【6月25日夕】BTC一時997万円台 SBI「JPYSC」始動、今夜は米PCE

【6月25日夕】BTC一時997万円台 SBI「JPYSC」始動、今夜は米PCE Uncategorized

25日のアジア時間、ビットコイン(BTC)は前日からの売り圧力を引きずり、夕方には1BTC=1,000万円の節目を割り込んで一時997万円台(約6万1,000ドル)まで水準を切り下げた。週間では約9%、月間では約19%の下落となり、市場心理は冷え込んだままだ。一方、国内では明るいニュースもあった。SBIグループとStartale Groupが、国内初となる「信託型」の円建てステーブルコイン「JPYSC」の提供を開始したのだ。本稿(夕刊)では、日中アジアの軟調な値動きと、日本の決済インフラを一歩前進させたJPYSCの始動、そして日本時間今夜に控える米個人消費支出(PCE)物価指数という当面最大の関門を整理する。

主要マーケット動向:BTCは1,000万円割れ、アルトも総じて軟調

ビットコインは2026年6月25日時点で、CoinMarketCapの表示で1BTC=約997万円(約6万1,286ドル)まで下落した。24時間前の約6万2,700ドルから約3%安、1週間前の約6万6,400ドルからは約9%下落しており、月間では約19%の下げとなっている(CoinMarketCapFortune)。一部メディアは足元の水準を「約20か月ぶりの安値圏」と報じており、リスクオフ地合いの強さがうかがえる(CoinNews)。

為替は引き続き円安基調が続いている。25日の東京市場でドル円は161円台後半でしっかりと推移し、三菱UFJ銀行の公表仲値は161.82円、ロンドン朝方には一時161.89円まで上昇して162円台を試す展開となった(みんかぶFX株式新聞)。ドル建てが下落しても円換算では下げ渋りやすい点に留意したい。

主要アルトコインも総じて軟調だった。イーサリアム(ETH)は約1,665ドル(24時間で約1%高)と底堅さを見せたものの、リップル(XRP)は約1.10ドルと週間で約10%下落、ソラナ(SOL)は約69ドルで推移した(crypto.news)。XRPは月間で約20%安と下げがきついが、現物XRP・ETFには6月22日に約531万ドルの純流入があり、7週連続で機関資金の流入が続いている点は下支え材料となっている(CoinMarketCap)。

重要ヘッドライン

① SBI、国内初の「信託型」円建てステーブルコイン「JPYSC」始動

SBIグループとStartale Groupは、国内初となる信託型の円建てステーブルコイン「JPYSC」の提供を開始した。発行はSBI新生信託銀行が担い、流通はSBI VCトレードが担当する。当初はSBI VCトレードの口座内に限定して先行提供される(SBIホールディングス公式あたらしい経済)。信託銀行が裏付け資産を管理する「信託型」での発行は国内初で、先行する「資金移動業型」とは異なり、1回あたり100万円という送金上限の制約を受けない点が大きな特徴だ。イーサリアム上で発行され、初日に100億JPYSC(約100億円相当)の発行を予定、報道時点で2億JPYSCが発行済みとされる(CoinPost)。大口決済や企業間送金での活用が見込まれ、将来的には外部ウォレットやパブリックチェーンでの流通も視野に入れている。

② 米現物BTC・ETF、資金流出が継続

米現物ビットコインETFは資金流出が続いている。Farside Investorsの集計によれば、6月23日は約1億1,380万ドルの純流出で、ブラックロックのIBITから約1億8,200万ドルが流出した一方、フィデリティ(FBTC)やアーク(ARKB)には小幅な流入がみられた。ETF全体の累計純流入額は約532億ドルで、グレースケール(GBTC)からの累計流出約271億ドルを差し引いた水準にとどまる(Farside Investors)。アナリストの一部は「流出は構造的というより循環的」との見方を示すが、当面はETF経由の機関マネーの細りが上値の重しとなりやすい(Investing.com)。

③ 米「CLARITY法」に逆風、宗教団体・捜査当局が反対表明

米国の市場構造法案「CLARITY法(クラリティー法)」に逆風が強まっている。米国の警察団体が、同法案の一部条項が暗号資産がらみの犯罪捜査を阻害しかねないと警告したほか、約100人のカトリックの司教・宗教指導者らが、人身売買などの金融犯罪に対する連邦の安全装置を弱めるとして上院指導部に反対書簡を送付した(INN)。グレースケールがETH・SOL・BNB等の受益を見込むなど期待も大きい法案だけに、審議の難航は今後の市場テーマとして注視される。

