ビットコイン(BTC)は日本時間7月25日早朝、約6万4,900ドル(円換算で約1,063万円)へと反落し、心理的節目の6万5,000ドルをはさんだ攻防となっている。前日24日の米国市場では、同日発効したトランプ政権の新関税を受けて米長期金利が約4.7%へ上昇し、株式や暗号資産といったリスク資産から資金が流出した。米ビットコイン現物ETFは7営業日続いた資金流入が止まり、約2億2,500万ドルの純流出に転じている。来週28〜29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、いったん後退していた「利上げ観測」が再浮上してきた。朝の時点で押さえておきたい要点を整理する。
主要マーケット動向:BTCは6.4万ドル台へ、リスクオフで反落
BTCは7月24日、米東部時間の寄り付きで約6万5,048ドルを付けたのち、協定世界時(UTC)11時(日本時間20時)時点で約6万4,903ドルまで軟化し、24時間で約1.9%安となった(Yahoo Finance)。国内メディアのCoinPostも同日、BTCが前日比0.89%安の約6万4,964ドルで推移し、主要銘柄が軒並み下落したと伝えており、両ソースの水準はおおむね一致する。ドル円を1ドル=163.81円で換算すると、1BTCは約1,063万円にあたる(Trading Economics)。
イーサリアム(ETH)は約1,882ドル(円換算で約30万8,000円)と24時間で約2.5%下落した(Yahoo Finance)。主要アルトコインも総じて軟調で、暗号資産の総時価総額は前日比で約1.34%減少した(CoinPost)。市場心理を示すCrypto Fear & Greed Indexは「恐怖(Fear)」圏に沈んだままで、上値の重い展開が続いている(Milk Road)。
相場を押し下げた直接の要因は、米国市場のリスクオフだ。24日に発効した新関税で物価上振れ観測が強まり、10年物米国債利回りは約4.7%と2025年1月以来の高水準に上昇。前日23日にはS&P500種株価指数が1.2%安、ナスダック総合指数が2.2%安となり、利回りの高い米国債が「利回りを生まない」BTCに対する相対的な魅力を高めた(Yahoo Finance、CryptoSlate)。
重要ヘッドライン
米新関税が7月24日発効、長期金利4.7%へ上昇
トランプ政権は、60の貿易相手国からの輸入品に10〜12.5%を課す新たな関税を7月24日に発効させた。輸入コストの転嫁を通じたインフレ再加速が意識され、米長期金利が上昇。中東情勢を背景に原油が一時1バレル100ドルを超えたことも重なり、リスク資産全般に売りが波及した(CryptoSlate、crypto.news)。米国の平均実効関税率は2025年初頭の約2.2%から2026年初頭には約10.3%へと切り上がっており、物価への波及が改めて意識されている。
米ビットコインETF、7営業日ぶりに純流出
米国上場のビットコイン現物ETFは7月24日、約2億2,520万ドルの純流出を記録し、7営業日続いた資金流入の連鎖が途切れた。直近7営業日ではおよそ10億ドルが流入していた反動が出た形だが、24日までの週間ではなお約2億7,400万ドルの純流入を保っている(cryptonomist、Farside Investors)。今回の流出が一時的な小休止にとどまるのか、より大きな反転の起点となるのかは、来週の値動き次第だ。
BitMEX、9月23日の閉鎖を発表——無期限先物の草分けが11年で幕
暗号資産デリバティブ取引所BitMEXは7月23日、2026年9月23日13時(日本時間)にサービスを終了すると発表し、新規口座登録を即時停止した。運営元HDR Global Trading社は事業と業界を巡る戦略見直しを理由に挙げている。8月26日13時から新規建てを停止し、閉鎖時点で残る建玉は強制決済される。無期限先物(パーペチュアル)を生み出し、業界を象徴してきた同取引所の11年の歴史に幕が下りる(コインオタク、ビットタイムズ)。利用者は早めの建玉整理と出金が必要になる。
国内:企業のBTC売却が相次ぐ、金商法改正で規制は新段階へ
