📢 PR表記(景品表示法対応)
本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)を含みます。紹介するサービスや掲載順は当サイトの基準によるもので、広告出稿の有無が評価を決定するものではありません。税制・料金・サービス内容は変更される場合があるため、最終的な情報は国税庁および各社公式サイトでご確認ください。また本記事は一般的な情報提供であり、個別の税務判断については税理士にご相談ください。
「取引所からもらった書類を、そのまま税務署に出せばいいんですよね」。去年の申告の時期に、そう聞かれたことがあります。残念ながら、そうはいきません。年間取引報告書は材料であって、答えではないからです。
暗号資産の損益は、自分で計算した数字を申告します。取引が年に数回なら表計算ソフトでも足ります。でも、銘柄をいくつか持っていて、ステーキングもしていて、ときどき海外の取引所も使う。そうなると、手計算はかなり厳しい。
この記事では、損益計算ツールを使って、取引履歴から申告に使う数字が出るまでをひととおり追います。例としてクリプタクト
を使いますが、考え方は他のツールでも変わりません。
掲載している画面は、筆者が実際に登録して2026年10月に撮影したものです。画面の構成は更新されることがあるので、最新の表示は実際のサービスでご確認ください。
先に結論
- 用意するのは、国内取引所の年間取引報告書と、それ以外の取引履歴CSVです
- ツールがやってくれるのは計算まで。どの数字を申告に使うかは、最後は自分で決めます
- 画面に出てくる実現損益が、申告書の「収入金額」の元になります
- 無料プランでも最後まで試せます。ただし結果が表示されるのは年間50件までです
そもそも、なぜツールが要るのか
暗号資産の損益は、売った価格から取得原価を引いて計算します。この取得原価が曲者です。何も届け出ていなければ総平均法になるので、その年に買った分すべてをならした平均単価を出し、それを使って売却分の原価を決めます。
国税庁も「暗号資産の計算書(総平均法用)」というエクセルを配っていて、国内の取引所1社で、売買だけなら、これで十分に足ります。計算が崩れ始めるのは、別の暗号資産に交換したとき、海外の取引所を使ったとき、ステーキング報酬を受け取ったときです。1件ごとに時価を調べて円換算する作業が発生するので、ここから先は現実的に手では追えません。
損したつもりが、利益になっていることがあります
1月に1BTCを800万円で買い、7月に1BTCを700万円で売った。買った値段より安く売ったのだから損、と思いますよね。ところが同じ年の11月に、もう1BTCを400万円で買っていたとします。
総平均法では、その年に買った分をすべてならします。(800万円+400万円)÷2BTCで、平均の取得単価は600万円。売ったのは700万円ですから、100万円の利益が出ていることになります。
売ったあとに買い増しただけなのに、損が利益に変わる。これが総平均法の分かりにくいところで、手で計算していると気づかないまま申告してしまいます。
ツールは、この円換算と平均単価の計算を代わりにやってくれます。逆にいえば、やってくれるのはそこまでです。
準備するもの
作業に入る前に、手元に揃えておくものがあります。年明けにバタバタしないよう、12月のうちに確認しておくと楽です。
- 国内取引所の年間取引報告書。1月中旬から2月上旬にかけて、各社のマイページに出ます
- 海外取引所の取引履歴CSV。年間取引報告書のような書類は出ないので、自分でダウンロードします
- ウォレットのアドレス。DeFiやNFTを触っているなら必要です
- 前年までの保有分の取得価額。これが抜けやすい
最後の項目について補足します。今年はじめてツールを使う場合、今年の取引履歴だけを入れると、前から持っていた分の取得価額がゼロとして扱われてしまうことがあります。そうなると利益が実際より大きく出ます。
クリプタクトの場合、最初に計算の始め方を聞かれます。「最初から計算を始める」を選ぶと過去の履歴をすべて取り込む形、「過去の計算結果を引き継いで計算する」を選ぶと前年末の残高と平均取得単価を手で入れる形です。去年まで別の方法で計算していた方は後者、今回が初めてなら前者、と考えておけば大きくは外しません。

どちらにしても、最初の年がいちばん手間がかかります。
手順
1. アカウントをつくって、アシスタントに沿って進める
メールアドレスで登録します。ここでお金はかかりません。登録するとアシスタントという案内役が立ち上がって、取引所の選択、取引履歴の反映、という順に手順を示してくれます。慣れないうちは、この流れから外れないほうが早いと思います。

