【10月15日朝】米9月CPIコア2.6%で利上げ観測、BTC8万1千ドル台へ

マーケット速報

おはようございます。あきFPです。10月15日、木曜日の朝です。

昨夜21時半の米9月CPIは上振れました。しかも中身が良くない。ヘッドラインだけならエネルギー高で説明がつくのですが、コアまで予想を超えてきたので、「一時的な燃料高」では済まない形になりました。BTCは8万2千ドルを割り込み、今朝は8万1千ドル台です。

主要マーケット動向

日本時間10月15日午前7時時点で、BTCは8万1,646ドル(24時間 -2.1%、7日 -1.8%、30日 +3.7%)。ETHは2,415ドル(24時間 -3.8%、7日 -5.9%、30日 -5.2%)。XRPは1.33ドルで-2.6%、SOLは104.6ドルで-2.2%。時価総額合計は2.74兆ドルで、24時間 -2.1%、1週間 -5.8%です。

下げの引き金はCPIでした。9月の消費者物価は前月比+0.6%、前年比+3.7%(8月3.4%、予想3.6%)。食品とエネルギーを除くコアは前月比+0.3%(予想+0.2%)、前年比+2.6%(8月2.4%、予想2.5%)。CoinPostによれば月次の伸びの約半分はガソリン高ですが、問題はそこを除いても上昇が広がっていたことです。

金利が即座に反応しました。米2年債利回りは13bp上昇して4.92%、10年債は一時5.33%台まで跳ね、終値は5.27〜5.31%近辺(CoinDesk)。ドル指数は0.55%高の102.75で約18か月ぶり高値(ロイター)。ドル円は一時158円90銭近くまで上げたあと158円10銭前後へ戻し、ほぼ横ばいで終えています。

米株は指数ごとにばらけました。ダウは51,621.48ドルで-0.09%とほぼ変わらず、S&P500は7,718.94で-1.11%、ナスダック総合は26,692.87で-1.88%、ラッセル2000は-1.93%(TheStreet)。金利に弱いグロースと小型株が売られ、ディフェンシブが残る。教科書どおりの並びでした。金は1.5%下げて4,100ドル前後、WTI原油は+0.2%の95.80ドル近辺。東京市場は前日、5日続落で6万7,744円まで下げています。

重要ヘッドライン

  • 利上げ観測が一気に前倒し ── CPI発表後、CME FedWatchでは10月27・28日FOMCでの利上げ確率が5割前後へ上昇。CoinPostは約54%、Kalshiは37%、Polymarketは35.5%と幅がありますが、方向はどれも同じです。
  • 年内の追加利上げはほぼ織り込み ── 12月会合までに1回の利上げがある確率はCME FedWatchベースで96%超。FRBは9月16日に0.25%上げて3.75〜4.00%にしたばかりです。
  • ビットコインETFは小幅流入に転じた ── 直近セッションの米現物BTC ETFは2,033BTC(約1億6,762万ドル)の純流入。ただし7日間では約6億1,843万ドルの純流出で、月初からの流出を取り戻すには遠い水準です。ETH ETFも7日間で約3億5,036万ドルのマイナスでした。先週末の週間まとめから流出傾向は続いています。
  • メタプラネットが520億円のユーロ円建てCB ── クーポン0%、5年。手取りのうち約236億円をBTC担保ローンの返済に充て、最大600億円の自己株買い枠も設定しました。mNAVは0.61倍まで低下しています(JinaCoin)。昨日の夕刊で詳しく触れています。
  • 国内BTC保有企業に全量売却の動き ── 東証スタンダード上場のAIフュージョンキャピタルグループが、グループ会社の保有する約39.07BTCを10〜12月に売却する方針を決議。量は小さいのですが、「保有を続けない選択」が出てきた点は見ておきたいところです。

テーマ深掘り:「利下げ待ち」から「利上げ警戒」へ、相場の前提が入れ替わった

この1年、暗号資産市場の大前提は「いずれ金融緩和に戻る」でした。利下げが来れば実質金利が下がり、ドルが緩み、利息を生まない資産に資金が回る。多くの強気シナリオはこの一本道の上に立っていました。

その前提が、9月16日の利上げで崩れ、昨夜のCPIで裏返りました。いま議論されているのは「次の利下げはいつか」ではなく「10月に上げるのか、12月まで待つのか」です。昨日の朝刊ではコア2.4〜2.5%の予想を前提に書いていたので、一日で景色が変わった感覚があります。

では一方的な悪材料なのか。そこは分けて考える必要があります。

まず短期はマイナス材料です。名目金利が上がり、ドルが18か月ぶり高値まで来ると、国債を持つだけで5%超が得られます。利息の出ない資産の相対的な魅力は確実に落ちる。実際、昨夜は金も1.5%下げていて、ビットコインだけが嫌われたわけではありません。「インフレヘッジ」より「金利に弱いリスク資産」として扱われている、という整理のほうが現実に近いでしょう。

