対BTCのアルトコイン強弱は引き続きまちまちだ(出典:CoinGecko 総時価総額CoinMarketCap グローバルチャート)。

注意点として、本日5月25日(月)は米メモリアルデーで米株・米債は休場、現物BTC/ETHのETFも取引が成立しない(出典:Yahoo Finance(2026年休日スケジュール)SIFMA Holiday Schedule)。暗号資産自体は24時間取引が継続するが、ETF裁定取引の不在と機関プレイヤーの一時的退出は、ニュース材料に対して値幅が大きく出やすい環境を生む。週初の方向感は28日(木)のコアPCE発表まで持ち越されやすい点に留意したい。

重要ヘッドライン

ARMA法案、草案で「100万BTC購入義務」を不採用と確認──失望売りの背景

5月24日朝、米メディアThe Blockが、5月21日に米下院に超党派17名で提出された「ARMA法案(American Reserve Modernization Act of 2026)」の草案詳細を確認したと報じた(出典:CoinPost(5/24 5:50))。当初の報道では「5年間で100万BTCの取得を義務付ける」スキームと一部で受け止められていたが、実際の法案文では「最低20年間の売却禁止」「四半期Proof of Reserveレポート」「独立監査」「連邦議会監督」は明文化される一方、シンシア・ルミス上院議員の「2024年ビットコイン法案」が掲げていた「100万BTC購入目標」は明示されていない。市場では当面、財務省差押え保有分や戦略備蓄プログラムによるBTC追加取得圧力が「想定より弱い」と織り込まれ、5月22日夕〜23日朝にかけてBTCが1,200万円割れまで失望売りに押された(出典:CoinPost(5/23 10:25 仮想NISHI寄稿)Bitbo(5/21))。とはいえ、20年保有義務はトランプ大統領令の延長線上で「米国による戦略的BTCホールド」を法的に裏打ちする内容であり、中期的な需給を絞る方向に作用する点は変わらない。

トランプ・メディアが2,650BTC(約205億円相当)をCrypto.comへ送金、ただし「売却ではない」

ブロックチェーン分析企業アーカム(Arkham)のデータと、トランプ・メディア&テクノロジー・グループ(TMTG)の広報コメントを総合すると、TMTGに紐づくBTCアドレスから5月22日(米時間)、2,650BTC(送金時時価約2億500万ドル、邦貨約320億円相当)がCrypto.com宛てに送金された(出典:CoinPost(5/23 7:20)CoinDesk(5/22)Bitcoin.com News(5/23))。TMTG広報は「売却ではない」「より大きなトレーディング戦略の一部」と説明したが、同社のBTC取得平均単価は約11万8,522ドルで、現値からの含み損は累計4億5,500万ドル規模に膨らんでいるとされる。Q1(1-3月期)の純損失は4億590万ドル、売上はわずか87.1万ドルだった。BTC現物ETF申請の撤回後、戦略の不透明感が拭えず、市場では取引所への移管=OTC売却または貸付の準備と警戒する向きもある。日本のメタプラネット型「上場企業BTC財務」スキームの先行例として、含み損局面でのガバナンス対応は注視点となる。

米SEC、ナスダックのビットコイン指数オプション「QBTC」上場を承認

米SECは5月22日、ナスダックPHLXが申請していたビットコイン指数オプション(ティッカー:QBTC)の上場規則変更を加速承認した(出典:CoinPost(5/23 11:30))。現物BTCを引き渡さない現金決済・ヨーロピアン型のデリバティブで、米国株式市場の取引時間中に「BTC価格へのエクスポージャー」を取れる商品設計となる。上場には別途CFTCの免除承認が必要だが、現物BTC ETFとオプション市場がオーソドックスに揃うことで、機関の戦略の選択肢が広がる。あわせて、米バンク・オブ・アメリカが5月時点の13F報告でBTC・ETH・XRP・SOLの現物ETFを合計約5,300万ドル(約84億円)保有していると開示し、伝統金融側の暗号資産ETF採用が静かに進んでいる構図も浮かび上がった(出典:CoinPost(5/23 14:00))。

