【6月3日夕】BTC1,050万円割れ 米株シフトで続落、今夜ADP雇用

【6月3日夕】ビットコインは66万ドル台へ続落、米国株への資金シフトとステーブルコイン流動性の縮小 Uncategorized

ビットコイン(BTC)は6月3日のアジア時間に一段安となり、一時6万6,000ドル台前半まで水準を切り下げた。前日に7万ドルの節目を割り込んだ流れが続き、日本円換算では1,050万円前後で推移している。市場では「暗号資産から米国株への資金回帰」が下落の主因として指摘され始めた。日中の取引は売りが優勢だったものの下げ渋る場面もみられ、相場は今夜の米経済指標と週末の雇用統計をにらんで膠着している。夕方時点での要点を整理する。

主要マーケット動向:BTCは66万ドル台、アジア時間も売り優勢

海外データサイトによると、ビットコインは6月3日のアジア時間に6万6,000ドル台前半まで下落し、24時間の下落率は約5.4%となった。前日終値からさらに水準を切り下げ、4月以来の安値圏で推移している(出典: FXStreetYahoo Finance/Fortune)。1ドル=159円台で換算すると、おおむね1,050万円前後にあたる。2025年10月の史上最高値(約12万6,200ドル)からは47%超下回る水準だ。

イーサリアム(ETH)はさらに弱く、6月3日のアジア時間に1,850ドル前後まで下落し、24時間の下落率は約6.5%に達した(出典: FXStreetFortune)。円換算ではおよそ29万円となる。BTCに対する相対的な弱さが目立ち、主要アルトコインも総じて軟調だった。

下落の背景として、調査部門のBinance Researchは「暗号資産から米国株式へ資金が回帰する動き(キャピタル・ローテーション)」がリスク回避ムードを強めていると指摘している(出典: FXStreet)。AIなど成長期待の高いセクターへ資金が向かい、暗号資産の相対的な魅力が薄れているとの見方だ。アジア時間は下げ渋る場面もあったが、本格的な反発には至っていない。

重要ヘッドライン

今夜の米国市場:ADP雇用・ISMサービス業・ベージュブックに注目

夕方以降の最大の注目材料は、今夜発表される米国の経済指標だ。米東部時間6月3日には、民間雇用の先行指標であるADP全米雇用報告(市場予想は前月比11.6万人増、前回10.9万人増)、サービス業の景況感を示すISM非製造業景況指数、S&Pグローバルのサービス業PMIが相次いで発表される。さらにFRBが地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表する(出典: Investing.comEconoday)。

ベージュブックは6月16〜17日のFOMCの2週間前に出される景気判断資料で、利下げ議論の前提となる。労働市場の減速と根強い物価の双方を映す内容となれば、金利の先行きを巡って暗号資産にも波及しやすい。週末の雇用統計を前に、今夜の数字が短期的な地合いを左右する。

ステーブルコインの流動性に黄信号──USDT供給が急減

買いの原資となるステーブルコインの供給縮小が、相場の重しとして意識されている。ステーブルコイン全体の時価総額は5月を通じておよそ30億ドル減少し、市場に資金が入るより抜けている状況だ。とりわけ最大手テザー(USDT)では、直近の数時間で10億ドル超が供給から消える場面もあったとされる(出典: AMBCryptoCryptonews.net)。ステーブルコインは取引の「待機資金」とされるため、その縮小は買い需要の細りを示し、反発を起こりにくくする要因となる。

アルトコインに逆行の資金流入──XRP・HYPEがプラス

逆風下でも一部のアルトコインには資金が向かった。CoinShares集計によると、5月最終週の暗号資産投資商品は全体で約16.7億ドルの純流出(2026年で2番目の大きさ)となったが、銘柄別ではXRPに2,030万ドル、ハイパーリキッド(HYPE)に1,080万ドル、ニア(NEAR)に760万ドルの資金が流入した(出典: CoinDeskThe Block)。もっとも、100万ドル超の流入を集めた銘柄は5つにとどまり、3週間前の11銘柄から半減。物色の幅は明確に狭まっている。

現物ETF流出は連続記録を更新(続報)