④ リップル、EUでCASP認可へ前進

リップル社が欧州で規制対応を前進させた。ルクセンブルクで、EUの暗号資産規制「MiCA」に基づく暗号資産サービスプロバイダー(CASP)の予備的認可を取得し、欧州でのサービス拡大に道が開けた(crypto.news)。MiCAの本格運用が進むなか、大手事業者が域内ライセンスを取得する動きが続いている。

⑤ DeFi:Aaveに機関マネーの期待、V4採用も進む

分散型金融(DeFi)では、融資プロトコル最大手のAaveに改めて注目が集まっている。スタンダードチャータードの強気リポートを受けて機関投資家の関心が再燃し、ガバナンストークンAAVEは直近で上昇した。主要アップグレード「Aave V4」の預かり資産は2億ドルを突破し、新たなモジュラー型レンディング基盤の採用が進む(The BlockCoinMarketCap)。ただしAave全体のTVLはピークから大きく目減りしており、トークン買い戻しの一時停止をめぐるガバナンス論争など不透明感も残る。

テーマ深掘り:JPYSC始動が示す「日本の円ステーブルコイン」二極化

本日のJPYSC始動は、日本の円建てステーブルコイン市場が新たな段階に入ったことを示している。日本ではすでにJPYCが資金移動業の枠組みで円建てステーブルコインを展開しているが、これは1回あたりの送金額に100万円の上限があり、主に個人の少額決済や送金を想定したものだ。これに対し今回のJPYSCは、信託銀行が裏付け資産(円資産)を信託として管理する「信託型」を採用した国内初の事例であり、送金上限の制約を受けない。つまり、企業間の大口決済やトークン化された金融商品の決済通貨としての利用を見据えた、いわば「ホールセール(大口)志向」のステーブルコインだという点に本質がある。

この二極化は、日本のステーブルコイン制度設計が実装段階に進んだことの証左でもある。2023年施行の改正資金決済法でステーブルコインの法的枠組みが整い、発行可能な主体として「銀行・資金移動業者・信託会社」が位置づけられた。今回、信託銀行という最も保守的かつ信頼性の高い主体が発行に踏み込んだ意味は小さくない。SBIは将来的にパブリックチェーンでの流通も視野に入れており、トークン化された国債や社債、不動産(RWA=実物資産のトークン化)の決済インフラへと発展する可能性を秘めている。米国では「GENIUS法」、欧州では「MiCA」がドル・ユーロ建てステーブルコインの制度整備を競うように進めるなか、円建てでも「小口はJPYC、大口は信託型」という役割分担の構図が固まりつつある。日本の読者にとっては、海外の規制動向だけでなく、足元で自国の決済インフラが着実に前進している点こそ注目に値する。

識者の見方:強気・弱気が交錯

弱気派は、米連邦準備制度(FRB)の引き締め姿勢を最大の懸念材料に挙げる。バンク・オブ・アメリカは2026年に3回の利上げを予想しており、ケビン・ウォーシュ議長の下でタカ派色が強まるとの見方が広がっている。金利上昇局面ではビットコインのような無利回り資産は相対的に不利になりやすく、ETF流出の継続と相まって上値は重いとの指摘だ(KrakenCoingape)。

一方の強気派は、需給の改善と制度面の前進を支えに、調整は一巡しつつあるとの立場だ。JPYSCのような信託型ステーブルコインの登場やAave V4へのRWA資金流入は、金利環境とは別軸で進む暗号資産の実需拡大を示すものであり、中長期では下支えになるとみる。短期の値動きはマクロ指標に振らされても、トークン化と決済利用という構造的な潮流は揺るがないという見方である。

今後の注目イベント・指標

最大の関門は、日本時間今夜(25日21時30分頃)に発表される5月の米PCE物価指数だ。市場予想ではコアPCEが前年同月比3.3%前後と、前月から横ばいで高止まりが見込まれている。予想を上回れば利上げ観測が一段と強まり、暗号資産には逆風となりやすい。逆に予想を下回れば、引き締め圧力の後退期待からリスク資産全般に買い戻しが入る可能性もある(Millionero)。週後半にかけては米雇用関連指標も控えており、マクロ指標に神経質な展開が続きそうだ。米現物ETFの資金フローや、JPYSCのパブリックチェーン展開に向けた続報も引き続き注目される。

まとめ

25日夕方のビットコインは1,000万円を割り込み、週間約9%安と軟調だった。FRBの利上げ観測とETF流出が重しとなる構図は変わらない。一方、国内では信託型円ステーブルコイン「JPYSC」が始動し、日本の決済インフラが一歩前進した。今夜の米PCEが当面の最大の関門となる。海外マクロに揺れつつも、足元で進む円建てステーブルコインの実装は、日本の読者にとって見逃せない構造変化だ。

免責事項:本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。価格・統計は記事中に明記した時点のものであり、最新の数値は各情報源をご確認ください。

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