予測市場ポリマーケットで約9,000万円超の不正流出、米下院がインサイダー疑惑も調査

予測市場大手ポリマーケット(Polymarket)は5月22〜23日、内部運用ウォレットの不正侵害により、POLトークンで約60万ドル(邦貨約9,123万円)が流出したと発表した(出典:CoinPost(5/23 7:55)BanklessTimes(5/24))。攻撃者は資金を15のアドレスに分散させた。ユーザー資金には影響なしとしているが、同社をめぐっては、米下院監視委員会のジェームズ・コマー委員長がカルシ(Kalshi)と併せてインサイダー取引の有無を調査開始した旨を5月22日に発表しており、議員自身の予測市場参加を禁じる立法も視野に入る(出典:CoinPost(5/23 7:00))。さらに、米控訴裁判所はカルシとポリマーケットが求めていた州裁判の差止めを却下し、ネバダ州・ワシントン州との違法賭博訴訟は州裁で続行されることになった(出典:CoinPost(5/23 13:25))。予測市場セクターの規制リスクは一段と高まっている。

イーサリアム財団、研究者の連続退任が表面化──プロトコル改革の遅延懸念

イーサリアム財団(EF)では、ビーコンチェーン構築で知られるカール・ベーク(Carl Beek)氏(在籍7年)と、検閲耐性メカニズムFOCILなどを担ったジュリアン・マー(Julian Ma)氏(同4年)が、5月18日付で同日退任を発表した(出典:CoinDesk(5/18)The Block(5/18)crypto.news(5/19))。2026年に入ってからのEF研究者・幹部の退任は計8名、うち5名が5月に集中している(バルナベ・モノット氏、ティム・ベイコ氏、トレント・ヴァン・エップス氏、アレックス・ストークス氏、長年運営・編集を担ったジョシュ氏、前共同事務局長トマシュ・スタンチャク氏ら)。ベーク氏は「家族(新生児)との時間」、マー氏は「外部の成長機会」を理由に挙げており、いずれも個人的理由を強調しているが、相次ぐ退任はプロトコル改革のロードマップ進行(FOCIL、シングルスロット・ファイナリティ等)に短期的な遅延リスクをもたらすとの見方が市場参加者から出ている。

テーマ深堀り:今週は「規制・指標・制度」の三層イベントが密集──週前半はリスク管理を優先

今週前半は、暗号資産市場にとって性格の異なる重要イベントが密集する週となる。朝の本稿では、その「3層構造」を整理しておきたい。

第1層は「規制・制度」だ。5月27日(水)03:49:21(UTC、日本時間12:49:21)にXRP Ledgerのアメンドメント「fixCleanup3_1_3」が発効する予定で、NFTオファーの自動削除、Vault引出時のトラストライン制限の厳格化、Lending関連の不変条件強化が反映される(出典:Coinpedia(5/20)crypto.news(5/24)TheStreet Crypto(5月))。バリデーターの更新率は5月20日時点で約40%に留まっており、未対応分の「アメンドメントブロッキング」リスクが残る点に注意したい。さらに6月1日(日)には日本の外国信託型ステーブルコイン制度(電子決済手段等取引業者に関する内閣府令改正)が施行され、要件を満たす海外発行ステーブルコインの国内取扱が制度的に解禁される(出典:金融庁公式(5/19)CoinPost(5/19)Cryptotimes(5/19))。

第2層は「経済指標」だ。5月28日(木)には米4月コア個人消費支出物価指数(コアPCE)の発表があり、Q1 GDP第2推計値と同時刻となる(出典:BEA PCE 公式Kraken Economic Brief(5/20))。3月コアPCEは前年比+3.2%、ヘッドラインは+3.5%で、FOMC参加者の2026年末コアPCE見通し中央値は2.7%まで切り上がっている(出典:FOMC Summary of Economic Projections 3月18日FRED JCXFEMD)。新Fed議長ケビン・ウォーシュ氏は5月22日に正式就任しており、6月16-17日の初FOMCを前にした最後の主要インフレ指標として、市場の感応度は通常以上に高まる(出典:Al Jazeera(5/22)CNBC(5/13))。

