【8月11日夕】BTC1,010万円台に反落、CPI前に警戒強まる

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火曜日の暗号資産市場は、朝方の底堅さから一転、ビットコイン(BTC)が6万5,000ドルの節目を前に反落した。日本時間8月11日夜時点で1BTC=約1,012万円(6万4,000ドル台前半)と、朝方の1,024万円台から水準を切り下げている。日本時間12日夜に迫った米消費者物価指数(CPI)を前にした持ち高調整と、ホルムズ海峡を巡る原油高への警戒が重石となった。一方で、1万BTC超を保有する大口アドレスは半年ぶりの高水準に増え、押し目買いの動きも確認される。国内では、ローソンが日本円ステーブルコイン「JPYC」の店頭決済実証を開始し、実用化が一歩前進した。8月11日夕方の市場を整理する。

主要マーケット動向:BTCは,000の壁に阻まれ反落

BTCは日本時間8月11日夜時点で6万4,000ドル台前半(1BTC=約1,012万円、1ドル=約158円換算)で推移している。24時間の値幅は6万3,752ドル〜6万5,316ドルで、24時間騰落率は約1.7%安。前日に一時6万5,000ドルを回復したものの、6万5,000〜6万5,500ドルの上値抵抗帯を突破できず、上昇の勢いが失われた(The Sunday GuardianCRYPTO TIMES)。

主要アルトコインも軒並み軟調だった。イーサリアム(ETH)は約1,879ドル(約29万7,000円)と前日比2.3%安で、心理的節目の2,000ドルを依然回復できていない。XRPは1.01ドル前後(約160円、同2.1%安)で1ドルの防衛ラインが意識され、ソラナ(SOL)は76ドル前後(約1万2,000円、同0.9%安)、BNBは約600ドル(同0.6%安)で推移した。暗号資産全体の時価総額は約362兆円で、BTCの占有率(ドミナンス)は約59.2%となっている(CRYPTO TIMESCoinGecko)。

反落の背景には、CPIを前にレバレッジをかけた買い持ち(ロング)の手仕舞いが相次いだことがある。6万5,000ドルでの反落を機にロングの強制清算(ロスカット)が連鎖し、下げが加速した。加えて、ホルムズ海峡を巡る緊張から原油価格が上昇し、インフレ再燃への懸念が広がったことも、リスク資産全般への逆風となった(The Sunday Guardian)。

重要ヘッドライン

大口保有者は押し目買いを継続 1万BTC超のアドレスは半年ぶり高水準

短期筋がCPIを警戒して持ち高を落とす一方、大口保有者は逆に買い増しの動きを見せている。オンチェーンデータによると、1万BTC超を保有するアドレス数は半年ぶりの高水準となる90に達した。短期的なマクロ・リスクに反応する小口投資家と、押し目を長期の好機とみる大口投資家との「二極化」が鮮明になっている(The Sunday GuardianCoinDesk)。

日経平均は前日に4週ぶり高値 ホルムズ再開協議で方向感乏しく

日中のアジア市場では、日本株が高値圏でもみ合った。日経平均株価は前日10日に前週末比1,363円高の6万6,970円と約4週間ぶりの高値を付けたが、11日はホルムズ海峡の「正常化」を巡る思惑が交錯し、方向感を欠く展開となった。イランはホルムズ海峡での通航正常化に向け、封鎖・制裁の解除など4つの条件を提示しており、原油・LNG輸送の要衝を巡る不透明感が日本の輸入コストや世界の金利観に影響している(CRYPTO TIMES マクロ経済株探)。

韓国、暗号資産の差押え手続きを標準化へ 10月1日施行の見通し

韓国では、暗号資産の差押え手続きを標準化する規則案の意見公募が8月11日に締め切りを迎えた。大法院(最高裁)による民事執行規則の改正案は、債権者が債務者の暗号資産を凍結・特定・換価するための手続きを整備するもの。現行の日程どおりに確定すれば、10月1日に施行される見通しだ。アジア主要国で、暗号資産を法的な財産として執行対象に組み込む制度整備が着実に進んでいることを示す動きといえる(CRYPTO TIMES)。

暗号資産「保有企業」に相次ぐ逆風 AVAX保有会社に上場廃止リスク

暗号資産をバランスシートに積み上げた上場企業への逆風も強まっている。アバランチ(AVAX)を保有するアバランチ・トレジャリー・コーポレーション(AVAT)は、終値ベースの株価が1ドルを、時価総額が3,500万ドルを、それぞれ33営業日連続で下回ったとして、ナスダックから2件の上場基準不備の通知を受けた。2027年2月2日までの是正が求められている。日本でも、TOPIX構成銘柄の定期見直しで8月末が判定日となり、暗号資産関連企業には「二重の壁」が意識されている(CRYPTO TIMESCRYPTO TIMES)。

