【07月20日夕】BTC6.4万ドル台、韓国がUpbit親会社を制裁へ

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海の日で日本市場が休場となった7月20日、ビットコイン(BTC)はアジア時間を通じて6万4,000ドル台前半でのもみ合いに終始した。値動きが乏しい一方、規制面ではアジアが動いた。韓国の金融監督院(FSS)が最大手取引所Upbitの運営会社ダナム(Dunamu)への制裁手続きに着手し、日本では暗号資産を金融商品取引法の対象とする改正法が先週成立したばかりだ。

主要マーケット動向:6.4万ドル台でこう着、恐怖・強欲指数は29

暗号資産取引所KuCoinの集計によると、2026年7月20日9:00時点(JST/UTC 0:00)でBTCは6万4,722ドル(前日比−0.17%)、イーサリアム(ETH)は1,872ドル(同+0.50%)だった。同社ティッカーでは同日18:30時点(JST)でBTCが6万4,126ドル(−0.92%)と、アジア午後にかけてやや水準を切り下げている。米CoinDeskの価格ページでもBTCは6万4,770ドル、時価総額1兆2,991億ドルと同水準で、数値の整合性は取れている。

投資家心理を示す恐怖・強欲指数は29で、前回の27からわずかに改善したものの依然「恐怖」圏にとどまる。先週17日にAI・半導体株の世界的な急落でBTCが一時6万3,000ドルを割り込んだ後、6万4,000ドル台を回復して横ばいが続く展開だ。

円換算では、ドル円が20日午前の東京市場で162円40銭台で推移していることから、BTCは概ね1,040万〜1,050万円のレンジとなる。20日は海の日で日本市場が休場のため、国内発の材料は乏しかった。

米国のビットコイン現物ETFは資金流入が戻りつつある。Farside Investorsの集計では、7月13日に4億2,470万ドルの流出を記録した後、14日から17日まで4営業日連続で流入(+1億8,110万、+1億770万、+7,910万、+1億3,230万ドル)し、週間では約7,550万ドルの純流入となった。上場来の累計純流入は514億ドルだ。

重要ヘッドライン

韓国FSS、Upbit運営会社に制裁手続き——2025年11月の約3,000万ドル流出で

The Blockの報道によると、韓国の金融監督院(FSS)は7月18日ごろ、Upbitを運営するダナムに検査意見書を送付し、正式な制裁手続きを開始した。対象は2025年11月27日にSolanaベースのホットウォレットから約3,000万ドル相当が流出した事案だ。FSSは約7か月の調査で、取引所レベルのセキュリティ不備と事案公表の迅速性に問題があったと認定したと伝えられている。当局は北朝鮮系のラザルスグループの関与を疑う。

ダナムは顧客の損失を自己資金で補填する方針を示し、約23億ウォン(約150万ドル)の凍結にも成功した。ただし韓国の現行法には取引所のセキュリティ侵害に対する明確な法定罰則がなく、処分内容は制裁審議委員会と関係当局の検討を経る必要がある。

クロスチェーンブリッジAllbridge Coreに約165万ドルの攻撃

セキュリティ企業PeckShieldとCertiKの分析によると、クロスチェーンブリッジのAllbridge CoreがSolana上のデプロイで約165万ドルを流出させた。攻撃者はレンディングプロトコルKaminoから112万ドルのフラッシュローンを借り入れ、USDC/USDTの流動性プールの比率を急速なスワップで歪めたうえで、有利なレートで流動性を引き出した。同一トランザクション内でローンを返済し差額を利益として確保する手口だ。

Allbridgeはプロトコルを停止し、利用者に対象プールからの流動性引き揚げを呼びかけている。同プロトコルは2023年にも同種の手口で資金を抜かれている。

ECB、ステーブルコインの預金侵食に警鐘——デジタルユーロのパイロットは36社選定

欧州中央銀行(ECB)の専務理事ピエロ・チポローネ氏は、ドル建てステーブルコインの拡大が欧州の銀行預金と金融政策の波及に影響を与えうると警告した。同氏は「無制限のステーブルコイン保有」を問題視し、保有額に上限を設けた無利息のデジタルユーロを対案として示す。ECBは7月14日、50社超の応募から36の決済事業者をパイロットに選定。テストはECBと19の各国中銀で2027年後半から12か月間実施される予定だ。

