【8月3日朝】BTC6.3万ドル、今週は米雇用統計と規制法案が焦点

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新しい取引週が始まった。週末のビットコイン(BTC)は6万3,000ドル前後(1ドル=約159円換算で約1,000万円前後)で下げ渋り、7月末の売り圧力からいったん反発を試している。もっとも上値は重く、方向感は「今週の材料待ち」の色合いが濃い。米国では先週のFOMC(連邦公開市場委員会)が5会合連続の据え置きを決め、市場は次の一手を占ううえで週末の米雇用統計に注目している。制度面では、米議会の暗号資産包括法案が夏季休会前の攻防に入り、アルトコインETFの拡大も続く。月曜朝の要点を整理する。

主要マーケット動向:BTCは6.3万ドル台で下げ渋り、ETH建てETFは資金流入基調

BTCは日本時間8月3日朝の時点で6万3,000ドル前後で推移している。週末は薄商いのなかで一時6万3,000ドル台を回復し、7月末終値(約6万2,818ドル)からわずかに水準を切り上げた(CoinLoreCoingabbar)。ただし7月末にかけては下降チャネルの上限で頭を抑えられ、20日移動平均線を下回る場面もあった。円換算では1BTCあたり約1,000万円前後にあたる。

イーサリアム(ETH)は1,860〜1,900ドル前後(約30万円前後)、リップル(XRP)は1.0ドル台、ソラナ(SOL)は70ドル台で、主要アルトはおおむね横ばい圏を維持した(CoinpediaCoingabbar)。市場心理を示す恐怖・強欲指数は先週来「Fear(恐怖)」圏で推移しており、慎重姿勢が続いている(Alternative.me)。暗号資産全体の時価総額は、CoinMarketCap集計をもとにした報道で約2.25兆ドル規模とされ、直近24時間では小幅にマイナス圏だった(Coingabbar)。

資金フローではBTCとETHの明暗が続いている。米ビットコイン現物ETFは7月最終営業日に約2億6,500万ドルの純流出を記録した一方、米イーサリアム現物ETFは7月に月間で約3億6,500万ドルの純流入と4週連続のプラスで着地した(Crypto TimesPhemex Blog)。機関投資家のETH選好が今週も続くのか、価格の弱含みで失速するのかが引き続き焦点となる。

重要ヘッドライン

FOMCは5会合連続で据え置き、タカ派の反対票3つ

米連邦準備制度理事会(FRB)は7月29日のFOMCで、政策金利を3.50〜3.75%に据え置いた。据え置きは5会合連続で、採決は9対3。3地区連銀総裁がいずれも0.25%の利上げを主張して反対票を投じた(CNBCCryptoRank)。景気の底堅さと粘着的なインフレの間で板挟みとなるFRBの姿勢を映した結果だ。利下げ期待の後退はドル高・利回り上昇を通じて暗号資産には逆風になりやすく、次回9月16〜17日の会合に向けて今週以降の指標が方向性を左右する。

今週は「雇用統計ウィーク」、米大手決算も集中

新しい取引週は経済指標が目白押しだ。週明けの米ISM製造業景況指数を皮切りに、水曜日にはADP雇用リポートとISM非製造業景況指数、そして8月7日(金)には7月の米雇用統計(非農業部門雇用者数)が控える(KiplingerLiteFinance)。6月分の雇用者数は前月比+5万7,000人と市場予想を大きく下回り、労働市場の減速感が意識されている(Coingabbar)。加えて今週はS&P500構成銘柄の約2割が決算を発表し、8月6日には大手マイナーのマラソン・デジタル(MARA)の決算も予定される。株式市場のボラティリティが暗号資産に波及する可能性がある(Coinpedia)。

米議会の暗号資産包括法案、夏季休会前の攻防へ

米上院共和党は7月22日、暗号資産の包括的な規制枠組みを定める「デジタル資産市場明確化法案(Digital Asset Market Clarity Act)」の最新版テキストを公表した。上院銀行委員会と農業委員会の作業を統合し、両委員会の枠組みを概ね維持した内容だ(Davis Wright TremaineLatham & Watkins)。市場では、議会の夏季休会前にどこまで審議が進むかが注目されている。さらに8月末までに、暗号資産の税制法案の提出と、資本市場でのブロックチェーン利用に関するCFTC(商品先物取引委員会)規則の最終化が見込まれている(Latham & Watkins)。

