【7月27日夕】ETH4%高で反発主導、BTCは6.5万ドル維持

【7月27日夕】ETH4%高で反発主導、BTCは6.5万ドル維持 Uncategorized

7月27日夕、暗号資産(仮想通貨)市場はアジア時間を通じて、慎重ながらも堅調に推移した。翌28〜29日に迫る米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、市場全体の時価総額は約2.3〜2.4兆ドルと24時間で1%台の上昇。中でもイーサリアム(ETH)が約4%高と主要銘柄をけん引し、ビットコイン(BTC)は6万5,000ドル台を維持した。一方で恐怖・強欲指数は依然「恐怖」圏にとどまり、投資家は政策イベント前のポジション調整を続けている。日中の日本市場では、ビットコイン保有で知られるメタプラネット株が急落した。夕方時点で押さえておきたい日中の動きと、今夜以降の焦点を整理する。

主要マーケット動向:ETHが4%高で反発主導、BTCは6.5万ドル台を維持

暗号資産市場は7月最終週の入り口を、上昇で迎えた。The Crypto Times(CoinMarketCap基準)によると、7月27日のBTCは1BTC=約6万5,300ドルと、24時間で1.4〜1.5%高で推移。心理的節目の6万5,000ドルを上回って引けた。1ドル=約164円で換算すると約1,070万円前後となる。BTCは今週、おおむね6万4,000〜6万6,800ドルの範囲で上下しており、7月初旬に付けた約5万7,750〜5万8,000ドルの安値からは値を戻したものの、上抜けの定着には至っていない(The Crypto Times)。なお現在の水準は、2025年10月に付けた約12万6,000ドルの過去最高値からは、なお約48%低い。

この日の主役はETHだった。24時間で約4%上昇し、1,955〜1,959ドル(約32万円前後)へ。時価総額は約2,360億ドルに達した。1,880〜1,910ドルの上値抵抗帯を出来高を伴って突破し、デリバティブ市場でのショート(売り持ち)解消が上昇を増幅した格好だ。次の節目は2,000ドルの大台となる(The Crypto Times)。主要アルトコインではXRPが約1.17ドル(約190円)で推移する一方、ソラナ(SOL)やBNBなどの値動きは小幅にとどまり、資金の回転は選別的だ(FXStreet)。

ビットコインの市場占有率(ドミナンス)は56〜58%程度、イーサリアムは約10%と報じられている(CoinGabbarThe Crypto Times)。ステーブルコイン全体の時価総額は約3,000億ドルで横ばいと、待機資金は市場の外で温存されている。市場心理を示す恐怖・強欲指数は20台後半〜30台前半の「恐怖」圏にとどまり、FOMCを控えた様子見ムードを映している。

重要ヘッドライン

ETH現物ETF、週間の資金流入でBTCを上回る

米国の現物ETFでは、イーサリアムへの資金流入がビットコインを上回っている。Farside Investors等の集計によると、直近1週間の純流入額はBTC現物ETFが約3,379万ドルだったのに対し、ETH現物ETFは約1億300万ドル、SOL関連ETFも約720万ドルの流入を記録した(The Crypto Times)。BTC現物ETFは7月23日に約2億2,510万ドル、24日に約2億4,000万ドルの流出となり、7営業日続いた連続流入が止まったが、その前の5営業日では合計約7億2,700万ドルの流入と、機関投資家の押し目買い意欲は残る(Farside Investors)。ステーキング需要や供給制約を背景にしたETHの相対的な強さが、資金の流れにも表れている。

国内メタプラネット株が急落、7月高値から4営業日で約17%安

日本市場では、ビットコインを財務戦略の柱に据えるメタプラネット(証券コード3350)の株価が下落した。7月27日午前は一時219円まで売られ、その後224円前後まで持ち直したものの、7月22日に付けた高値265円からは4営業日で約17%安と、下降基調が鮮明になっている(JinaCoinコインオタク)。BTC価格が底堅く推移する一方で同社株が売られており、暗号資産関連株特有の値動きの荒さがあらためて意識される展開だ。

韓国WEMIXで約625万ドルの不正発行、ブリッジ停止

DeFi・セキュリティ面では、韓国のゲーム大手が手がけるレイヤー1ブロックチェーン「WEMIX」が7月27日、約625万ドル相当の不正流出を確認したと発表した。攻撃者はドル連動型ステーブルコイン「WEMIX$」に関連するコントラクトの所有権を掌握し、約523万WEMIX$を不正に発行。これを3万736WEMIXと約72万USDC.eに交換し、イーサリアムとBNBスマートチェーンへブリッジしたとされる。WEMIXはブリッジと分散型取引サービスを停止し、取引所やステーブルコイン発行体に資産凍結の協力を要請した。同ネットワークにとって18カ月未満で2度目の重大インシデントとなる(The Crypto Timescrypto.news)。

