【7月8日夕】BTC1010万円、SBIがEDX出資 日本勢の機関化

【7月8日夕】BTC1010万円、SBIがEDX出資 日本勢の機関化 Uncategorized

7月8日夕方の暗号資産市場は、アジア時間を通じてアルトコイン主導のじり高となり、ビットコイン(BTC)は円換算でおおむね1,010万円前後(約6万2,000〜6万3,000ドル)を維持した。値動き自体は小幅ながら、日中の主役は相場そのものより「日本の大手金融のクリプト本格参入」というニュースフローだった。SBIホールディングスが米機関投資家向け取引所EDXマーケッツへの出資を主導し、Datachainが三菱UFJ銀行のステーブルコイン基盤を技術面で支援。金融庁はマネロン対策のトラベルルール対象国を63法域へ拡大した。本稿(夕刊)では、朝刊で扱ったデリバティブや米ETFの需給論から視点を移し、日中に相次いだ国内・アジアの制度とビジネスの動き、そして夜以降に控える米国材料を整理する。

主要マーケット動向:アジア時間はアルト高、BTCは1,010万円前後で底堅く推移

複数の市況データによると、ビットコインは日本時間7月8日夕方時点でおおむね6万2,000〜6万3,000ドル、円換算で約1,010万〜1,020万円で推移した。国内大手メディアCoinPostのリアルタイム値でも、同日夕方にBTCは1,000万〜1,028万円のレンジで前日比プラス圏を保った(CoinPost)。朝刊時点(前夜に一時6万4,400ドルを試したのち6万3,000ドル台へ反落)からは大きな方向転換はなく、6万2,000〜6万4,000ドルのレンジ内での揉み合いが続いている(Fortune(7月7日BTC価格))。

為替は、ドル円が7月8日に1ドル=162.43円前後と、前日比0.20%の小幅な円安方向で推移した(Trading Economics(日本円))。この水準では、6万2,500ドルがおよそ1,015万円に相当する。

特徴的だったのは、日中のアジア時間にアルトコインの戻りが目立った点だ。CoinPostのリアルタイム値では、夕方にかけてXRPが前日比プラス2〜4%台、ソラナ(SOL)が同2〜5%程度、ドージコイン(DOGE)も同2〜4%台と、ビットコイン(同1〜2%程度)を上回る上昇率で推移した。イーサリアム(ETH)も約28万円台(約1,730〜1,770ドル)と底堅い。前週の急落局面で先に売られたアルトへ、リスク許容度の回復とともに短期資金が戻る典型的な戻り相場の構図がうかがえる。ただし、出来高や時価総額の水準は前年ピークを大きく下回っており、あくまで下落後の反動の範囲内という点は朝刊から一貫している。

重要ヘッドライン

SBI主導でEDXマーケッツが約123億円を調達、出資比率20%で持分法会社に

SBIホールディングスは、米機関投資家向け暗号資産取引所EDXマーケッツのシリーズC資金調達(総額7,600万ドル=約123億円)を主導したと発表された。日本経済新聞によると、SBIの出資比率は20%で、EDXを持分法適用会社とする。EDXはシタデル・セキュリティーズ、フィデリティ、チャールズ・シュワブなどウォール街大手が出資して2023年に開業した経緯があり、直近では米通貨監督庁(OCC)に連邦信託銀行免許を申請している。SBIは、信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」を使った売買・決済の普及や、国内で解禁が見込まれる暗号資産ETFの強化に、この連携をつなげたい考えだという(EDX Markets(公式発表)CoinPost)。

金融庁・財務省、トラベルルール対象を63法域へ拡大——8月3日適用、中露越は対象外

金融庁と財務省は7月7日、暗号資産・電子決済手段の移転時に送付人・受取人情報の通知を義務付ける「トラベルルール」の対象法域を定める告示を改正した。アンギラ、オマーン、キューバ、ドミニカ国、ボツワナの5法域を追加し、対象は計63法域となる。改正は8月3日から適用される。パブリックコメントでは中国・ベトナム・ロシアの追加を求める意見も出たが、これらは日本の通知義務に相当する規制が未整備であることを理由に対象外とされた。なお対象外の国・地域向け取引でも、交換業者は送付人・受取人情報の収集・保存義務を負う(金融庁(公式発表)CoinPost)。

Datachainが三菱UFJ銀行のステーブルコイン基盤を技術支援——3メガ銀の共同発行構想も背景に

ブロックチェーン企業Datachain(Speee子会社)は7月7日、三菱UFJ銀行に対し、ステーブルコインを含むオンチェーン金融インフラ構築の技術アドバイザリーを開始したと発表した。同社は2022年からステーブルコイン、2025年からトークン化預金の事業を手掛けている。背景には、三菱UFJ・三井住友・みずほの3メガバンクが2026年度中にステーブルコインを共同発行する方針を固めたとされる報道があり、銀行システムとブロックチェーンを橋渡しする実装が国内でも具体化しつつある(PR TIMES(プレスリリース)CoinPost)。

米SEC、「レギュレーション・クリプト」を今月中にも提案へ——アトキンス委員長の2026年アジェンダ

米証券取引委員会(SEC)は、暗号資産の証券登録免除やセーフハーバー創設を柱とする新ルール「レギュレーション・クリプト」を早ければ今月中に提案する方針を示した。ポール・アトキンス委員長が主導する2026年規制アジェンダの一環で、スタートアップ向けに最長4年間の登録免除(初期4年間は評価額500万ドル未満、最大7,500万ドルの資金調達を認める枠組み)や、開発者が主導的立場でなくなった時点でトークンを証券扱いしない「投資契約セーフハーバー」などが検討されている。提案は現在ホワイトハウスの行政管理予算局(OIRA)で審査中で、公表後にパブリックコメントを経る(CoinDeskCoinPost)。

