【10月14日朝】米9月CPIは今夜21時半、コア2.4%予想 BTC8万3千ドルで様子見

マーケット速報

おはようございます。CFP認定者・IFAの「あきFP」です。10月14日水曜の朝、暗号資産市場は妙に静かです。理由はひとつで、今夜21時半(日本時間)に米国の9月消費者物価指数が出ます。それまで誰も大きく動きたくない、という朝です。

主要マーケット動向

ビットコイン(BTC)は1BTC=8万3,415ドル。24時間で+1.06%と小幅に戻しましたが、1週間では-2.51%、30日では+7.91%です。つまり「週足では下げ、月足では上げ」という、方向感の乏しい位置にいます。イーサリアム(ETH)は2,509ドルで24時間+0.83%、7日間では-6.94%。ETHの弱さが目立つ構図は先週から変わっていません(10月13日朝の記事でも同じ話を書きました)。

市場全体の時価総額は2.8兆ドルで24時間+0.78%、7日間で-4.14%。BTCドミナンスは59.85%へ上昇し、前日59.41%、1週間前58.95%から着実に切り上がっています。アルトコインシーズン指数は57(前日61)。資金がBTCに寄り、周辺が削られている。地味ですが、素直なリスク回避の形です。

Fear & Greed指数は55(中立)。前日53、1週間前は67の「強欲」でしたから、この10日で熱はだいぶ抜けました。建玉は4,112億ドルで24時間+8.2%、平均ファンディングレートは+0.0035%とほぼフラット。BTCの24時間清算額は1億5,297万ドル。ポジションは積み増されているのに過熱感はない、という状態です。

前夜の米国市場は反落。ダウは51,670.10ドル(-180.45ドル)、ナスダックは27,204.38(-41.52)。半導体が重く、エネルギーと通信は上昇、銀行は決算を受けて下落(シティグループ、ウェルズ・ファーゴなど)。米10年債利回りはNY開始時5.192%から、CPI待ちで小幅低下して引けました。ドル円は158.09円から158.47円へ。日銀が今月会合で利上げを見送るとの見方が円売りを誘っています。

重要ヘッドライン

  • BTC現物ETFは6,540万ドルの純流出、全額がブラックロックのIBIT。 ETH現物ETFは8,540万ドルの流出で10営業日連続。うちETHAが7,510万ドルを占めました。
  • 先週1週間のETF流出はBTC約6.79億ドル、ETH約5.42億ドル。 SOLやZECも含めた暗号資産ETF全体では約12.9億ドルが流出し、6月以来最大の売り圧力。10月の累計流出は10億ドルを超えました。
  • 韓国・全北銀行がBTC担保の法人向けウォン建て融資を実行したと韓国メディアが報道。 韓国の銀行では初とされ、使途は運転資金に限定。ただし金利・融資上限・担保掛け目は非開示で、銀行側の公式発表は確認されていません。
  • ロシア中央銀行がズベルバンクを暗号資産交換業者の登録簿に追加。 BTC・ETH・USDTの取引を12月1日に開始する計画。決済利用は引き続き禁止です。
  • コインチェック傘下3iQのUAE姉妹会社が、アブダビ当局から「カテゴリー4」ライセンスの原則承認を取得。 正式な事業許可にはさらに手続きが必要。国内勢の中東展開は、トークン化預金の記事で触れた制度整備の流れとあわせて見たいところです。
  • 韓国株が急落。 KOSPIは13日に-5.46%の6,035.35で引け、サイドカーが発動。ただしBTCはこの下げに連動せず、20週相関は-0.41程度でした。

テーマ深掘り:米9月CPIは「ヘッドライン高・コア低」で割れる

今夜の本番はこれです。米労働統計局が日本時間14日21時半に9月のCPIを公表します。

予想が割れているのが面白いところで、ヘッドライン前年比はストリート・コンセンサスが3.7%、クリーブランド連銀のナウキャストが3.60%、予測市場Kalshiの織り込みが3.65%。8月実績は3.4%ですから、どの予想でも「加速」です。いっぽうコア(食品・エネルギー除く)は、同連銀が前年比2.39%・前月比0.20%。8月はコア前年比2.4%・前月比0.3%でしたから、横ばいか微減です。

この「ヘッドラインは上、コアは横ばい」は、原油が持ち上げた物価です。中東情勢の緊張でエネルギー価格が上がり、ヘッドラインの前月比は0.5%台と見込まれている。けれど基調的な物価にはまだ波及していない、という読みです。

では、FRBはどちらを見るのか。ここが今夜の勝負どころで、正直わかりません。CME FedWatchでは10月27〜28日のFOMCでの利上げ確率が約20%、12月8〜9日までに少なくとも1回の利上げがある確率は約81%。「10月は様子見、12月に動く」が中心シナリオです。

