【7月10日朝】BTC底堅く6.2万ドル、ソニー銀が米ステーブルコイン参入認可

【7月10日朝】BTC底堅く6.2万ドル、ソニー銀が米ステーブルコイン参入認可 Uncategorized

7月10日朝の暗号資産市場は、中東情勢の緊張がなお続くなかでも、ビットコイン(BTC)が6万2,800ドル前後で底堅く推移している。前日は主要銘柄がそろって小幅高となり、直近の急落局面からの落ち着きがうかがえる。一方で、米国の現物需要を映すCoinbaseプレミアムは50営業日連続のマイナスと過去最長の弱さを示し、価格の底堅さと需給の弱さが同居する複雑な地合いだ。本稿(朝刊)では、前夜の米国の値動きと制度ニュース、そしてソニー銀行による米ステーブルコイン参入という新材料を軸に、今週の焦点を整理する。

主要マーケット動向:BTCは6万2,800ドル前後で底堅く、アルトは戻り鈍い

複数の市況データによると、ビットコインは日本時間7月10日の早朝時点でおおむね6万2,800ドル前後、前日比で約1.8%高の水準で推移している(Forbes Advisor)。国内メディアの集計でも、9日のBTCは約6万2,767ドル(前日比約1.6%高)と、6万2,000ドル台後半での取引が確認できる(CoinPost)。ドル円が1ドル=162円台前半で推移していることを踏まえると(Trading Economics(日本円))、6万2,800ドルはおよそ1,020万円に相当する。

イーサリアム(ETH)は約1,746ドル(前日比約0.7%高、円換算で約28万円)と小幅に反発した(Forbes Advisor)。もっともアルトコインの戻りは総じて鈍い。ソラナ(SOL)は約78ドルと200日移動平均(約99ドル)を2割下回る水準にとどまり、XRPは1.10ドル近辺での小動きが続く(CryptonomistCoinDesk)。市場全体の時価総額は約2.16兆ドル、恐怖・強欲指数は20台の「恐怖」圏にとどまり、ビットコインドミナンス(BTCの占有率)は約56%と、資金が主力銘柄に偏る構図が続いている(CoinPost)。

需給面の弱さも見過ごせない。米国の現物ビットコインETFは、ファーサイド・インベスターズの集計で7月8日に約8,490万ドルの純流出となり、7月6日(約2億6,570万ドルの流入)から続いた流入基調が3営業日で途切れた(Farside Investors)。IBIT(ブラックロック)が約5,910万ドル、GBTC(グレースケール)が約6,370万ドルの流出だった。一方、イーサリアム現物ETFは7月8日に約7,050万ドルの純流入で5営業日連続のプラスとなり、BTCとETHで機関マネーの選好に差が出ている(Blockonomi)。なお7月9日分は本稿執筆時点でファーサイドに未反映で、流出入の方向感が改めて焦点となる。

重要ヘッドライン

ソニー銀行、米ドル建てステーブルコイン発行へOCCの条件付き認可

ソニーグループの銀行子会社ソニー銀行は、米通貨監督庁(OCC)から、米国での信託銀行子会社設立に関する条件付き認可を取得したと明らかにした。設立予定の「Connectia Trust, National Association」はニューヨークを拠点とし、資本金は4,000万ドル、ソニー銀行が100%出資する。ドル建てステーブルコインの発行・管理を担う計画で、正式なOCCの最終認可などがそろうまで業務は開始しないとしている(CoinDeskAmerican Banker)。ソニー銀行は2025年末から、ゲームやアニメなど自社の決済圏で使えるドル建てステーブルコインの構想を進めてきた。米国では、ストライプ傘下のBridge、Paxos、Circleなども同様の信託銀認可を相次いで取得しており、日本企業の本格参入は競争激化のなかでの挑戦となる。

米CLARITY法案、統合新版が来週提出か——残る3つの対立点

米国の暗号資産の市場構造を定める「CLARITY法案(Digital Asset Market Clarity Act)」について、上院銀行委員会と農業委員会の案を統合した新版が早ければ来週にも提示される可能性があると報じられた(CoinDesk)。ただし、(1)暗号資産のインサイダー取引・倫理規定、(2)連邦法による州法の専占、(3)ステーブルコインの利回りをめぐる扱い、という3つの対立点が残る。可決確率を占う予測市場では成立見通しが39%まで低下したとの報道もあり(Yahoo Finance)、7月の議会日程は残り少なく、2026年内の成立には不透明感が漂う。

