【5月25日夕】BTC1,228万円底堅く──ヴィタリック「EFは小さな船へ」、テスタ氏BTC購入、HYPE再高値圏
2026年5月25日(月)夕、暗号資産市場は米メモリアルデーで米株・米債が休場、米現物BTC/ETHのETFも取引が成立しないなか、薄商いの中での底堅い推移となっている。CoinPostトップに掲載されたCoinGeckoベースの主要ティッカー(5月25日18:08時点・JST)では、ビットコイン(BTC)が1,228万円台、イーサリアム(ETH)が33万円台、ハイパーリキッドのHYPEが9,756円と前週来の高値圏で推移。日中アジア時間帯には、ヴィタリック・ブテリン氏のイーサリアム財団(EF)再定義表明、個人投資家テスタ氏のビットコイン購入告白、ムーンペイのChatGPT統合、CryptoQuantによる「ビットコイン見かけの需要が年初来最低」とのレポートなど、性格の異なる材料が並行して報じられた。本稿では、夕方時点で押さえておきたい論点を、明日5月26日(火)の米市場再開と28日(木)の米コアPCE発表を見据えて整理する。
主要マーケット動向:BTCは1,228万円台、HYPEが再び9,700円台へ
CoinPostトップ掲載のCoinGeckoベース主要ティッカー(CoinPostトップ(5/25 18:08時点・JST取得))によれば、ビットコイン(BTC)は1,228万9円(24時間+0.41%)、イーサリアム(ETH)は33万4,612円(同+0.89%)、XRPは214.82円(同+0.69%)、BNBは10万4,646円(同+0.03%)、TRXは57.98円(同+0.53%)、ソラナ(SOL)は1万3,576円(同+0.79%)、ドージコイン(DOGE)は16.25円(同+1.03%)、そしてハイパーリキッドのHYPEが9,756円(同+1.90%)と、主要銘柄が小幅高で揃った。朝の本欄(5月25日朝・当社過去記事)でも触れた通り、週末の失望売り局面(米下院に提出された戦略的ビットコイン準備金法案「ARMA」の草案で「100万BTC購入義務」が含まれなかったことを材料視した売り)からの戻り基調が、薄商いの中でも継続している。
ドル建てでは、米国時間の早朝時点でビットコインが7万6,700〜7万7,500ドルのレンジで推移。Investing.comの分析は「BTCは過去2週間続いている7万5,000〜8万0,000ドルのコンソリデーション帯にとどまり、200日移動平均線(8万2,300ドル付近)から約5%下方に位置する」と指摘した(出典:Investing.com 分析(5月)、crypto.news(5/25・BTC価格動向))。ドル円は159円台で推移しており、邦貨換算は1,220万〜1,240万円圏。総時価総額は約2.6兆ドル前後、BTCドミナンスは58%台で前週終値からほぼ変化なしだ(出典:CoinGecko 総時価総額)。
注意点として、本日5月25日(月)は米メモリアルデーで米株・米債・米現物BTC/ETHのETFが休場(出典:Yahoo Finance 2026年休日スケジュール、SIFMA Holiday Schedule)。ETF裁定取引と機関プレイヤーの一時退出により、暗号資産自体は24時間取引を継続するもののニュース材料への感応度が高まりやすい環境にある。明日26日(火)に米市場が再開した際、5月15〜23日に観測された6営業日連続のBTC現物ETF純流出(累計約12.6億ドル)が止まるか、それとも継続するかが、週内の方向感を決める最初の節目となる(出典:Farside Investors BTC ETF、crypto.news(5/23)、en.cryptonomist.ch(5/25))。
重要ヘッドライン
ヴィタリック・ブテリン氏、EFを「小さな船」と再定義──CROPSとETH売却抑制を明示
イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は5月25日(JST)、イーサリアム財団(EF)の今後の方向性についてXで長文投稿を行い、EFを「イーサリアムの中心」ではなく「明確な目的を持った、他のノードと並ぶ一つのノード」と再定義した(出典:CoinPost(5/25 14:29)、The Block(5/24)、Yahoo Finance(5/24)、Crypto Times(5/25))。背景には、EFが保有するETHが総供給量の約0.16%にとどまり、他チェーン財団(10〜50%規模)と比べリソースが乏しい点と、初期ロードマップ(Frontier〜Serenity)が2022年に達成済みである点がある。今後は「活動の幅」より「組織の長期存続」を優先し、CROPS(Censorship Resistance、Resistance to Capture、Open Source、Privacy、Security)領域に集中する方針で、これは「EF保有ETHの売却抑制」を意味するとブテリン氏は明言した。具体的な優先課題として、(1)AI活用による形式検証(Formal Verification)の推進、(2)非同期ネットワーク下でも安全な「Lean Consensus」、(3)トランザクションやウォレットにおける仲介者の最小化、の3点を提示。「これからのEFは過去数年に比べてより小さな船になる」との表現で締めくくった。直近の研究者・幹部退任ラッシュ(5月だけで5名)に対する公式見解として、コミュニティでは「沈静化を狙う妥当な整理」との受け止めと、「実行スピード低下を覚悟したダウンサイジング」との見方が交錯している。
テスタ氏、Binance Japan Pizza DayでBTC購入を告白──「税制改革で日本市場の構造が変わる」
国内最大級の個人投資家として知られるテスタ氏は5月22日に東京・港区で開催された「Binance Japan Pizza Day 2026」(バイナンスジャパン主催)に登壇し、バイナンスジャパン代表取締役・千野剛司氏との対談で、資産防衛の観点からビットコインを購入した経緯を語った(出典:CoinPost(5/25 12:36))。「円預金だけでは物価上昇局面で資産が目減りすると感じ、米国債・金・仮想通貨を組み合わせてポートフォリオを組み直した。世界で何かあったときのオプションとしてBTCを保有しておく価値がある」と説明。株式投資家へのアドバイスとして「株で培った成功体験をそのまま持ち込もうとすることが一番の罠。チャートの形は似ていても価格を動かしている参加者の論理がまったく異なる」と語った。千野氏は、(1)円・ドルなどのステーブルコイン、(2)RWA(実物資産のトークン化)、を業界トレンドの二大潮流と整理し、暗号資産に対する申告分離課税(約20%)への移行が早ければ2028年ごろに見込まれることに触れ、「機関投資家やアセットマネージャーも直接投資しやすくなる。日本市場の構造が大きく変わるタイミングだ」と展望を示した。テスタ氏も「もし20%になれば夢が広がる。以前は高い税負担で躊躇していたが、これは大きな変化だ」と同調した。
ハイパーリキッドHYPE、再び高値圏──買い支えの正体は「ETFよりバイバック」と分析
仮想通貨HYPEは5月25日も9,756円(同+1.90%)と高値圏で推移し、複数の海外メディアが過去最高値圏の背景を分析した。crypto.newsは「HYPE価格を押し上げているのは現物ETFの資金流入ではなく、Assistance Fundによる取引手数料を原資としたバイバック」と指摘し、「Assistance Fundは累計約11.6億ドルを買い戻しに投入してきた」と報じた(出典:CoinPost(5/25 12:04)、crypto.news(HYPEバイバック分析)、BeInCrypto(5月))。具体的には、Hyperliquid PerpsとSpotの取引手数料の99%が同ファンドに振り向けられ、市場からのHYPE買戻しに充てられる設計で、tokenomist.aiの集計では2026年1月以降だけで約6億4,500万ドル相当(約4,360万HYPE)が買戻されてきた(出典:tokenomist.ai HYPEバイバック)。米国ではビットワイズ・21シェアーズの現物HYPE ETF「THYP」(5月12日上場)に加え、グレースケールが第3次修正申請を提出済みで、3本目の現物HYPE ETF実現が間近とされる(出典:CoinPost(5/23 12:00))。ETF需給とバイバックの「二重の買い圧」が、HYPEのリレーティブ・ストレングスを支えている構図だ。
ムーンペイ、ChatGPTアプリストアに統合──会話内で100銘柄超を直接購入可能に