ただ、FRB高官の足並みは揃っていません。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は「年内のさらなる利上げは適切かもしれないが、2027年の利上げは現時点で必要ない」。クリーブランド連銀のハマック総裁は12日、制約的な政策を支持しつつ「小さな動きを比較的素早く」と述べ、10月会合にはオープンな姿勢。一方でウォラー理事は「高い利回りが需要を抑制している」と逆の懸念を口にしています。

気になるのは期待インフレです。ニューヨーク連銀の消費者調査では1年先の期待インフレ中央値が3.9%へ上昇し、2023年5月以来の高さ。3年先も3.3%に上がりました。コアが落ち着いていても、期待が上を向くと中央銀行は動かざるを得なくなります。

暗号資産にとってのポイントは、価格そのものより名目金利の高さです。米10年債が5.19%前後にある以上、無リスクで5%超が取れる世界が続きます。この点は10月9日夕の記事でも書きましたが、相談の現場で一番効いてくるのはここです。「ビットコインは上がりますか」と聞かれたとき、私がまず確認するのは、その方が5%の確定利回りを使い切っているかどうか。使い切る前に高ボラティリティの資産を足すのは、順番が逆になりやすい。

もしコアが前月比0.4%以上に振れれば、短期金利主導で利回りが上がり、ドルが強含み、株と暗号資産には逆風が吹きやすい。逆にコアが0.1%以下なら反対の反応が出やすいでしょう。0.1ポイントの振れが相場を動かしてきた実績がある指標です。今夜は「コアの小数点第1位」を見ることになります。

識者の見方:強気・弱気の両論

強気側。 オンチェーン分析のGlassnodeは、米BTC現物ETF投資家の平均取得コストを約8万1,500ドルと算出しています。今年の大半でBTCはこの水準を下回り、5月の上昇もここで止まった。それが今は下支えに変わった――「かつてのレジスタンスが、いまサポートとして機能している」という見立てです。実際、BTCはこの水準から2度跳ね返りました。MEXCのCEOヴガー・ウシ・ザデ氏も平均取得単価を約8万ドルとし、「8万ドル方向への下落は買いを呼び込む可能性がある」としています。

弱気側。 ただ、その床は無条件ではありません。流出が続けば、いずれ現物の買い需要を上回ります。8万1,500ドルを割れた場合、Glassnodeが「真の市場平均」と位置づける約7万7,500ドルが次の焦点。同社はBTCの上抜けに「より強い現物出来高とETF買いの再開」が必要だとも指摘しており、いまはどちらも足りていません。

私の整理としては、「8万1,500ドルを守れているうちは構造が壊れていない、割れたら前提が変わる」という条件付きの見方が、いまは一番誠実かなと思います。どちらかに賭ける話ではありません。

今後の注目イベント・指標

  • 10月14日(水)21:30 米9月CPI(米労働統計局)。ヘッドライン前年比3.7%予想、コア2.4%前後予想。
  • 10月14〜16日 米大手銀行の決算発表。
  • 10月27〜28日 FOMC。利上げ確率は現時点で約20%。
  • 10月29〜30日 日銀金融政策決定会合(年間日程)。展望レポートの公表あり。据え置き観測が優勢で、それがドル円158円台の背景にもなっています。
  • 11月3日(火) 米中間選挙。暗号資産関連法案の行方にも影響します。
  • 12月8〜9日 FOMC。ここまでに少なくとも1回の利上げがある確率は約81%。

まとめ

今朝の相場は、動いていないというより「動けない」朝です。BTCは8万3千ドル台、ETHは2,500ドル台で、24時間の値動きはどちらも1%前後。建玉は積み上がっているのに、ファンディングはほぼゼロ。みんな今夜の数字を待っています。

その数字について一番大事なのは、ヘッドラインが3.7%に跳ねても慌てないことだと思います。原油が押し上げた分は、FRBが本来見ている部分ではありません。見るべきはコアの前月比。ここが0.3%を超えると話が変わります。逆にヘッドラインが高くてコアが静かなら、反応は一過性で終わるかもしれません。

そしてETFです。BTCもETHも流出が止まりません。ETHは10営業日連続、先週の暗号資産ETF全体の流出は6月以来最大。価格より地味ですが、価格より重い話だと思います。現物を買っているのは誰なのか、という問いに直結するからです。

ご相談を受ける立場から最後にひとつ。CPIの夜に、ポジションを増やす理由を探すのはおすすめしません。指標の前後は値が飛びやすく、その飛び方は上下どちらにも起こります。今日やるべきことがあるなら、増やすことではなく、自分の資産全体のうち暗号資産が何%かを数え直すことかなと思います。数字を見てから決められるのは、数えてある人だけです。

※本記事は情報提供が目的で、売買の推奨ではありません。暗号資産は価格変動が大きく元本保証もありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。関連記事:10月10日の週間まとめ、XRPとは。データ出典:CoinMarketCap、財経新聞(米国市場)、同(NY為替概況)、Bitcoin.com(Glassnode分析)、JinaCoin、Admirals(CPIプレビュー)、みんかぶ(NY債券)。

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