国内では、ビットコインを準備資産として保有してきた上場企業(DAT=デジタル資産トレジャリー企業)の間で、保有分の売却や戦略縮小の動きが相次ぎ、企業需要の持続性に対する見方が揺らいでいる(JinaCoin)。一方で制度面では、7月15日に成立した改正金融商品取引法等により、暗号資産の規制が資金決済法から金商法へ移管される方向が定まった。上場株式などと同様のインサイダー取引規制や不公正取引規制が導入され、2027年中の施行が見込まれる(投信まるごとニュース、日本経済新聞)。短期の需給と中期の制度整備が、それぞれ相場に異なる時間軸で影響する局面だ。
テーマ深掘り:FOMCを前に再浮上する「利上げ観測」
今週の最大の注目材料は、7月28〜29日に開かれるFOMCだ。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は現在3.50〜3.75%で、2025年12月以来据え置かれている。今回の会合では利下げどころか、年内の利上げの可能性さえ市場で意識され始めている点が、これまでとの大きな違いだ(KuCoin)。
背景には、インフレの底堅さがある。6月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年比4.1%と高止まりし、7月8日公表のFOMC議事要旨では、18人の政策担当者のうち9人が2026年中の利上げを見込むというタカ派的な内容が示された(IG)。そこへ新関税による物価上振れ観測が重なり、金利先高観が一段と強まっている。なお今回の会合では、四半期ごとの経済見通し(SEP、ドットチャート)は公表されない。市場はパウエル議長の記者会見での発言や声明文の文言変化から、追加引き締めの有無を探ることになる。
暗号資産にとって、金利の先高観は逆風になりやすい。安全資産である米国債が4%超の利回りを提供するなか、利回りを生まないBTCの相対的な魅力は低下する。もっとも、BTCは6月24日に一時5万8,076ドルと約21カ月ぶりの安値を付けたのち、弱い米雇用指標を受けて利下げ期待がいったん息を吹き返し、7月にかけて6万5,000ドル前後まで戻していた経緯がある(IG)。金利観測の振れがそのまま相場の振れにつながりやすい地合いであり、29日のFOMCは方向感を左右する分水嶺となりそうだ。
識者の見方:強気・弱気の綱引き
強気派は、24日の流出はあっても週間ではETFへの純流入が続いている点を重視する。7月23日にはブラックロックやコインベース、ストラテジーなど大手9社がビットコインの「量子コンピューター耐性」に3年で1,500万ドルを拠出する枠組みを立ち上げるなど、機関投資家によるインフラ整備と長期採用の流れは途切れていない(CoinDesk)。押し目買いが下値を支えるとの見方だ。
一方、弱気派は、関税と金利という二つのマクロ逆風に加え、国内外で企業の保有BTC売却が観測されている点を警戒する。DeFi分野でも、預かり資産総額(TVL)が年初来で約4割減の約70億ドル台まで縮小しており(CoinLaw)、市場全体のリスク許容度は依然として低い。恐怖に傾いた市場心理が改善しない限り、戻りは限定的との慎重論も根強い。強気・弱気のいずれに転ぶかは、FOMCとその後の資金フロー次第だ。
今後の注目イベント・指標
最大の焦点は7月28〜29日のFOMCで、政策金利の発表は米東部時間29日午後2時(日本時間30日午前3時)、続いてパウエル議長の記者会見が予定される。あわせて、新関税の物価への波及、米主要企業の決算、現物ETFの資金フロー、そして9月に閉鎖を控えるBitMEXの建玉整理の動きにも目を配りたい。中東情勢と原油価格の推移も、リスク資産のセンチメントを左右する変数だ。
まとめ
7月25日朝の要点は、(1) 新関税の発効で米長期金利が4.7%へ上昇しBTCは6.4万ドル台へ反落、(2) 米現物ETFが7営業日ぶりに純流出、(3) FOMC(28〜29日)を前に利上げ観測が再浮上、の3点だ。マクロ環境が主導する相場が続くなか、来週の金融政策が当面の方向感を決める公算が大きい。
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*本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。*


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