2. 取引所とブロックチェーンを選ぶ
取引したことのある取引所とチェーンを、すべて選びます。ここで漏らすと、あとで損益が合わなくなります。国内外あわせてかなりの数に対応していて、Avalanche、Arbitrum、Baseといったチェーンも一覧に並んでいます。

一覧にない取引所を使っていた場合でも、「未対応取引所/取引/チェーン」を選べば手動追加やカスタムファイルで登録できます。他社のGtaxから移ってきた方向けに、共通フォーマットの受け口も用意されています。
選んだあとは、取引所ごとにAPI連携かファイルのアップロードかを選びます。APIキーを使う場合は、取引所側で読み取り専用のキーを発行してください。出金権限のついたキーを渡す必要はありません。
3. 「未分類」をつぶす
ここがいちばん時間を使うところです。取り込んだ取引のうち、ツールが銘柄や種別を判断できなかったものが未分類として残ります。マイナーな銘柄、取引所独自のキャンペーン報酬、ウォレット間の送金あたりでよく出ます。
未分類が残ったままだと、損益が正しく出ません。1件ずつ中身を見て、銘柄を指定するか、カスタムファイルの形式で自分で登録します。
4. サマリーで実現損益を見る
未分類がなくなると、年ごとの実現損益が出ます。この金額が、確定申告書に書く収入金額の元になります。

見るときに2つだけ確かめてください。期間が申告する年の1月1日から12月31日になっているか。算定方法が総平均法になっているか。この2つがずれていると、正しく計算されていても申告に使えない数字になります。
5. 数字を控えて、根拠を保存する
実現損益の金額だけでなく、その内訳のファイルもダウンロードして保存しておいてください。申告書に添付する必要はありませんが、あとで聞かれたときに出せるようにしておく、という趣旨です。
帳簿設定は、最初に一度だけ見ておく
取り込みを始める前に、帳簿設定を開いて3か所だけ確認してください。ここが違っていると、あとで全部やり直しになります。

ひとつめは暗号資産の算定方法。日本在住の個人は原則として総平均法なので、ここが総平均法になっていればそのままで構いません。移動平均法に変えるには税務署への届出が要る、という注意書きもここに出ています。
ふたつめは会計通貨。損益を計算する基軸通貨のことで、日本で申告するなら日本円です。
みっつめはタイムゾーン。Asia/Tokyoになっていないと、年末年始の取引が前年に入ったり翌年に入ったりします。12月31日の夜に売買した方は、ここがずれると損益が動きます。
取得価額が分からないときの5%ルール
もうひとつ、知っておくと助かる設定があります。昔に買った分の取得価額がどうしても分からない、という場合です。

国税庁のFAQでは、取得価額が分からない暗号資産について、売却価額の5%相当額を取得価額としてよいことになっています。この設定をオンにすると、帳簿上の取得価額と売却価額の5%を比べて、高いほうを取得価額として計算してくれます。
ただし、分からないから5%でいい、という話ではありません。5%で計算すると売却額の95%が利益になるので、税額はかなり大きくなります。履歴をさかのぼれるなら、さかのぼったほうが有利です。最後の手段として用意されている、という位置づけで考えてください。
AIに損益を聞けるようになりました
最近はClaudeやChatGPTと連携して、チャットで損益を確認できるようになっています。「2026年の実現損益を教えて」と聞けば、取り込んだデータから集計して返してくれる、という使い方です。無料プランから使えます。
管理画面の操作に慣れない方には、こちらのほうが早いかもしれません。ただし返ってきた数字をそのまま申告に使うのではなく、サマリー画面の金額と突き合わせてから使ってください。
つまずきやすいところ
相談を受けていて、毎年同じところで止まる方が多いので、先に挙げておきます。
未対応の銘柄がある。取り扱い銘柄が多い取引所を使っていると、ツール側が価格データを持っていない銘柄に当たることがあります。この場合は自分で取得価額と売却価額を入れたカスタムファイルを作ることになります。
海外取引所のCSVの形式が変わっている。取引所がフォーマットを変更すると、取り込みでエラーが出ます。ツール側の対応を待つか、列を並べ替えて汎用形式で入れ直すかになります。
送金手数料の扱い。自分のウォレット間の移動そのものは売買ではないので、損益は出ません。問題は、手数料として支払った暗号資産のほうです。