SBI証券・大和証券、ETH・USDC活用のデジタル証券で対日投資促進——2027年取引開始を検討

SBI証券と大和証券を含む5社は7月8日、イーサリアムとUSDCを活用したデジタル証券のクロスボーダー取引に関する実証成果を公表した。ブロックチェーンを使い、海外から日本の証券へ投資できる仕組みを目指すもので、自主規制機関の了承も得たとされる。早ければ2027年の取引開始を検討している(CoinPost)。トークン化とパブリックチェーンの実利用が、国内大手証券の間でも現実的な選択肢になってきたことを示す動きだ。

テーマ深掘り:値動きより「制度とインフラ」——日本発の機関化が同時多発

7月8日の日中を象徴したのは、価格変動よりも「日本の大手金融がクリプトの土台づくりに一斉に動いた」という事実だった。SBIによるEDX出資、Datachainと三菱UFJ銀行の連携、SBI証券・大和証券のデジタル証券実証——これらが同じ一日に並んだのは偶然ではなく、日本の制度整備が一つの臨界点に近づいていることの表れと読める。

背景には、いくつかの制度的な追い風がある。第一に、暗号資産を金融商品取引法(金商法)の枠組みへ移す方向での制度改正が議論されており、これが実現すれば暗号資産ETFの国内解禁や申告分離課税の導入につながる可能性がある。第二に、2026年6月にSBIグループが国内初の信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」を発行し、大口送金に対応する電子決済手段としての実装が始まった。第三に、3メガバンクによるステーブルコイン共同発行の方針が報じられ、決済インフラの刷新が現実味を帯びている(CoinPost(EDX/SBI)CoinPost(Datachain/三菱UFJ))。

こうした動きに共通するのは、投機的な値動きを追う個人主体の市場から、決済・清算・証券インフラを担う機関主体の市場へと、日本の暗号資産シーンの重心が移りつつあるという点だ。SBIがEDXへ出資してJPYSCと機関投資家向け取引を結び付けようとするのも、三菱UFJ銀行がトークン化預金・ステーブルコインの基盤づくりに乗り出すのも、いずれも「価格が上がるか下がるか」の外側にある構造変化である。今週後半に東京で開かれるアジア最大級のWeb3カンファレンス「WebX2026」(7月13〜14日)には、片山財務・金融担当大臣や松本デジタル大臣の登壇も予定されており、官民が同じ場で制度の方向性を確認する構図が続く(CoinPost(WebXガイド))。相場の短期的な上下とは別に、この土台づくりの進捗こそが、日本の読者にとって中長期の注目点となる。

識者の見方:戻りを評価する声と、資金流出の継続を警戒する声

強気派は、直近の反発の質を前向きに評価する。暗号資産OTC大手のウィンターミュートは、米雇用統計の下振れと米連邦準備制度理事会(FRB)のハト派的な受け止めを背景に、直近1週間でETHが13.54%高、BTCが6.75%高と株式市場を大きく上回った点を指摘した。オンチェーン分析でも、ビットコインの「見かけの需要」が6月3日の年初来最悪(マイナス27万5,000BTC)から直近マイナス7万5,000BTC程度まで改善したとの見方が出ている。バーンスタインも、高値から54%の調整は過去サイクルより緩やかだとして、年末15万ドルの強気目標を維持した(CoinPost(ウィンターミュート)CoinPost(見かけの需要))。

一方で慎重派は、需給の底流がなお弱いことを強調する。ウィンターミュート自身も、7月2日の米ビットコインETFの資金流入転換を評価しつつ、年初来で約54億ドルの流出が続く中では「構造的な変化と判断するのは時期尚早」と釘を刺している。数日間の戻りやアルト高をもって基調転換とみなすのは早計であり、機関マネーの本格回帰を確認するには、ETFの資金流入が継続するかどうかを見極める必要がある、というのが慎重派の立場だ(CoinPost(ウィンターミュート))。

今後の注目イベント・指標

  • 7月7日分の米ビットコインETF資金フロー:ファーサイド・インベスターズの集計で7月6日は約2億6,570万ドルの流入。7月7日分は本稿執筆時点で未確報で、流入継続の有無が焦点(Farside Investors
  • 7月13〜14日:東京でWeb3カンファレンス「WebX2026」開催。片山財務・金融担当相らが登壇予定
  • 7月13日(月):メタプラネットによるSiiibo証券の買収完了(予定)、株主優待プログラム利用開始
  • 7月14日(火):6月米消費者物価指数(CPI、米東部時間8時30分)
  • 7月18日(土):GENIUS法に基づく米ステーブルコイン追加規則の策定期限
  • 8月3日(月):改正トラベルルール(対象63法域)の適用開始
  • 7月28〜29日:FOMC(政策金利判断は29日、ウォーシュ議長下)
  • 今月中:SEC「レギュレーション・クリプト」提案の公表時期

まとめ

7月8日夕方のビットコインは1,010万円前後で底堅く推移し、アジア時間はXRPやソラナなどアルトコイン主導のじり高となった。もっとも、この日の主役は相場よりニュースフローで、SBIによるEDX出資、Datachainと三菱UFJ銀行の連携、SBI証券・大和証券のデジタル証券実証、金融庁のトラベルルール拡大と、日本の大手金融・当局のクリプト本格参入を示す材料が同時多発した。海外では米SECが「レギュレーション・クリプト」を今月中にも提案する構えで、制度整備は日米で同時進行している。短期の値動きはレンジ内だが、来週のWebX2026や米CPI、月末のFOMCを控え、需給の弱さと制度の追い風がどちらに傾くかを見極める局面が続く。

*本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。*

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