【7月11日朝】BTC6万4千ドル接近、米ETF資金流入が復活

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7月11日(土)朝の暗号資産市場は、週末を落ち着いた地合いで迎えた。ビットコイン(BTC)は前日の米国時間に一時6万4,000ドル近くまで水準を切り上げ、週間ではプラスを維持して取引を終えた。原動力は暗号資産固有の買い材料というより、アジアの半導体株高とドル安、そして売られ過ぎからの買い戻しだ。需給面では、6月に膨らんだ米現物ETFの資金流出が7月に入って流入へ転じ、相場の下支えとなっている。本稿(朝刊)では、前夜の米国市場と規制動向、そして来週に控える日米の制度・指標の節目を整理する。

主要マーケット動向:BTCは6万4,000ドルに接近、週間はプラスで着地

ビットコインは7月10日(金)の米国時間に堅調に推移した。米メディアの集計では、BTCは同日の始値6万3,184.80ドルから、米東部時間午前8時39分(日本時間同日21時39分頃)には6万4,380ドルまで上昇。過去7日間では2.8%高となった(Yahoo Finance)。CoinDeskの集計でも、BTCは当日3.5%高の6万4,000ドル近くまで戻し、週間では4.2%高と、原油高や中東情勢の緊張を挟みながらもプラスを確保した(CoinDesk)。1ドル=160円台で換算すると、6万4,000ドルはおよそ1,000万円強にあたる。

イーサリアム(ETH)も底堅い。始値1,744.28ドルから米東部時間午前8時39分には1,795.90ドルまで上昇し、過去7日間で2.7%高となった(Yahoo Finance)。ビットコインの過去最高値は2025年10月6日の12万6,198ドル、イーサリアムは2025年8月24日の4,953ドルで、いずれも現在はそこから調整した水準にある。

もっとも、直近の上昇を実需主導と見るのは早計だ。CoinDeskは、相場を押し上げたのはレバレッジ主導の買い戻し、ドル安、アジアの半導体・AI関連株高であり、暗号資産固有の材料は乏しいと指摘する(CoinDesk)。6月はBTCにとって約4年ぶりの大幅な月間安だっただけに、戻りの持続力は需給と指標次第で、目先は6万5,000ドルが上値の節目として意識されている(FXLeaders)。

重要ヘッドライン

米現物ETF、資金流入が復活——10日連続流出(約27.3億ドル)に歯止め

6月下旬まで続いた米現物ビットコインETFの資金流出が、7月に入って明確に流入へ転じた。複数の集計によれば、10営業日で約27.3億ドルに達した連続流出は一巡し、7月2日(約2.2億ドル)・6日(約2.7億ドル、ブラックロックIBIT主導)・7日(約0.2億ドル)の3営業日で計約5億1,000万ドルが流入。7月9日もFBTC・ARKB主導で約2億2,170万ドルの流入が伝えられた(TechTimesCryptoNewsInvesting News Network)。日次の数字はソースによって差があるものの、「流出から流入へ」の転換は複数ソースで一致する。ETFの資金フローは機関投資家の需要を映す代表的な指標で、相場の下支え要因として注目される。

米CLARITY法案、上院は13日に再開——統合新版が今週にも

暗号資産の市場構造を定める米「CLARITY法案(デジタル資産市場明確化法)」は、上院で審議が続く。上院は7月13日に休会明けを迎え、8月の休会入りまでの約3週間が今年の成立に向けた事実上の勝負どころとされる。上院銀行委員会と農業委員会の内容を統合した新版が早ければ今週にも公表される可能性が報じられている(CoinDesk)。ただし、不正金融規定(第604条)、ステーブルコインの利回り扱い(コインベースのUSDC関連収益が論点)、そして民主党が求める倫理規定という3つの対立点が残り、フィリバスター突破に必要な民主党票の確保が焦点となる(Yahoo Finance/CoinDesk系Latham & Watkins 政策トラッカー)。

日本の金商法改正案、14日に参院委で採決へ——会期末までの成立が確実視

暗号資産取引の規制を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移す改正案が、7月14日に参議院財政金融委員会で採決される見通しと報じられた。7月17日の会期末までの成立が確実視され、秋の臨時国会への先送りは回避される公算が大きい(NADA NEWS)。同法案は2026年4月10日に閣議決定済みで、暗号資産を「金融商品」と位置づけ、インサイダー取引を禁止し、発行体に年次の情報開示を求めることが柱となる(日本経済新聞Bloomberg)。成立すれば、将来的な20%申告分離課税への制度的な前提が整う。

