【6月23日夕】BTC1030万円台、フランクリンが暗号資産部門始動

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23日のアジア・日中の暗号資産市場は、前夜の海外発の材料を消化しつつ、ビットコイン(BTC)が円建てで1,030万円台を維持する底堅い展開となった。値動きそのものは小幅にとどまる一方、機関投資家の世界では動きが目立つ。米資産運用大手フランクリン・テンプルトンが暗号資産の専業部門を立ち上げ、米上場のイーサリアム(ETH)保有企業は保有量を着々と積み増している。本稿(夕刊)では、日中のアジア時間の動きと、日本市場・機関マネー・規制の最新動向を整理し、今夜以降の米国時間の見どころまでを展望する。

主要マーケット動向:BTCは1,030万円台で小動き、市場全体は「恐怖」優勢

ビットコインは2026年6月23日午前9時時点(日本時間)で、円建て価格が1BTC=約1,033万9,000円(前日比+1.13%)で推移した。イーサリアムは約27万9,000円(同+1.12%)、リップル(XRP)は約182.5円(同+0.31%)と、主要銘柄はそろって小幅高で日中を迎えた。暗号資産市場全体の時価総額は約350.99兆円、24時間の取引高は約7.87兆円だった(みんかぶ暗号資産)。

ドル建てでみると、BTCは23日の海外時間を通じて6万4,000ドル台での値固めが続いた。前日22日には日中安値6万3,242ドルから一時6万5,219ドルまで戻す場面もあり、米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派傾斜後としては比較的底堅い(Yahoo Finance)。もっとも市場心理は慎重で、暗号資産の強弱感を示す「フィア・アンド・グリード指数」は23(Extreme Fear=極度の恐怖)と、投資家の警戒が根強いことを映している。BTCは2025年10月の史上最高値(約12万6,000ドル)からなお半値圏にあり、戻りの鈍さが続いている。

円建て価格が底堅いのは、日中も1ドル=161円前後の歴史的な円安が続いていることが一因だ。ドル建てが横ばいでも円安が進めば円換算価格は押し上げられるため、価格変動が「コインの値動き」か「為替」かを切り分ける視点が欠かせない。

重要ヘッドライン

① フランクリン・テンプルトンが暗号資産専業「フランクリン・クリプト」始動

運用資産1.78兆ドル規模の米資産運用大手フランクリン・テンプルトンは22日、暗号資産運用会社「250 Digital」の買収完了を発表し、アクティブ運用に特化した新部門「フランクリン・クリプト(Franklin Crypto)」を正式に立ち上げた(フランクリン・テンプルトン公式Cryptopolitan)。買収はCoinFundから分離した運用チームと暗号資産のアクティブ戦略を引き継ぐもので、4月1日に公表された取引のクローズにあたる。新部門はクリストファー・パーキンス、セス・ギンズ両氏が率いる。すでに現物ETFや投資信託を手がけてきた伝統的運用大手が、より踏み込んだアクティブ運用へ舵を切った格好で、機関マネーの本格参入を象徴する動きといえる。

② メタプラネット、保有4万BTC超——年内10万BTC目標を維持

日本で唯一の上場ビットコイン・トレジャリー企業であるメタプラネット(東証3350)は、2026年3月末時点で保有量を4万0,177BTCまで拡大した。同社は「2026年末までに10万BTC保有」という目標を掲げており、株価下落局面でも買い増し方針を崩していない(CoinDeskShare Research)。一方、5月13日に発表した第1四半期決算では、売上高30億8,000万円・営業利益22億6,700万円と本業は増収増益だったものの、四半期末のBTC価格下落に伴う会計上の評価損で純損失は1,144億円超に膨らんだ(coinchoice)。「含み損は出ても買い増しは続ける」という同社の戦略は、相場の重さと表裏一体で推移している。

③ 米Bitmine、ETH保有567万枚に——「イーサリアム財務」企業が台頭

ビットコインだけでなく、イーサリアムを大量保有する上場企業の存在感も増している。米Bitmine Immersion Technologies(BMNR)は、6月21日時点でETH保有量が567万2,956枚に達したと発表した。これはETH総供給量の約4.7%に相当し、暗号資産・現金等を含めた総保有資産は約107億ドルにのぼる。うち約472万ETHはステーキングに回しており、年率換算で約2.73%の利回りを得ているという(PR Newswire(公式リリース)Investing.com)。ビットコイン中心だった企業の「暗号資産トレジャリー(財務)」戦略が、利回りを生むETHへと広がりつつある。