今週の個別材料:コインベース/ストラテジー決算、Zcash・Stacksのアップグレード

今週はマクロ以外の「暗号資産固有」の材料も多い。7月30日には米コインベースとストラテジー(旧マイクロストラテジー)が決算を発表する。ストラテジーのビットコイン保有は約84万3,775BTC(約540億ドル相当)に達しており、保有戦略や優先株配当の負担が注目される。加えて、7月28日ごろにプライバシー通貨Zcashが「Ironwood(NU6.3)」アップグレードを、29日ごろにStacksが「PoX-5」ハードフォークを予定。後者は自己管理型のビットコイン・ステーキング(BTCFi)を有効化する点で関心を集めている(The Crypto Times)。

テーマ深掘り:暗号資産が「金融商品」へ——日本の分離課税移行が映す構造転換

海外市場が政策イベントに揺れる一方、日本では暗号資産の法的位置づけそのものを見直す制度改革が、静かに、しかし着実に進んでいる。2025年12月に公表された令和8(2026)年度税制改正大綱は、暗号資産の課税方式を大きく転換する方向性を打ち出した(金融庁)。

これまで暗号資産の売却益は「雑所得」として総合課税の対象となり、給与など他の所得と合算のうえ、住民税を含めると最大約55%の税率が適用されてきた。大綱が示したのは、投資家保護のための制度整備を前提に、暗号資産取引業者が取り扱う暗号資産の譲渡益を「申告分離課税」へ移行する方針だ。上場株式などと同様に税率を一律20%程度とし、損失については3年間の繰越控除を認める内容が盛り込まれている。暗号資産ETFや暗号資産デリバティブ取引も分離課税の対象とする方向とされる(CoinDesk JapanCoincheck)。

背景にあるのが、暗号資産を資金決済法上の「決済手段」から、金融商品取引法上の「金融商品」へと位置づけ直す法改正だ。この再定義が実現すれば、暗号資産はインサイダー取引規制や情報開示の枠組みに組み込まれ、税制面でも株式などと横並びの扱いに近づく。適用時期は改正金商法の施行の翌年からとされ、実際の分離課税の開始までにはなお段階を要するが、方向性としては「投機の対象」から「制度に組み込まれた投資対象」への移行を意味する。国内投資家にとっては税負担の軽減とともに、市場の透明性・信頼性の向上につながる可能性がある一方、詳細な制度設計や適用範囲は今後の法案審議に委ねられており、確定情報として受け止めるのは時期尚早だ。メタプラネットのような暗号資産関連企業の位置づけにも、中長期で影響しうるテーマである。

識者の見方:強気・弱気の綱引き

市場では、強気・弱気の両論が拮抗している。強気派は、ETHへのETF資金流入とステーキングによる供給制約、ショート解消を伴うテクニカルな上昇を根拠に、FOMCが想定通りの「据え置き」となり声明が中立的であれば、リスク資産に安心感が広がると見る。オプション市場では月末に向けBTCの7万〜7万2,000ドルを狙う買いも観測される(The Crypto Times)。

一方で慎重派は、恐怖・強欲指数が「恐怖」圏にとどまり、資金調達率(ファンディングレート)も中立圏で、積極的な強気ポジションが積み上がっていない点を指摘する。ウォーシュFRB議長がタカ派姿勢を強め、31日発表の6月PCE(個人消費支出)物価指数が上振れれば、「より長く高金利」の見方が再び強まり、BTCは6万3,000〜6万4,000ドルの支持帯へ押し戻される可能性があるとみる。今週はこの綱引きが、政策と指標を触媒に決着へ向かう局面となる。

今後の注目イベント・指標

直近の最大の焦点は、日本時間7月30日未明のFOMC結果とウォーシュ議長の記者会見だ。市場は金利据え置き(誘導目標3.50〜3.75%)を9割超織り込むが、今回は経済見通し(SEP)と「ドットチャート」のない会合のため、声明文と会見の「トーン」が全てを左右する。続く30日には米4-6月期GDP速報値(市場予想は年率2.5%前後)、31日には6月PCE物価指数と、月末のオプション満期が重なる。国内ではメタプラネット株や金融庁の制度動向、海外ではコインベース・ストラテジー決算やDeFiのセキュリティ事案が引き続き注目される。

まとめ

7月27日夕は、ETHが約4%高で市場をけん引し、BTCが6.5万ドル台を維持する堅調な展開となった。ただし恐怖・強欲指数は「恐怖」圏にとどまり、市場はFOMCと月末の重要指標を前に方向感を欠く。国内ではメタプラネット株の急落と、暗号資産の「金融商品」化・分離課税移行という制度転換が、日本の投資家にとって見逃せないテーマだ。今週は政策・決算・アップグレードが一気に出そろう。過度なポジションを避け、一次情報に基づいた冷静な判断が求められる局面である。

*本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。*

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