米国の現物需要、過去最長の弱さ——Coinbaseプレミアムが50日連続マイナス

米国の投資家の需要を映すとされる「Coinbaseプレミアム」(Coinbaseと海外大手Binanceの価格差)が、50営業日連続でマイナス圏にとどまり、集計上で過去最長の記録を更新した(CoinDeskBloomingbit)。マイナスは、米国の取引所でBTCが海外より割安に取引されている状態を示し、米国勢の売り圧力が相対的に強いことを意味する。ETFの流出入が一進一退となるなかでのこの弱さは、7月の戻り相場の持続力に対する懸念材料となっている。

メタプラネットは保有4.3万BTC、事業会社の積み増しは継続

上場企業の動きも続く。ビットコイン財務戦略で知られるメタプラネットは、第2四半期に2,823BTCを追加取得し、累計保有を約4万3,000BTCへ積み上げた。世界で3番目に大きいビットコイン保有上場企業となり、2026年末までに10万BTC、2027年末までに21万BTCの保有を目標に掲げる(CoinDeskCoinPost)。相場の変動とは別軸で、事業会社による中長期の保有・インフラ整備の動きは途切れていない。

テーマ深掘り:日本発ステーブルコインの「二正面」——国内のJPYC、海外のソニー

ソニー銀行の米国参入は、日本のステーブルコイン戦略が「二正面」で進み始めたことを象徴している。国内では、6月に登録を受けたJPYCが円建てステーブルコインの実装を進め、京都では自販機決済の実証実験も始まった。これが「円建て・国内決済」を軸とする動きだとすれば、ソニー銀行の狙いは「ドル建て・グローバル決済」であり、ゲームやアニメといった自社コンテンツ経済圏をまたぐ用途を見据える。日本勢が国内外の両輪で制度対応を進める構図が鮮明になってきた。

もっとも、ドル建て市場の壁は高い。ステーブルコインの時価総額は全体で約3,110億ドルに達するが、その99%超がドル連動型で、うちUSDT(テザー)とUSDC(サークル)だけで約2,500億ドルを占める寡占市場だ(CoinDeskDefiLlama)。一方で、ステーブルコインの月間取引高は先月に1.79兆ドルの過去最高を記録し、前年比で2倍超に拡大するなど、市場そのものは急成長している。米国では2025年に成立した「GENIUS法」がドル建てステーブルコインの連邦規制の枠組みを整え、参入の土台が固まりつつある。日本企業にとっては、既存の巨大プレーヤーとどう差別化し、自社経済圏という独自の強みを生かせるかが問われる局面だ。

識者の見方:底打ち接近を見る声と、需要構造の弱さを警戒する声

強気派は、BTCが有事のニュースをこなしながら6万2,000ドル台を維持している点に底堅さを見る。現物ETFという恒常的な買い手の存在、日米での制度整備の進展、事業会社の継続的な積み増しは、中長期の需要基盤を厚くする材料だと指摘する。ETHのETFに資金流入が続いていることも、機関投資家の関心が途切れていない証左と受け止められている。

一方で慎重派は、需要構造の弱さを重く見る。Coinbaseプレミアムの過去最長のマイナス、BTCETFの流出入の一進一退、そして200日線を大きく下回るアルトコインの低迷は、いずれも「戻りの脆さ」を示すシグナルだ。原油高が輸入インフレを通じて利下げ観測を後退させれば、金利低下期待に支えられてきた相場の前提が揺らぎかねない。強弱双方の材料が拮抗するなか、当面はレンジ内での方向感探りが続くとの見方が多い。

今後の注目イベント・指標

今週から来週にかけては、米金融政策を占う重要指標が集中する。7月14日には6月の米消費者物価指数(CPI)が発表され(米労働統計局)、原油高の物価波及が焦点となる。25日には6月のPCE(個人消費支出)物価指数、そして7月28〜29日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が控える(米連邦準備制度)。制度面では、前述のCLARITY法案の統合新版が来週提示されるかが注目される。

まとめ

7月10日朝のポイントは3つ。第一に、BTCは6万2,800ドル前後で底堅い一方、Coinbaseプレミアムの過去最長のマイナスが示す通り、米国の現物需要は構造的に弱い。第二に、ソニー銀行の米ステーブルコイン参入で、日本勢は「国内・円建て」と「海外・ドル建て」の二正面戦略へ動き出した。第三に、14日のCPIを皮切りにFOMCへ向けた重要指標が続き、金利観測の変化が相場の試金石となる。価格の底堅さと需給の弱さが同居するなか、地合いの確認を丁寧に進めたい。

*本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。*

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