仮想通貨決済企業ムーンペイ(MoonPay)は5月23日(米時間)、OpenAIのChatGPTアプリストアに正式ローンチした(出典:CoinPost(5/25 15:13)、MoonPay公式X投稿)。ChatGPTのApps内で「MoonPay」を検索しアカウントを連携すれば、ビットコイン・イーサリアム・ソラナ・USDCを含む100銘柄超、30以上のブロックチェーンに対応する仮想通貨を、クレジットカード/Apple Pay/Google Pay/銀行送金で購入できる。決済の最終確認はmoonpay.comのチェックアウト画面で行う仕組みで、すでにムーンペイのアカウントがあるユーザーはKYC済みの状態で購入手続きを進められる。OpenAIは2025年12月にChatGPTアプリディレクトリを開設しており、クラーケンやOKXも既存連携を持つが、これらは価格照会やオンチェーンデータ参照が主用途。ムーンペイはチャット内から直接トークン購入できる点で差別化される。会話型AIが情報提供だけでなく実際の取引仲介を担う「アジェンティック・コマース(Agentic Commerce)」の流れを象徴する動きと位置づけられる。
CryptoQuant:BTC「見かけの需要」が年初来最低水準──現物需要回復なき先物主導の上昇に限界
オンチェーン分析企業CryptoQuantが公表したレポートでは、ビットコインの「見かけの需要(Apparent Demand)」が2025年12月以来の最低水準まで低下していることが示された(出典:CoinPost(5/25 11:30))。同指標は新規発行量と短期保有者の純需要を組み合わせて算出されるもので、足元の弱さは「現物の積極的買い手が不在のなか、先物主導で価格が押し上げられている構図」を示唆する。一方、Santimentは前述のBTC現物ETF「10日で9日流出」を「個人投資家の投げ売りシグナル」とし、MVRVなど複数のオンチェーン指標が「積み増しの好機」を示しているとも整理しており(出典:CoinPost(5/25 8:00))、機関売り・個人売りの両局面で「需要の細さ」と「逆張りの好機」が同時並行している、いささか読みづらい地合いと言える。なお、戦略的BTC財務を主導してきたマイクロストラテジー(現「ストラテジー」)のマイケル・セイラー氏は5月25日付Xで「BitVac充電中」と発信し、「今週はBTCではなく債券を購入した」と告白。次の大口買付タイミングへの示唆として注目された(出典:CoinPost(5/25 8:30))。
テーマ深堀り:ヴィタリック氏「小さな船」発言の意味──EFは「中心」から「ノード」へ
夕方の本稿で最も中期的な含意が大きい材料は、ヴィタリック・ブテリン氏のEF再定義表明である。論点は3つに整理できる。
第1に、ガバナンスの再設計だ。ブテリン氏は「EFはイーサリアムの中心ではなく、ノードの一つ」と明確化したうえで、「ボード(理事会)の拡張は進行中で、私自身のEF内での権限も今後減っていく。それが私の望みでもある」と述べた(出典:The Block(5/24)、Yahoo Finance(5/24))。2026年に入って退任した8名の研究者・幹部(5月だけで5名)への明確な公式回答として、創設者自身が「中央集権の解体」を主導する姿勢を打ち出した格好だ。短期的にはロードマップ進行(FOCIL、シングルスロット・ファイナリティ等)の遅延リスクが残るが、「分散型プロトコルが特定組織への依存度を下げる」という長期テーマと整合する。
第2に、ETHトークン需給への含意だ。EFは過去、コア開発の資金繰りのためにETHの売却を断続的に行ってきたが、ブテリン氏は今回「リソースを活動の幅より組織の長期存続に振り向ける」「これはEFが保有するETH売却の抑制を意味する」と踏み込んだ(出典:CoinPost(5/25 14:29))。EFが保有するETHは総供給量の約0.16%と相対的に小さいものの、節目で観測されてきた「EF売却」がイーサリアム弱気材料として警戒されてきた経緯を踏まえれば、需給面の安心材料となりうる。実際、過去にも財団が78億円相当のETHをステーキング解除した動きが、市場ボラティリティを生んだ事例がある。
第3に、技術ビジョンの明確化だ。ブテリン氏はCROPS(検閲耐性、捕獲耐性、オープンソース、プライバシー、セキュリティ)を「他組織が代替困難なコア領域」と位置づけ、AI活用の形式検証・Lean Consensus・仲介者最小化の3点を優先課題に挙げた(出典:MEXCニュース(CROPS Mandate)、Unchained(5月))。これは「速度・スケーラビリティ競争一辺倒に陥らない」というメッセージでもあり、ソラナ・モナド・ベリーチェーンといった高速L1群との差別化軸を「決済の安全性とプライバシー」に置き直す宣言と読める。日本市場の文脈では、6月1日施行の外国信託型ステーブルコイン制度や、2028年に想定される暗号資産の申告分離課税(20%)移行と相まって、機関・上場企業がETHを「インフラ資産」として組み入れる正当性を補強する材料となる可能性がある。