豪州、暗号資産の長期保有優遇を2027年7月に廃止

オーストラリアは、暗号資産を12か月以上保有した場合のキャピタルゲイン税50%割引を2027年7月1日で廃止し、取得価額のインフレ調整(指数化)と最低30%の税率に切り替える。同日より前の含み益には旧制度の扱いが維持されうるが、適用には同日時点の評価額を立証できる記録が要る。

テーマ深堀り:制度整備の主役がアジアへ——日韓が同じ週に動いた意味

今週注目すべきは、日本と韓国が同じ7月15日に、暗号資産を「国の制度の中に組み込む」方向で動いた点だ。

日本では、暗号資産の規制を資金決済法から金融商品取引法(金商法)に移す改正法が参議院本会議で可決・成立した(日本経済新聞ほか)。暗号資産を有価証券そのものにするのではなく、投資商品としての暗号資産に金商法の投資家保護・市場監視の枠組みを適用する制度改革である。関係者による未公表の重要事実を用いた売買を禁じるインサイダー取引規制の新設、発行者・取引業者への基本情報の事前公表義務、登録業者の名称を「暗号資産交換業者」から「暗号資産取引業者」へ変更することなどが盛り込まれた。改正法は公布から1年以内に施行される。

韓国では企画財政部が「国有財産基本法(National Asset Basic Act)」を発表した。1950年制定の国有財産法を76年ぶりに置き換えるもので、1,400兆ウォン規模の国有資産の管理体系にはじめてデジタル資産を組み込む。押収した暗号資産などを、土地や建物、知的財産と並ぶ管理対象の一カテゴリーとして位置づける内容だ。

もっとも韓国では、ステーブルコイン発行ルールをめぐる韓国銀行と金融委員会の対立でデジタル資産基本法の成立が遅れている。今回のUpbit制裁手続きが「明確な法定罰則がない」という不確実性を抱えるのも、同じ遅れの裏返しといえる。

日本の投資家にとっての含意は二つある。第一に、金商法適用は将来的な暗号資産ETFや分離課税の議論に接続する土台になりうるが、施行が公布から1年以内である以上、税制面の変更が取引に及ぶのは早くても2027年以降となる見込みだ。第二に、アジア域内で枠組みが整うほど、国内事業者の越境展開の前提条件が固まる。制度の進展は、価格ではなく事業環境の変化として現れる可能性が高い。

識者の見方

強気側の論拠は資金フローの改善にある。米ビットコイン現物ETFは7月14日以降4営業日連続で純流入し、6月下旬から7月初めの流出基調から転換した。Broadridgeの調査では金融機関の84%がトークン化を戦略的優先事項に位置づけているとされ、機関投資家の関心は価格変動と切り離して続いているとの見方もある。

一方、弱気側は制度の停滞と外部環境を指摘する。米国の市場構造法案「CLARITY法」は上院での倫理条項をめぐる交渉が長引き、予測市場Polymarketでの年内成立の織り込み確率が過去最低水準まで低下したとCoinDeskが7月17日に伝えた。恐怖・強欲指数が「恐怖」圏にとどまることや、中東情勢を背景としたリスク回避姿勢も上値を抑える要因として意識されている。いずれの見方も現時点では仮説の域を出ない。

今後の注目イベント・指標

今週は22日に日本の6月貿易統計、23日に米新規失業保険申請件数とIBM・Googleの決算、24日に米7月PMI速報値、日本の6月全国CPI、Intelの決算が控える。最大の焦点は7月29日のFOMCで、7月31日満期のBTCオプションに7万〜7万2,000ドルのコールスプレッドが積み上がっている点も合わせて注視したい。

まとめ

BTCは6万4,000ドル台前半でこう着し、日本市場の休場もあって材料に乏しい一日となった。その裏で韓国はUpbit運営会社への制裁手続きと国有財産基本法という「規制と組み入れ」の両輪を進め、日本は金商法改正の成立でインサイダー規制と情報開示義務の導入を決めた。価格が動かない局面ほど、制度の変化が中期的な地合いを左右する。

主な出典

本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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