ただ中期では別の読み筋もあります。コア2.6%、ヘッドライン3.7%で政策金利が4%近辺。実質金利はさほど高くありません。利上げを続けても物価が落ちきらないとなれば、通貨価値そのものへの疑念というテーマが戻る可能性はある。インフレヘッジ資産が効き始めるのは引き締めが効かないと分かってから、ということもあります。もちろん今回がそのパターンなのかは、正直わかりません。

CFP認定者として相談を受ける立場から言うと、こういう局面でいちばん危ないのは「見通しを当てにいくこと」です。10月か12月かは、プロの予測機関でも5対5に割れています。それを個人が当ててタイミングを決めようとすると、だいたい両方に逆を踏みます。

現実的に手を動かせるのは、むしろ地味な部分です。ひとつはレバレッジの整理。未決済建玉は24時間で5.8%増えて4,122億ドルまで膨らんでいます。ボラティリティが上がる局面で建玉が増えるのは、強制決済の燃料が溜まっているのと同じです。もうひとつは、国債利回り5%超を「暗号資産の敵」ではなく「選択肢が増えた状態」として見ること。暗号資産の配分を削る話ではなく、現金や債券の置き場所を見直す好機という意味です。

あわせて税金。国内では暗号資産の損失は他の所得と通算できず、繰越控除も使えません。年末に慌てて動くより、11月のうちに今年の損益を一度集計しておくことをおすすめします。

識者の見方:強気・弱気の両論

強気側。 21SharesのMatt Mena氏は、BTCが8万1,000〜8万2,000ドルのサポートを試した段階で下落の多くは織り込まれたとみており、マクロの不透明感が晴れれば8万5,000ドル、さらに9万ドル方向へのリスクが優勢になると述べています。TD Cowenは2026年末のBTC見通しを約10万9,000ドルへ引き上げました。エドワード・ジョーンズのJames McCann氏は「FRBはこの数字でパニックにはならない」として、12月に1回、2027年にもう1回という緩やかな経路を想定しています。

弱気側。 WincentのPaul Howard氏は短期レンジを8万〜8万8,000ドルとみつつ、8万ドル割れなら7万5,000ドルが視野に入ると指摘。LPLフィナンシャルのJeffrey Roach氏は「物価安定への道は、ますます航行が難しくなってきた」とコメントしています。スパルタン・キャピタルのPeter Cardillo氏は原油高の粘着性を理由に、12月に0.5%引き上げの可能性まで挙げました。ピーター・シフ氏は「ビットコインを売って金を買うべき」と従来どおりですが、昨夜は金も下げていたことは付け加えておきます。

両者の差は強弱というより、「インフレが粘るとき、暗号資産はヘッジになるのか、リスク資産として売られるのか」という解釈の違いです。短期は後者、中期は前者という見方が、いまのところいちばん座りがいいように思います。

今後の注目イベント・指標

  • 10月15日(木)21:30 ── 米9月PPI(予想 前月比+0.5%、コア+0.3%)、9月小売売上高(予想+0.3%、自動車除き+0.5%)、新規失業保険申請(予想19.5万件)、フィラデルフィア連銀指数。PPIも上振れれば、10月利上げ観測はさらに強まりそうです。
  • 10月16日(金)未明 ── ウォーシュFRB議長の講演(米国時間15日午前)。CPI後の最初の肉声なので、文言の変化に注目です。
  • 10月21日(水)深夜 ── Solana「Alpenglow」のメインネットβ有効化予定。ファイナリティを約12.8秒から約150ミリ秒へ短縮する大型アップグレードで、ステーク82%分のバリデータ合意が条件とされています。
  • 10月27・28日(火・水) ── FOMC。声明発表は日本時間29日午前3時。
  • 10月29・30日(木・金) ── 日銀金融政策決定会合。30日に展望レポートと総裁会見(日本銀行)。FOMCの翌日という並びで、ドル円158円台を考えると為替の反応が大きくなりやすい配置です。
  • 10月29日(木)21:30 ── 米第3四半期GDP速報値、9月PCE物価指数。

まとめ

一晩で相場の前提が入れ替わるのを、久しぶりに見た気がします。「そのうち利下げが来るから」で組んでいたシナリオは、いったん棚に戻したほうがいいでしょう。

とはいえ、BTCは30日ベースではまだプラス3.7%。恐怖・強欲指数は51で、きれいに中立です。1週間前は61、1か月前は69でしたから熱はゆっくり抜けていますが、パニックではありません。13日の朝刊で触れたETHの連続流出も止まりかけていて、崩れ方としては整然としたほうです。BTCドミナンスは59.85%まで上がり、資金がビットコインに寄る形も変わっていません。

今夜のPPIと小売、月末のFOMCと日銀。この3つを通過するまで、強い方向感は出にくいと思っています。相場観を固める時期ではなく、持ち方を点検する時期。レバレッジを使っている方は建玉の水準を、現物中心の方は年内の損益と来年の資金計画を。どちらも、今週のうちに一度見ておく価値があります。

それでは、今日もよい一日を。

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