朝の記事で触れた米現物ビットコインETFの資金流出は、その後も止まっていない。米現物BTC ETFは11営業日連続の純流出となり、累計で約34.5億ドルに達した。これは2026年に入って最大の週間流出規模となる(出典: AMBCryptoCoinDesk)。機関投資家の慎重姿勢が続いており、需給の重しとなっている。

テーマ深掘り:含み損に沈むメタプラネット、日本の暗号資産トレジャリーを問い直す

今回の下落で、日本の読者にとって身近な論点となっているのが、上場企業メタプラネットの「ビットコイン・トレジャリー(自社保有)戦略」だ。

トレジャリー企業の集計サイトによると、メタプラネットは6月3日時点で4万0,177BTCを保有し、平均取得単価は約9万7,593ドルとされる(出典: Bitcoin TreasuriesBitcoin.com News)。現在のBTC価格(約6万6,000ドル)はこの取得単価を3割以上下回っており、評価額ベースでは含み損を抱える計算になる。同社は上場企業の保有量で世界3位とされ、長期的には2027年末までに21万BTC(ビットコイン総供給量の約1%)の保有を目標に掲げている。

ここで重要なのは、含み損は「評価上」のものであり、売却しなければ実現損にはならないという点だ。メタプラネットはこれまで株価が下落する局面でも買い増し方針を維持してきた経緯があり、短期的な価格変動と長期戦略は切り分けて見る必要がある。一方で、米マイクロストラテジー(現Strategy)をはじめとするトレジャリー企業の株価は保有BTCの時価に連動しやすく、相場の調整局面では株主資本やプレミアム(純資産に対する株価の上乗せ)が圧縮されるリスクもはらむ。

日本では2026年に向けて、暗号資産を株式やFXと同様の「投資インフラ」として位置づける制度整備が進む。金融庁は申告分離課税や損失繰越の導入を含む税制改正を要望しており、暗号資産を金融商品取引法上に位置づけてインサイダー取引を禁じる方向も示している(出典: 日本経済新聞BeInCrypto Japan)。制度面の追い風と足元の価格調整が交錯するなか、企業の保有戦略は中長期の視点で評価したい局面だ。

識者の見方:強気・弱気の両論

強気派は、足元の下落をマクロ要因と一時的な流動性の細りによる調整と位置づける。日本では税制改正による申告分離課税の実現が視野に入り、米国でもステーブルコイン規制(GENIUS法)の実装が進むなど、制度面の地ならしは着実に進んでいる。資金が米国株へ一時的に向かっても、決済インフラや機関投資家の参入という構造的なテーマは崩れていない、との見立てだ。

一方の弱気派は、史上最高値から47%超下落した現状を重く見る。ETFの連続流出とステーブルコイン供給の縮小は、需要そのものの弱さと買い原資の細りを同時に示しており、反発の力が乏しいと警戒する。物色がXRPなど一部銘柄に偏る「選別色」の強まりも、市場全体の体力低下を映すとみる。両者に共通するのは、今夜の米指標と週末の雇用統計、そして6月のFOMCが当面の方向感を決めるという認識である。

今後の注目イベント・指標

直近では今夜の米ADP雇用・ISM非製造業景況指数・ベージュブックが最初の関門となる。続いて6月5日(金)の米5月雇用統計、6月16〜17日のFOMCで金利見通しが点検される。日次では現物ETFの資金フロー(Farside Investors)とステーブルコインの供給動向が需給の手掛かりだ。国内では金融庁が6月1日に受付を開始した「電子決済手段・暗号資産サービス仲介業」の新規登録動向と、メタプラネットなどトレジャリー企業のIRが引き続き材料となる。

まとめ

夕方時点でのポイントは三つ。第一に、BTCはアジア時間も売りが優勢で66万ドル台(約1,050万円)まで水準を切り下げた。第二に、米国株への資金回帰、ステーブルコイン供給の縮小、ETFの連続流出という需給・流動性要因が下押し圧力となっている。第三に、今夜の米ADP雇用やISMサービス業の結果が、週末の雇用統計に向けた最初の試金石となる。国内では税制改正やトレジャリー企業の動向にも目配りしたい。

免責事項:本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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