第3層は「需給・地政学」だ。BTC現物ETFは5月15〜22日の6営業日連続で純流出(累計12.6億ドル)、ETH現物ETFも10日連続流出と、機関側のリスクオフが続いている(出典:crypto.news(5/23)Farside Investors BTC ETFFarside Investors ETH ETF)。Santimentは「6日連続流出はリテール降伏のシグナルで、過去パターン上は買い場形成」と整理しているが、米メモリアルデーで5/25の裁定取引が不在となるため、需給転換の判定は早くても5/26火曜の取引開始後となる。中東情勢では、トランプ大統領が5月23日に「米・イラン合意は概ね交渉済み」と発信した一方、イラン側はホルムズ海峡の支配権を主張しており、停戦の確定度合いは依然低い(出典:Time(5/23)CNN(5/23))。これら3層が重なる週前半は、ポジションサイズを抑え、節目ごとの確認を優先する戦術が選好されやすい。

識者の見方(強気・弱気)

強気派は、(1)ARMA法案で「100万BTC義務」は外れたが20年売却禁止は新規明文化であり、米国によるBTC戦略保有の方向性自体は後退していない、(2)BTC現物ETFの6日連続流出はSantiment指摘の通り過去パターン上は買いシグナル、(3)6月1日の日本ステーブルコイン制度施行で国内流動性インフラの底上げが見込まれる、(4)スペースXの1.8万BTC開示・テザーのトゥエンティワン買収など機関側の蓄積アクションは継続中──を支援材料に挙げる(出典:crypto.news(5/23)CoinPost(5/19)CoinPost(5/21 SpaceX)CoinPost(5/21 テザー))。

弱気派は、(1)CryptoQuantのレポートが「ビットコインの需要が縮小傾向にあり、2022年3月の弱気相場に類似」と警告している点(出典:Iolite/CoinPost転載(5/22))、(2)マーク・キューバン氏のBTC約8割売却発言(「インフレヘッジ言説に失望」)が示唆する「物語の劣化」、(3)CLARITY法案の上院本会議は8月会期前まで承認の不確実性が残る、(4)トランプ・メディアの取引所移管に示される「上場企業BTC財務」スキームの含み損問題、を警戒材料に挙げる(出典:CoinDesk(5/21)CoinPost(5/22))。両陣営とも「週前半はレンジ、5/28コアPCEで方向感」というシナリオでは概ね一致する。

今週の注目イベント・指標

5月25日(月)は米メモリアルデーで米株・米債が休場、米現物BTC/ETHのETFも休場。CMEの先物は短縮取引(出典:CME Group Holiday Hours)。5月26日(火)に米市場が再開、5月27日(水)にXRPL 3.1.3が発効、米5月CB消費者信頼感指数が発表予定。5月28日(木)に米4月コアPCE・Q1 GDP第2推計、5月29日(金)には米5月シカゴPMI等の発表が予定される。日本では金融庁主催の決済関連会合や、JPYC・bitFlyer・SBI VC・GMOコイン等の月末リリースが集中しやすい時期。さらに先には6月1日(日)の日本ステーブルコイン制度施行、6月16-17日のウォーシュ新議長下での初FOMCが控える。

まとめ

5月25日朝の市場は、ARMA法案で「100万BTC義務」が外れた失望売りを週末にかけて消化し、BTC1,215万円台で持ち直しの動きとなっている。ただし本日は米メモリアルデー休場でETF裁定取引が不在、薄商いの中でニュース材料に敏感に反応する展開が想定される。週内は5/27のXRPLアップデート、5/28のコアPCE、6/1の日本ステーブルコイン施行と、規制・指標・制度の3層イベントが密集するため、方向感の決め打ちより、各イベントを通過するごとに前提を更新する姿勢が望ましい。米バンカメの13F開示が示すように、伝統金融側の暗号資産ETF採用は静かに進んでおり、短期のボラティリティと中期の構造変化を分けて捉えたい1週間となる。

*本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。価格・指標は記事中に明示した時点のものであり、市場動向により変動します。*

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