④ ステーブルコイン規制、7月18日が天王山——テザーは相互承認なお未取得

米国のステーブルコイン規制法「GENIUS法」は、主要規則の法定期限が2026年7月18日に迫っている。各規制当局が並行して規則策定を進めており、施行後の市場地図を左右する重要な節目だ(Chapman and Cutler LLP(規則策定トラッカー)Paul Hastings LLP)。焦点の一つが、世界最大のステーブルコインUSDT(テザー)の扱いだ。海外発行体が米市場で営業を続けるには財務省による「相互承認(reciprocity determination)」が必要だが、5月時点でその判断は出ていない。テザーは外国発行体としての登録を目指す一方、米国準拠の新ステーブルコイン「USAT」を別途投入する二段構えで臨んでいる。

テーマ深掘り:日本の暗号資産税制・ETF解禁はどこまで来たか

夕刊では、日本の読者に直結するテーマとして、国内の制度整備の現在地を整理したい。長年の懸案だった「税制」と「ETF」が、ようやく具体的な制度設計の段階に入っている。

まず税制だ。現在、暗号資産の売却益は総合課税の対象で、所得が大きいほど税率が上がり、最大で約55%(住民税込み)に達する。これに対し金融庁は2025年8月、令和8(2026)年度税制改正要望に「暗号資産取引に係る課税の見直し」を盛り込み、金融商品取引業者の登録簿に登録された特定の暗号資産について、株式などと同様に20.315%の申告分離課税とする方向を打ち出した(金融庁・税制改正要望CoinDesk JAPAN)。

あわせて、暗号資産ETF(上場投資信託)についても「投信法施行令の改正を前提に組成可能」と明記され、ETFから生じる所得も申告分離課税の対象とする方針が示された。これは、海外で先行する現物ETFの仕組みを国内にも開く動きとして注目される。

ただし、実現には時間がかかる。これらの税制は、暗号資産を金融商品取引法に位置づける改正法の施行を前提としており、その改正案は2026年の通常国会で審議されている段階だ。適用開始は「改正法の施行日の属する年の翌年1月1日以後」とされ、施行のタイミングによっては新税制のスタートが2028年1月にずれ込む可能性も指摘されている(あたらしい経済)。「分離課税もETFも方向性は固まったが、実際に使えるようになるまでには、なお時間と立法手続きが必要」というのが現状の正確な理解だ。制度の前進は中長期で国内市場の裾野を広げうる材料だが、過度な期待や前のめりは禁物である。

識者の見方:強気・弱気の両論

強気派が支えに挙げるのが、まさに本稿でみた機関化の流れだ。フランクリン・テンプルトンのような伝統的大手の本格参入や、メタプラネット・Bitmineに代表される企業のトレジャリー戦略は、市場に継続的な買い需要をもたらす構造変化と評価される。日本の税制・ETF整備が進めば、国内の新規資金が呼び込まれるとの期待もある。

一方の弱気派が警戒するのは、やはり金利環境だ。先週のFOMCでFRBは政策金利を3.50〜3.75%に据え置いたものの、ドットチャートから年内の利下げ見通しが消え、利上げ観測が再燃した。市場では年内に少なくとも1回の利上げを織り込む確率が66%まで高まっているとの集計もある(BeInCrypto)。「higher for longer(より高く、より長く)」の金利環境は、投機的資産から資金を引きはがす方向に働きやすい。構造的な追い風と、金融政策という逆風がせめぎ合う構図は、夕方の時点でも変わっていない。

今後の注目イベント・指標

今夜から週末にかけては米国の動向が引き続き主役だ。最大の関門は25日(木)21時30分(日本時間)に公表される米5月の個人消費支出(PCE)物価指数で、結果次第で利上げ観測の強弱が大きく振れる。制度面では、GENIUS法の主要規則の法定期限である7月18日に向けた当局の動きが焦点となる。国内では、金商法改正案の国会審議の進捗と、円安進行に伴う為替介入の有無に引き続き目を配りたい。

まとめ

23日夕方のビットコインは円建てで1,030万円台を維持し、日中は小動きにとどまった。値動きは静かでも、フランクリン・テンプルトンの参入やETH保有企業の拡大など、機関マネーの裾野は着実に広がっている。日本でも分離課税・ETF解禁の制度設計が前進中だが、実装にはなお時間を要する。今夜以降は25日のPCE、7月のステーブルコイン規制期限をにらみ、金利と制度の両にらみの展開が続きそうだ。

*本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。*

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