テーマ深堀り:円建てステーブルコインの実用化が加速──ローソンが店頭決済実証

朝方の主題が米国のETF資金フローと業界の淘汰だったのに対し、この夕方に日本市場で注目すべきは、円建てステーブルコインの「実装」が具体的に動き出したことだ。

ブロックチェーン企業のHashPortは、KDDI・ローソンと連携し、「ローソン高輪ゲートウェイシティ店」で日本円ステーブルコイン「JPYC」を用いた店頭決済の技術実証を8月上旬に開始した。ローソンのPOS(販売時点情報管理)システムと連携する形での実証はコンビニとして国内初とされ、レジ操作、決済スピード、ウォレットの使い勝手といった技術・運用上の課題を洗い出すことを目的としている。実証は関係従業員に限定した形で進められる(ペイメントナビビットタイムズHashPort(PR TIMES))。

背景にあるのは、2023年施行の改正資金決済法で日本円ステーブルコインの発行・流通の法的枠組みが整い、JPYCなどの円建てステーブルコインが具体的なユースケースを模索している状況だ。金融庁が8月に「暗号資産・ステーブルコイン課」を新設したことも、監督体制の重点がステーブルコインに移りつつあることを裏付ける。さらに、SBIホールディングスは日本株のトークン化で米Ondo Financeと提携し、その決済に円建てステーブルコインの活用を検討していると報じられている(CRYPTO TIMES)。

決済インフラとしての実用化は、投機的な値動きとは異なる「実需」を生む可能性がある。世界のステーブルコイン時価総額は約2,870億ドル(約45兆円)規模に達し、テザー(USDT)が約1,830億ドル、USDコイン(USDC)が約720億ドルと2銘柄で市場の約9割を占める。ドル建てが圧倒的多数を占めるなか、円建てステーブルコインが国内の店頭決済やトークン化証券の決済に根を張れるかは、日本の暗号資産・Web3の実用度を測る試金石となる(The Motley FoolDefiLlama)。

識者の見方:慎重と強気、CPIが分水嶺

慎重派は、目先のマクロ・リスクに注目する。CPIが市場予想を上回れば、ドル高と米金利上昇を通じてBTCなどのリスク資産に追加の下押し圧力がかかる。ホルムズ情勢による原油高が続けば、インフレの高止まりからFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ余地が狭まるとの警戒もある。BTCが6万5,000ドルの抵抗帯を明確に上抜けできない現状は、「売り手が依然として上値を抑えている」ことを示すとの指摘だ(The Sunday Guardian)。

一方、強気派が支えとみるのが大口保有者の動向だ。1万BTC超のアドレスが半年ぶりの高水準に増えたことは、価格の弱含みを長期的な仕込みの好機ととらえる投資家が存在することを示す。CPIが予想通りに鈍化すれば、9月の利下げ観測が再び強まり、ドル安・金利低下がリスク資産の追い風に転じる可能性もある。相場は6万〜6万5,500ドルのレンジ内にとどまっており、CPIがその「分水嶺」になるとの見方が優勢だ(The Sunday GuardianTradingKey)。

今後の注目イベント・指標

今週最大の焦点は、日本時間12日(水)午後9時30分(米東部時間8時30分)に発表される7月の米CPIだ。市場予想では、総合が前年同月比3.4%(6月は3.5%)、コアが同2.5%(同2.6%)への鈍化が見込まれている。想定通りに減速すれば9月利下げ観測を後押しする一方、原油高を映して上振れすればFRBの慎重姿勢が意識される。続く13日(木)には7月PPI(卸売物価)、14日(金)には7月小売売上高が控える。ホルムズ海峡を巡る協議の行方と原油価格、米BTC現物ETFの日次フローも引き続き注目される(KiplingerTradingKey)。

まとめ

BTCは6万5,000ドルの壁に阻まれて反落し、1BTC=約1,012万円へ水準を切り下げた。CPI前の持ち高調整とホルムズ情勢による原油高が重石となる一方、大口保有者の押し目買いは続き、市場は方向感を探る展開だ。国内では円建てステーブルコインの店頭決済実証が始まり、実用化が着実に前進している。目先は12日夜の米CPIが最大の分水嶺となる。

免責事項:本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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