米6月CPIは14日発表——FOMC前の重要指標

米労働統計局(BLS)は、6月の消費者物価指数(CPI)を7月14日(火)午前8時30分(米東部時間)に公表する(Finance CalendarBLS公表スケジュール)。4月のCPIは前年同月比3.8%と2023年5月以来の高さで、中東情勢に絡むエネルギー高が押し上げ要因だった。7月28〜29日のFOMCを前に、インフレの再加速が一服したかどうかが問われる。

テーマ深掘り:米国が進める「暗号資産で住宅ローン」——FHFA指示とクリプト住宅ローンの現在地

前夜の米国発の材料のうち、中長期で暗号資産の裾野を広げうるのが住宅金融分野の動きだ。米連邦住宅金融庁(FHFA)のウィリアム・パルティ長官は6月25日、政府系住宅金融機関のファニーメイとフレディマックに対し、確認可能な暗号資産の保有を住宅ローンの資産・準備金評価で正式に考慮するための提案を準備するよう指示した(決定番号2025-360)。対象となる暗号資産は米国の規制下にある集中型取引所(例としてコインベース)で保管されているものに限られ、ドルへ換金しなくても資産として算入できる道を開く内容だ(Crypto BriefingFox Business)。

これは制度設計の段階で、両機関はボラティリティ(価格変動)管理の具体策を提案に盛り込む必要があり、現時点で広く適用できる最終ガイドラインは存在しない。上院銀行委員会も、政府系機関を通じた暗号資産担保融資のリスクと実装方法について調査を開始している(Crypto Briefing)。それでも実務は動き始めており、住宅ローン会社ベターとコインベースは、ファニーメイが裏付ける初のクリプト住宅ローンをミシガン州アナーバーの利用者に実行したと報じられた(Yahoo Finance)。

背景には、トランプ政権が掲げる「米国を暗号資産の中心地に」という方針がある。暗号資産を売却して課税イベントを起こさずに住宅取得の与信へ活用できれば、長期保有層の実需の受け皿が広がりうる。一方で、担保価値の急変動、審査の公平性、住宅金融システムの健全性など、見極めるべき論点は多い。日本でも金商法移管が進むなか、暗号資産を「資産」として金融の本流に組み込む動きが日米で並行している点は、中長期の需要基盤を考えるうえで押さえておきたい。

識者の見方:流入復活と制度前進を評価する声、上昇の「質」を問う声

強気派は、6月に膨らんだETFの資金流出が7月に入って流入へ転じ、BTCが原油高や中東情勢の逆風を吸収しながら週間プラスを維持した点に、相場の耐性の高まりを見る。CLARITY法案の統合新版や日本の金商法移管など、機関投資家の参入余地を広げうる制度整備が日米で前進していることも、需要の裾野を厚くする材料と受け止められている。

一方、慎重派は上昇の「質」を問う。今週の値動きにビットコイン固有の買い材料は乏しく、相場を動かしたのはアジアの半導体株高とドル安、レバレッジ主導の買い戻しだった。ETFの日次フローはソースによって数字にばらつきがあり、CLARITY法案も3つの対立点が残る。6月が約4年ぶりの大幅安だったことを踏まえれば、6万5,000ドルの上値抵抗を明確に抜けられるかは、14日のCPIと需給次第だと慎重派は見る。

今後の注目イベント・指標

来週は日米で節目が集中する。米国では7月13日に上院が休会明けを迎え、CLARITY法案の統合新版の公表と審議進展が焦点。7月14日には米6月CPIが発表される(BLS)。日本では同じ7月14日に参議院財政金融委員会で金商法改正案の採決が見込まれ、17日の会期末までの成立が視野に入る(NADA NEWS)。さらに7月25日に6月の米PCE、7月28〜29日にFOMCが控える(米連邦準備制度)。週末は流動性が薄く、値動きが振れやすい点にも留意したい。

まとめ

7月11日朝のポイントは3つ。第一に、BTCは前日の米国時間に6万4,000ドルに接近し週間4.2%高で着地したが、原動力はアジア株高・ドル安・買い戻しという「非暗号資産的」な要因で、6万5,000ドルの上値抵抗が意識される。第二に、6月に膨らんだ米現物ETFの資金流出が7月に入って流入へ転じ、相場の下支えとなっている(日次はソースにより差あり)。第三に、来週は米CLARITY法案の進展と6月CPI、日本の金商法改正案の採決と、日米で制度・指標の節目が重なる。相場の耐性と上昇の質への疑問が同居するなか、資金フローと制度整備の両面を丁寧に追いたい。

*本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。*

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