アルトコインETFの拡大が継続、上場基準は「最短75日」

SECは昨年9月に承認した汎用上場基準(generic listing standards)により、暗号資産ETFの承認までの期間を最長240日から最短75日程度まで短縮した。これを追い風に、DOGE・XRP・SOLなど主要アルトの現物ETFが相次いで市場に登場している(The BlockLatham & Watkins)。ビットコイン・イーサリアムに続き投資対象が広がることで、機関マネーの選択肢は増える一方、個別アルトの値動きは資金フロー次第で振れやすくなる点には留意が必要だ。

国内:メタプラネットの証券事業と、金融庁の制度改革

国内では、ビットコイン財務戦略で知られるメタプラネット(3350)が7月13日付で買収済みの証券会社を「メタプラネット証券」へ商号変更し、金融事業への参入を進めている。同社の累計BTC保有は約4万3,000枚に達した(CRYPTO TIMESCoinGecko Treasuries)。制度面では、金融庁が暗号資産の規制を資金決済法から金融商品取引法(金商法)の枠組みへ移す方針で、資金調達目的で発行する事業者に年1回の情報開示を義務付ける改正案を通常国会に提出する見通しだ(日本経済新聞森・濱田松本法律事務所)。

テーマ深掘り:米「明確化法案」が動くと何が変わるのか ― 日本の投資家への含意

今週の相場を読むうえで、経済指標と並んで重要なのが米国の制度整備だ。デジタル資産市場明確化法案は、ある暗号資産を「証券(SECが所管)」と「商品(CFTCが所管)」のどちらとして扱うかという長年の論点に、立法によって線引きを与えようとするものだ。これまで米国では規制当局の裁量や個別の訴訟で分類が争われ、事業者は「どの当局に、何を届け出ればよいのか」が定まらない不確実性を抱えてきた。法案が成立すれば、取引所の登録区分、発行体の開示義務、そしてどの銘柄がETF化しやすいかといった実務の前提が大きく変わる。

日本の投資家にとっての含意は三つある。第一に、米国での分類ルールが固まれば、アルトコインETFの承認判断がより迅速になり、投資対象の裾野が広がる可能性がある。SECの汎用上場基準による「最短75日」の流れは、その前触れといえる。第二に、米国の規制枠組みは各国の「事実上の標準」として参照されやすく、日本が進める金商法への移行とも方向性が重なる。制度の国際的な収れんは、上場企業の暗号資産財務戦略を後押しし得る。第三に、法案審議は議会日程に左右され、夏季休会や党派対立で遅延するのが常だという点だ。「成立が近い」との観測で価格が動いても、立法が遅れれば期待の巻き戻しが起きる。制度の進展は中長期の追い風だが、短期の値動きの理由を制度ニュースだけに求めるのは禁物である。日本の読者としては、日米双方の「ルールが固まる時間軸」を冷静に見極めたい。

識者の見方:規制明確化への期待と、マクロ逆風への警戒

強気派は、①米国の規制枠組みが整いつつあること、②ETH建て現物ETFへの資金流入が4週連続で続いていること、③7月末の下げでポジションが整理され押し目買いの余地が生まれていることを支えとみる。制度の明確化はアルトETFの拡大を通じて新規マネーを呼び込むとの見立てだ。

一方で弱気派は、FOMCで利上げを求める反対票が3つ出たようにインフレの粘着性が意識されるなか、雇用統計次第では利下げ期待がさらに後退し得る点を警戒する。BTCが下降チャネル上限で跳ね返され、心理指標が「恐怖」圏にとどまることも上値の重さを示す。両者に共通するのは、「今週の米雇用統計とISMが当面の分水嶺になる」という見方である。

今後の注目イベント・指標

今週は米ISM製造業・非製造業景況指数、水曜のADP雇用リポート、そして8月7日(金)の7月米雇用統計が最大の焦点となる。企業決算では8月6日のマラソン・デジタル(MARA)をはじめS&P500の約2割が発表を控える。制度面ではデジタル資産市場明確化法案の審議進捗、8月末までに見込まれる暗号資産税制法案の提出とCFTC規則の最終化、国内では金融庁の金商法改正案の動向に注目したい。

まとめ

新しい取引週は、BTCが6万3,000ドル前後で下げ渋るなか、マクロ指標と制度ニュースの綱引きで始まった。当面の相場を左右するのは今週の米雇用統計とISM、そして米議会・CFTC・金融庁が進める制度整備の時間軸だ。ETH建てETFの資金流入という下支えはあるものの、心理は依然「恐怖」圏にある。今週は指標発表ごとの値動きに振らされやすい局面といえる。

*本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。*

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