識者の見方(強気・弱気)
強気派は、(1)ヴィタリック氏のEF再定義は「ETH売却抑制」を明示しており、ETH需給に中期的なプラス材料、(2)HYPEのバイバック構造は手数料が増えるほど自動的に買戻し圧力が強まる「収益連動型デフレ機構」で、ハイパーリキッド系銘柄群の継続的な強さを示唆、(3)Santimentが指摘するように、BTC現物ETFの連続流出は過去のパターン上「積み増しの好機」、(4)韓国で22%課税撤廃を求める署名が5万人を超え国会常任委員会で正式審議入り(CoinPost(5/25 10:30))、日本の20%分離課税論議とあわせアジアの税制環境が改善方向、(5)エルサルバドルが直近7日間で8BTCを追加購入し7,662BTC保有に到達(出典:CoinPost(5/25 9:47)、CoinGecko El Salvador Treasuries)──を支援材料に挙げる。
弱気派は、(1)CryptoQuantが指摘する通りBTCの見かけの需要が年初来最低水準で、現物需要回復なき先物主導の上昇は長続きしにくい、(2)セイラー氏が「今週はBTCを買わなかった」と発信した通り、大口買い手の「充電期間」が示唆される、(3)BTCは200日移動平均線(約8万2,300ドル)を1月以降一度も日足終値で上抜けできておらず構造的な上値抵抗が残る、(4)5/28コアPCEが上振れすればウォーシュ新議長下でも利下げ余地が乏しい、を警戒する。両陣営とも「26日(火)の米市場再開時のBTC現物ETF資金フロー反転と、28日(木)コアPCEを通過するまでは方向感が出にくい」というシナリオで一致する。
今後の注目イベント・指標
明日5月26日(火)に米市場が再開し、BTC現物ETFの資金フロー(Farside Investors BTC ETF)が連続流出継続か反転かを確認できる。同日には米5月CB消費者信頼感指数、米3月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数が発表予定。5月27日(水)にはXRP Ledgerのアメンドメント「fixCleanup3_1_3」がUTC 03:49:21(日本時間12:49:21)に発効する見通しで、バリデーター更新率は5月20日時点で約40%から5月22日時点で50%超まで進捗(出典:Phemex Blog(5月)、crypto.news(5/24)、Coinpedia(5/20))。5月28日(木)には今週最大のイベントである米4月コアPCE物価指数・Q1 GDP第2推計値が発表される(BEA PCE 公式、FRED PCEPILFE)。ウォーシュ新議長下の初FOMC(6月16-17日)を前にした最後の主要インフレ指標で、市場の感応度は通常以上に高まる見通し。6月1日(日)には日本の外国信託型ステーブルコイン制度(電子決済手段等取引業者に関する内閣府令改正)が施行される。
まとめ
5月25日夕の市場は、米メモリアルデー休場による薄商いの中、BTC1,228万円・ETH33万円台・HYPE9,700円台の小幅高で底堅く推移している。日中アジア時間帯の主役は、ヴィタリック・ブテリン氏のイーサリアム財団「小さな船」再定義──ETH売却抑制とCROPS集中の方針表明──であり、中期的なETH需給の安心材料となった。日本市場ではテスタ氏×千野剛司氏対談が、2028年想定の暗号資産申告分離課税移行論議とあわせて、機関・個人双方の参入余地拡大を示唆。短期的には26日(火)の米市場再開時のBTC現物ETF資金フロー、27日(水)のXRP Ledgerアップデート、28日(木)の米コアPCEが連続イベント。需要の細さと逆張りの好機が併存する難読な地合いだけに、節目ごとに前提を更新する姿勢が望ましい1週間となる。
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*本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。価格・指標は記事中に明示した時点のものであり、市場動向により変動します。*



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