【6月24日朝】BTC一時6.2万ドルへ軟化、米PCE控え様子見

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前夜の米国市場で暗号資産はじりじりと上値を切り下げた。ビットコイン(BTC)は一時6万2,000ドル台前半(日本円で約1,005万円)まで軟化し、先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降の「上値の重い」展開が続いている。市場の関心は、25日(木)に発表される米個人消費支出(PCE)物価指数に集まる。米連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標の結果次第で利下げ期待の後退が一段と鮮明になる可能性があり、アジア時間も様子見ムードが強い。本稿(朝刊)では前夜の海外市場と当日の注目材料を整理する。

主要マーケット動向:BTCは6.2万ドル台へ軟化、市場心理は「極度の恐怖」

ビットコインは2026年6月23日午前9時36分(米東部時間、日本時間23日22時36分頃)時点で1BTC=6万2,256ドルまで値を下げた。同日の寄り付きは6万3,951ドルと前日比+1.1%で始まったものの、米国時間の取引で上値を切り下げる展開となった(Yahoo FinanceFortune)。1ドル=161.5円で換算すると約1,005万円にあたる。イーサリアム(ETH)も寄り付きの1,726ドルから1,654ドルへと軟化し、円換算で約26.7万円となった。

値動きを期間別にみると、ビットコインは1週間前比で約−3.5%、1カ月前比で約−15.3%、1年前比では約−36.7%と、調整が長引いている。2025年10月6日に付けた史上最高値12万8,198ドルからは半値近い水準だ。イーサリアムも1カ月前比−16.4%と弱く、2025年8月の最高値4,953ドルから大きく水準を切り下げている(Yahoo Finance)。

市場全体の時価総額は約2.3兆ドル、ビットコインの占有率(ドミナンス)は約56%で、1年前の63%から低下した(ReutersOpenPR)。投資家心理を示す「フィア・アンド・グリード指数」は21〜23の「極度の恐怖(Extreme Fear)」圏で推移しており、慎重ムードが続いている(MilkroadDEXTools)。

重要ヘッドライン

① FOMC後の「利上げ警戒」、暗号資産の重しに

先週開催されたFOMCを経て、市場では「年内利下げ」観測が後退し、むしろ「少なくとも1回の利上げ」を意識する見方が強まっている。金利上昇は利息を生まないビットコインの相対的な魅力を削ぐうえ、米長期金利の高止まりが非利付き資産を保有する機会コストを押し上げており、暗号資産には逆風となりやすい(Yahoo FinanceCapital.com)。

② 米現物ビットコインETF、2026年累計流出3.1B超——資金はAI株へ

米国の現物ビットコインETFからの資金流出が続いている。ロイターによると、6月5日までの週に2.7億ドル超が流出し、2026年の累計純流出は31億ドルに達した。資金はAI関連株や大型新規株式公開(IPO)へと向かい、暗号資産から相対的に流出している(Reuters)。6月18日もETF全体で9,066万ドルの純流出となり、ブラックロックの「IBIT」が9,666万ドルの流出を主導した。一方でモルガン・スタンレーが新規に立ち上げた「MSBT」には資金が流入するなど、商品間の濃淡もみられる(Capital.com(PANews引用))。

③ 米・イラン和平合意でリスクプレミアム後退も、上値は重いまま

地政学面では落ち着きがみられる。6月19日にスイスで米・イラン間の和平合意が正式署名され、軍事行動の即時停止とホルムズ海峡の再開放が盛り込まれた。これを受けて原油価格は下落し、リスク資産全体への過度な警戒は和らいだ(Capital.com(Al Jazeera・CNBC引用))。ビットコインは緊張がピークだった6月初旬に一時5万9,000ドル台の年初来安値を付けた後、いったん持ち直した。ただ、地政学リスクの後退は同時に「安全資産的な買い需要」の一巡も意味し、戻りは限定的にとどまっている。

④ 円、約40年ぶり高値圏——日米財務相がオンライン会談

為替市場では円安が一段と進んだ。23日のドル円は一時1ドル=161.93円前後と、2024年7月に記録した161.95円(約40年ぶりの高値)を意識する展開となった。日米の財務相がオンラインで会談し円安を協議したとの報道で161.07円前後へ急落する場面もあったが、その後161円台後半へ反発した(OANDAみんかぶFX)。円安はドル建て価格が横ばいでも円換算価格を押し上げるため、日本の投資家は「コインの値動き」と「為替」を切り分けて見る必要がある。

テーマ深掘り:25日の米PCEが当面の最大の関門

当日から週後半にかけての最大の焦点は、25日(木)に米商務省経済分析局(BEA)が発表する5月の個人消費支出(PCE)物価指数だ。PCEはFRBが金融政策の判断で最も重視するインフレ指標であり、結果次第で利下げ・利上げ観測の綱引きが大きく傾く可能性がある。

市場の事前予想は楽観を許さない。ウェルズ・ファーゴのエコノミストは、5月のPCE物価指数が前年同月比で4.1%へ加速し、変動の大きい食品・エネルギーを除くコアPCEも同+3.4%になると見込んでいる(Kiplinger)。FRBが目標とする2%を大きく上回る水準であり、想定通りインフレの根強さが確認されれば、「利下げは当面遠い」との見方が一段と強まりかねない。

暗号資産にとって、この局面は金利環境との綱引きそのものだ。インフレ指標が予想を上回れば、米長期金利の上昇と利付き資産への資金シフトを通じてビットコインの上値が抑えられやすい。逆に、市場予想を下回るデータが出れば、過度な利上げ警戒が後退し、リスク資産全体の戻りを後押しする可能性がある。足元の相場は発表を前に方向感を欠いており、25日のPCEが当面の最大の関門となる。

識者の見方:強気・弱気が交錯

弱気派は、テクニカル面の弱さを重視する。ロイターが伝えた指摘では、ビットコインは2025年10月の最高値から約50%下落し、市場が注視する6万ドルの節目に接近している。これを明確に割り込めば、次の下値メドとして5万ドルが意識されるという(Reuters)。アルゴリズム分析を提供するCoinCodexも、6月21日時点で30の指標のうち20が弱気を示し、50日・200日移動平均線がいずれも現値を上回る「上値の重い」構図にあると分析している(CoinCodex)。

一方で強気派は、2026年を「調整から拡大への移行期」と位置づける。地政学的な緊張局面でビットコインが一時的に約6%上昇した場面もあり、一部の投資家は依然としてヘッジ資産として捉えているとの分析もある(Capital.com(CoinShares引用))。総じて、当面の支持帯は6万〜6.6万ドル、上値抵抗は7万〜7.2万ドル付近に集中しているとの見方が多い。

今後の注目イベント・指標

直近では、25日(木)の米5月PCE物価指数と新規失業保険申請件数が最大の注目材料だ。あわせて、現物ETFの日次資金フロー(Farside Investorsで確認可能)と米長期金利の動向が、暗号資産の方向感を左右する。制度面では、米ステーブルコイン規制「GENIUS法」の主要規則の法定期限が7月18日に迫っており、施行後の市場地図を占う節目として引き続き要注目だ。

まとめ

前夜の米国市場で暗号資産は上値の重い展開となり、BTCは一時6.2万ドル台へ軟化した。FOMC後の利上げ警戒とETF流出が重しとなる一方、米・イラン和平で地政学リスクは後退した。当面は25日のPCEがインフレと金利見通しを左右する最大の関門であり、結果を見極めたいムードが強い。日本の投資家は、約40年ぶり高値圏の円安が円建て価格を押し上げる効果にも留意したい。

*本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。*

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