クリプタクトには送金手数料を費用として計上する設定がありますが、オンにするかどうかは慎重に考えたほうがいいところです。ツールの画面にも、個人の場合は損金算入が認められない恐れがあるので税理士・会計士に相談のうえ使ってほしい、という注意書きが出ています。迷ったらオフのままにして、申告前に相談してください。
同じ画面にある少額誤差調整も覚えておくと役に立ちます。取引所の端数処理の都合で、計算上の保有数量がわずかにマイナスになることがあるのですが、設定した金額の範囲内なら強制的にゼロにして計算を続けてくれる機能です。ここで止まって先に進めなくなる方が多いので、エラーが出たらこの設定を見てみてください。
料金は取引件数で決まります
プランの違いは、ほぼ年間の取引件数です。機能そのものは無料プランでも一通り揃っていて、海外取引所の自動対応もDeFiの自動識別も含まれています。
| プラン | 年額(税込) | 年間取引件数 |
|---|---|---|
| Free | 0円 | 100,000件(※) |
| Basic | 6,600円 | 300件 |
| Prime | 22,000円 | 2,000件 |
| Pro | 38,500円 | 10,000件 |
| Pro+ | 55,000円 | 50,000件 |
| Pro Unlimited | 77,000円 | 無制限 |
無料プランの「10万件」という数字は取り込みの上限で、結果が見られるのは50件までです。つまり無料でできるのは、自分の履歴がきちんと読み込めるかの確認まで。そこを確かめてから、件数に応じてプランを選ぶ、という順番になります。年に数十回しか売買しない方ならBasicで足りることが多いはずです。
ツールに任せきりにしないほうがいいところ
便利ではありますが、最終的に申告の責任を負うのは本人です。次の3つだけは、出てきた数字をそのまま信じる前に確認してください。
ひとつめは取り込み漏れです。使っていた取引所を1社入れ忘れていた、というのは意外とよくあります。サブで使っていた口座、もう使っていない口座。年末に口座の一覧を作っておくと防げます。
ふたつめは前年からの繰越です。前の年の末に持っていた数量と取得価額が引き継がれているか。ここがずれていると、今年の利益も全部ずれます。
みっつめは経費です。ツールが計算するのは売買にまつわる損益だけなので、取引のために使った通信費や書籍代といった経費は、申告書の必要経費の欄に自分で入れることになります。何がどこまで経費になるかは事情によるので、迷ったら税理士に確認してください。
数字が出たら、次は申告書
実現損益が確定したら、あとは確定申告書のどこに入れるかです。暗号資産は雑所得の「その他」に入り、種目は「暗号資産」を選びます。画面の流れと入力欄については、別記事で順番に追いました。
よくある質問
年間取引報告書だけで申告できますか
国内の取引所1社だけで、売買しかしていないのであれば、年間取引報告書と国税庁の計算書(総平均法用)で完結します。交換・決済・ステーキング報酬が混ざっていたり、複数の取引所を使っていたりすると、報告書だけでは足りません。
無料のままで申告まで終えられますか
年間の取引が50件以下なら、無料プランのまま結果まで見られます。50件を超えると計算結果が表示されなくなるので、そこから先は有料プランになります。
税額のおおよそを先に知りたいのですが
年収と暗号資産の利益を入れるだけで税額の概算が出る無料のシミュレーションが公開されています。正確な金額は損益を確定させてからですが、年内に売るかどうかを考えるときの目安にはなります。ただし入力する利益の額は、取引所の画面に出ている損益ではなく、総平均法で計算した実現損益である点にご注意ください。
移動平均法で計算したい場合はどうしますか
移動平均法を使うには、事前に「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」を税務署に出しておく必要があります。出していなければ総平均法です。どちらを選ぶかはこちらの記事で比べました。
損失だけが出た年もツールを使う意味はありますか
あります。暗号資産の損失は翌年に繰り越せませんが、同じ年のなかでは他の暗号資産の利益と相殺できます。複数の取引所や銘柄を使っているなら、合算してはじめて損益が分かります。結果として損失なら、その年は申告しなくて構いません。
免責
本記事は2026年10月時点の公開情報にもとづく一般的な解説です。税制・各社のサービス内容・料金は変更されることがあります。個別の税務判断、取得価額の計算方法の選択、申告の要否については、必ず税理士または所轄の税務署にご確認ください。本記事の情報に基づく判断および行動の結果について、当サイトおよび筆者は責任を負いかねます。
暗号資産の税金・確定申告ガイド
この記事は個別の論点を扱ったものです。全体像から確認したい方は、まず基本ガイドをどうぞ。


