【7月13日夕】BTC一時6万3千ドル割れ 原油高で調整、CPI前夜

【7月13日夕】BTC一時6万3千ドル割れ 原油高で調整、CPI前夜 Uncategorized

13日(月)夕方の暗号資産市場は、ビットコイン(BTC)がアジア時間に一時6万3,000ドルを割り込み、朝方の6万4,000ドル台から調整色を強めた。引き金は、米国とイランがホルムズ海峡をめぐって攻撃を応酬したことによる原油急騰だ。原油高がインフレ再燃への警戒を呼び、あす14日に迫った米6月CPI(消費者物価指数)を前にレバレッジ勢の手仕舞いを誘った。本稿(夕刊)では、日中のアジア市場の値動きと国内・欧州の動向、そして日本の暗号資産税制という中期テーマを整理する。

主要マーケット動向:地政学リスクでリスクオフ、BTCは6万3千ドル割れ

ビットコインは7月13日のアジア時間に一時約6万2,800ドルへ下落し、24時間で約1.4%安となった。朝方の約6万4,300ドルから水準を切り下げた格好だ(CoinDeskThe Currency Analytics)。CoinGlassのデータでは、この局面の清算総額は約7,315万ドルで、うちロング(買い持ち)の清算が約6,263万ドルと、ショートの約1,052万ドルを大きく上回った。もっとも清算規模は直近1カ月のピークの約6分の1にとどまり、6月上旬のような大規模清算の連鎖には至っていない。

アルトコインも総じて軟調だった。イーサリアム(ETH)は1,760ドル台で推移。XRPは1.09ドルと24時間で約2.9%安、ソラナ(SOL)は77.28ドルと約5.2%安と、値動きの大きい銘柄ほど下げがきつくなった(Investing News Network)。国内建て値では、CoinPostのティッカーでBTCがおおむね960万〜990万円台で推移した(CoinPost)。

株式市場もリスクオフとなり、日経平均株価は前日比1,124円安と3営業日ぶりに大幅反落した(coinotaku)。暗号資産と株式の連動性が意識されるなか、地政学リスクの高まりが横断的にリスク資産の重しとなった一日だった。

重要ヘッドライン

米・イランがホルムズ海峡で応酬、原油4%高——「停戦」から一転、緊張再燃

13日の下落の最大の要因は原油の急騰だ。北海ブレント原油先物は約4.04%高の1バレル79.08ドル、米WTI原油先物も約4.54%高の74.65ドルまで上昇した(Al JazeeraBenzinga)。米中央軍(CENTCOM)はイランの艦船攻撃能力を削ぐための空爆を実施したと発表し、両国が攻撃を応酬している。世界の石油取引の約2割が通過するホルムズ海峡の混乱が、原油にリスクプレミアムを上乗せしている。本紙朝刊時点では「中東停戦を受けた原油安」がCPIを押し下げるとの見立てだったが、日中に情勢が一転してエスカレートした点は注意が必要だ。原油高はインフレ指標の上振れ要因となるため、あすのCPIの見方にも影響し得る。

バイナンスジャパン、新代表を発表——「投機から長期保有へ」

国内では、バイナンスジャパンが新たな代表者を発表した。投機的な取引から長期保有への移行や、国内での暗号資産の普及に向けた姿勢を打ち出したと伝えられている(CoinPost)。国内大手取引所の経営体制の動きは、日本市場の裾野拡大を占ううえで注目される。

メタプラネット株は反落、「証券」始動の初動は限定的

本日「メタプラネット証券」が始動したメタプラネット(証券コード3350)の株価は、前引けで前日比約1.21%安の245円前後と3営業日ぶりに反落した(coinotakuCRYPTO TIMES)。BTCが6万4,000ドルの節目を明確に突破できず伸び悩んだことに加え、日経平均の大幅安が連動銘柄である同社株の上値を抑えた。同社のBTC保有量は約4万3,000BTC、平均取得単価は約1,533万円で変わらず(CoinPost)。朝刊で報じた証券会社始動の続報にあたる。

WebX2026初日、トム・リー氏が基調講演——ステーブルコインとAIに焦点

本日開幕したアジア最大級のWeb3会議「WebX2026」(東京・ザ・プリンス パークタワー東京、13〜14日)では、初日にビットマイン会長のトム・リー氏がビジョナリーステージで特別基調講演を行った(webx-asia.comBeInCrypto)。新タイトルスポンサーにAdvasaが加わり、ステーブルコイン、AI、トークン化、規制枠組みといったテーマがパネルで議論された。朝刊の開幕予告に続く続報。

テーマ深掘り:日本の「分離課税」はいつ実現するのか——金商法移行と20%税率

夕刊の深掘りテーマは、日本の暗号資産税制の行方だ。与党は2025年12月19日に令和8年度(2026年度)税制改正大綱を決定し、暗号資産取引を一定の条件のもとで「申告分離課税の対象とする」と明記。あわせて損失を翌年以降に繰り越せる「3年間の繰越控除制度」も創設される方向となった(CoinDesk Japan長島・大野・常松法律事務所)。

現行制度では暗号資産の利益は雑所得として総合課税の対象で、住民税と合わせた税率は最大約55%に達する。これが株式や投資信託と同様の約20%の申告分離課税に変われば、国内投資家の負担は大きく軽減される。前提となるのは、暗号資産を資金決済法から金融商品取引法(金商法)の枠組みへ移すという制度改正で、金融庁は2026年の通常国会での改正を目指している(金融庁)。

ただし適用開始は「金商法改正法の施行日の属する年の翌年の1月1日以後」とされており、法改正と施行に時間を要すれば、新税制の開始が2028年1月までずれ込む可能性も指摘されている(長島・大野・常松法律事務所)。「決まった」ことと「使える」ことにはなお時間差がある点に留意したい。WebXでもステーブルコインや規制が主要議題となっており、日本の制度整備の速度が世界の関心を集めている。

識者の見方:強気・弱気の両論

強気派は、今回のアジア時間の下落が地政学要因による一時的なレバレッジ調整であり、清算規模が月間ピークの約6分の1にとどまった点を重視する。ETF資金が7月に流入基調へ戻っていること、日本の分離課税など制度整備が中期的な追い風になることを評価する見方だ(The Currency Analytics)。

一方の弱気派は、原油高がインフレ再燃を通じて金融緩和期待を後退させるリスクを警戒する。米・イランの衝突が長期化すれば、あすのCPI上振れとあわせてリスク資産全体の重しになりかねない。方向感はあすのCPIとその先のFOMC次第という点で、市場の見方は概ね一致している(Benzinga)。

今後の注目イベント・指標

最大の焦点はあす14日の米6月CPI(米東部時間8:30発表)。原油高がヘッドラインをどこまで押し上げるかが注目される。続いて7月25日に6月PCE、7月28〜29日にFOMCが控える。国内では会期2日目のWebX2026(14日)、米ビットコイン現物ETFの資金フロー、そしてホルムズ海峡情勢の続報を引き続き確認したい。

まとめ

BTCは原油急騰と地政学リスクを背景に、アジア時間で一時6万3,000ドルを割り込んだ。ただし清算規模は限定的で、パニック的な連鎖には至っていない。国内ではメタプラネット株の反落やバイナンスジャパンの新体制、WebX初日と話題が続いた。あすのCPIと中東情勢、そして日本の分離課税という中期テーマを切り分けて見極めたい一日だった。

*本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。*

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