ビットコイン(BTC)は6月4日のアジア時間に一時6万2,000ドルを割り込み、2月以来の安値圏に沈んだ。過去24時間で15億ドルを超えるレバレッジ取引が強制清算され、下げが加速した格好だ。東京株式市場ではメタプラネットが年初来安値を更新するなど、国内の暗号資産関連株にも売りが波及した。午後には6万4,000ドル近辺まで反発したものの、今夜の米雇用関連指標、明晩の米5月雇用統計を前に神経質な展開が続いている。
主要マーケット動向:BTCはアジア時間に一時6.2万ドル割れ、午後は6.4万ドルへ反発
ビットコインは日本時間6月4日午前(香港時間木曜朝)、一時6万2,000ドルを割り込んだ。CoinGlassのデータによると、過去24時間で暗号資産市場全体の強制清算は15億ドルを超え、20万8,000人超のトレーダーが清算された。内訳はビットコインが8億ドル超、イーサリアム(ETH)が3億8,600万ドルで、その大半が買い建て(ロング)だった(出典: CoinDesk、Unchained)。海外の集計では、米東部時間3日夜に6万1,500ドル近辺まで下落したとの報告もある(出典: 99Bitcoins)。
その後、日本時間4日午後には「売られ過ぎ」の反動から6万4,000ドル前後まで持ち直した(4日午後時点・JST、出典: CoinDesk Live Markets)。それでも2025年10月の史上最高値(約12万6,198ドル)からは約5割低い水準だ。1ドル=159円前後で換算すると、6万4,000ドルはおおむね1,020万円にあたる。
イーサリアムは3日の米国時間に一時1,800ドルを割り込んだ。円換算ではおよそ29万円。米上場企業Bitmine(ビットマイン)のイーサリアム保有は含み損が90億ドルに迫っていると報じられた(出典: CoinDesk)。今朝の記事で触れた米現物ETFの資金流出はその後も止まらず、今週だけで約10億ドルが流出している(出典: CoinDesk/SoSoValue集計)。
重要ヘッドライン
メタプラネットが年初来安値236円、国内関連株に売り波及
4日の東京市場では、ビットコイン保有企業のメタプラネット(3350)が一時236円まで売られ、年初来安値を更新した(出典: トレーダーズ・ウェブ(Yahoo!ファイナンス)、コインオタク)。同社の保有量は4万177BTC、平均取得単価は約1,551万円で、足元の急落により未実現損益はマイナス2,103億円(約34%の含み損)まで拡大したと集計されている(出典: コインオタク、メタプラネット公式アナリティクス)。リミックスポイントなど他の暗号資産関連株にも安値圏での取引が広がった。
ADAが約5年ぶりに0.20ドル割れ、ホスキンソン氏は「休養」表明
カルダノ(ADA)は4日、約5年ぶりに0.20ドルを割り込んだ。創設者チャールズ・ホスキンソン氏が、エコシステムに「破綻の波」が来ると警告した上で「しばらく休む」と表明したことが売りに拍車をかけた。分析プラットフォームTapToolsの閉鎖や旗艦カンファレンスの中止が相次ぎ、ADAは過去1年で約70%下落している(出典: CoinDesk、PANews)。
米財務省、イラン最大手ノビテックスなど4取引所を制裁
米財務省外国資産管理室(OFAC)は2日(現地時間)、イラン最大手の暗号資産取引所ノビテックス(Nobitex)を含む4取引所(Bitpin、Ramzinex、Wallex)と経営陣4人を制裁指定した。制裁回避やテロ資金供与への関与が理由で、イランのデジタル資産経済に対する過去最大規模の措置とされる(出典: CoinDesk、Chainalysis、Elliptic)。中東情勢と暗号資産規制が交差する動きとして注目される。
現物ETFの流出続く(続報)──3日は約4億ドル、主要ETF合計では13営業日で44億ドル
今朝報じたETFからの資金流出はさらに積み上がっている。Farside Investorsの集計では、3日(米国時間)の米ビットコイン現物ETFは3億9,660万ドルの純流出となり、6月に入って3営業日連続の流出となった(出典: Farside Investors)。BTC・ETH・SOL・XRPの現物ETFを合計すると、直近13営業日の流出額は44億ドルに達したという(出典: CoinDesk)。
テーマ深掘り:「清算連鎖」と「モメンタムの喪失」──今回の急落をどう読むか
今回の急落の直接の引き金は、デリバティブ市場の清算連鎖だ。前日時点でビットコイン先物の建玉は過去最高圏にあり、価格が節目を割り込むたびにロングの強制決済が次の売りを呼ぶ構図となった。24時間で15億ドル超という清算規模は、レバレッジの巻き戻しがいかに急だったかを物語る(出典: CoinDesk)。
より構造的な背景として指摘されるのが「モメンタム資金の流出」だ。CoinDeskは、今回の下落は大口保有企業ストラテジーの売却が原因ではなく、勢いを追う投資資金がAI株や新規上場(IPO)銘柄、金(ゴールド)へ移っていることが本質だと分析する(出典: CoinDesk)。Presto Researchも、今年のビットコインの大幅安はAI株や金の上昇局面と重なっており、FRBの利下げ観測の後退が共通の底流にあると指摘した(出典: CoinDesk)。
日本の投資家にとって無視できないのは、株式市場への波及だ。メタプラネットの年初来安値更新が示すように、ビットコイン保有企業の株価は本体の暗号資産以上に振れやすい。円建てのBTC価格は為替にも左右されるため、急落局面では「ドル建て価格・円相場・関連株」の三つを分けて確認することが、状況を冷静に把握する助けになる。
識者の見方:強気・弱気の両論
強気・中立派は、短期的な反発余地に注目する。4日午後の6万4,000ドル回復について、CoinDeskは典型的な「売られ過ぎの反発」と評した。Presto Researchは、インフレ懸念の緩和とFRBの利下げ期待の回復により、流動性に敏感な資産へ資金が戻ることが本格反発の条件になるとの見方を示している(出典: CoinDesk)。
一方、オプション市場は警戒を強めている。世界最大の暗号資産オプション取引所デリビットでは、直近24時間で6月26日満期・権利行使価格5万ドルのプット(売る権利)が最も取引され、上位5位のうち4つを下値方向のプットが占めた。下値リスクへの備え、あるいは一段安への賭けが膨らんでいることを示す(出典: CoinDesk Live Markets)。強弱の見方が割れる中、当面は資金フローの変化を確認する局面と言えそうだ。
今後の注目イベント・指標
今夜は日本時間4日21時30分に米新規失業保険申請件数が発表される(前週は21万5,000件)。最大の山場は明日5日21時30分(JST)の米5月雇用統計で、非農業部門雇用者数の市場予想は8万〜10万人増程度、失業率は4.3%横ばいが見込まれている。来週11日にはECB理事会、16〜17日には米FOMCが控える。現物ETFの資金フローと、対イラン制裁を巡る続報にも引き続き注意したい。
まとめ
ビットコインは4日アジア時間に一時6万2,000ドルを割り込み、15億ドル超の清算を伴う急落となった。午後には6万4,000ドル前後へ戻したが、ETFの資金流出は止まらず、メタプラネットの年初来安値更新など国内市場への波及も鮮明だ。今夜の米指標と明晩の雇用統計が、目先の方向感を決める試金石となる。
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免責事項:本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。


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