【10月23日朝】米金利5%割れでもBTC8万1千ドル 12月利上げは全員予想

マーケット速報

主要マーケット動向

ビットコインは1BTC=8万1,368ドル。24時間で4.00%下げました。前日の朝に8万4千ドル台だと書いたので、丸一日で3千ドル近く削られた形です。21日の米国時間に8万5千ドル近くまで伸びた場面があり、そこから8万1千ドル台まで往復しています。上でも下でも焼かれた人が多かったはずです。

イーサリアムは2,390ドル(-4.25%)。ソラナ103ドル(-4.24%)、XRPは1.306ドル(-5.42%)。主要銘柄はおおむね4〜5%台の下げでそろいました。市場全体の時価総額は2.72兆ドルで、24時間マイナス3.82%です。

目を引いたのは、最近の逃げ場だったプライバシー銘柄まで崩れたこと。時価総額9位まで上がってきたZcashは1,214ドルで24時間-10.27%、モネロも591ドルで-5.18%。年初来ではZECが+131%、XMRが+90%と依然強いのですが、昨日に限っては隠れる場所がなかったように見えます。

デリバティブ側はかなり整理されました。建玉は3,639億ドルへ10.57%減り、平均ファンディングレートは24時間で72%縮小。CoinGlassの集計では24時間の清算が4.31億ドルで、上昇局面でショートが1.73億ドル刈られ、直近12時間は2.22億ドルのうち2.10億ドルがロングでした。バイナンスでは8万3,500ドル近辺で1,180万ドルのBTCロングが飛んでいます。

Fear & Greed指数は48の「中立」。前日54、1週前51、1か月前は78の「貪欲」でした。価格はきれいに下げたのに、センチメントはまだ崩れていない。BTCドミナンスは60.1%で5月以来の高さです。暗号資産の中では、お金がBTCに寄っています。

重要ヘッドライン

  • 米国株はナスダックが2.60%安の26,008.86。S&P500は1.21%安の7,663.43、ダウはほぼ横ばいの52,867.98でした。AI関連の投資がいつ回収できるのかという疑いが主役で、好決算を出したメタが7%安、テスラ3%安、CoreWeaveは10%安です。
  • 米10年債利回りが5%割れ。4.95%台まで低下し、14bpの下げは2025年8月以来の大きさでした。株から債券へ資金が動いた1日です。
  • 原油は5月以来の高値圏。ブレントは一時113ドル近く、WTIは100ドル前後。米イスラエルが中間選挙後にイランへの攻撃を再開する計画だという報道と、サウジでの攻撃が重なりました。原油100ドル乗せは21日に書いたテーマですが、そこからさらに上です。
  • 日経平均は1,713円40銭安の62,907円84銭、TOPIXは3,997.50。中国株が弱気相場入り、韓国KOSPIは3.5%安とアジアも総崩れでした。ドル円は朝方156円80銭前後で、前日の157円台から円高に振れています。
  • 米ビットコイン現物ETFは21日に5億2,480万ドルの流入。IBITが2億3,500万ドル、FBTCが2億1,270万ドルです。3日間で約10.7億ドルを集め、10月は累計プラス4.57億ドルに転じました。月曜のIBIT6.6億ドル流入からの流れが続いています。いっぽうイーサリアムETFは10月2〜21日で10.1億ドルの流出、うちETHA単独で9.54億ドルです。
  • スイスFINMAが同国初のビットコイン現物ETFを承認。BIT Asset Managementの「BBIT」で、11月にSIXスイス取引所で取引開始予定。一般投資家も通常の証券口座から買えます。
  • 国内は免税リファンド方式とステーブルコイン。11月1日から免税が購入時免除ではなく事後返金に変わるのに合わせ、井林国交相が21日の衆院国交委でステーブルコイン活用の検討に触れました。返金手続きの細部はまだ詰まっていません。金融庁フォーラムの工程表と合わせて見ると、国内の「決済インフラとしての実装」は着実に進んでいます。

テーマ深掘り:金利が下がったのにBTCも下がった、この気持ち悪さ

教科書的には、長期金利の低下は暗号資産に追い風です。割引率が下がれば、遠い将来の価値や、そもそもキャッシュフローを持たない資産の相対的な見栄えは良くなる。昨日の米10年債は14bpも下がって5%を割りました。それなのにBTCは4%安。ここが昨日いちばん引っかかった点です。

理由は三つに分けられると思います。

一つ目は、金利が下がった理由が「緩和の期待」ではなかったこと。ロイターが16〜20日に実施した調査では、10月28日のFOMCは100人中94人が据え置きを予想し、12月は100人全員が利上げを予想しました。1か月前は半数以下だったそうです。市場の織り込みも10月据え置きが8割台、12月利上げが8割台。つまり昨日の金利低下は「株が怖いから債券を買った」逃避であって、金融政策が緩む話ではありません。政策金利はいま3.75〜4.00%です。

二つ目は、株との連動。LMAXのJoel Kruger氏は、暗号資産が株式との連動を強めていて、新しい材料を待っている状態だと指摘しています。実際、下げの主役はナスダックで、BTCはそれに付き合っただけに見えます。ドミナンスが60%まで上がったのも「暗号資産が強い」のではなく、アルトから逃げた資金がBTCに溜まっただけ、という読み方ができます。

三つ目は、原油です。ブレント113ドルという水準は、インフレ期待というより「中央銀行が引き締めを長く続ける理由」として効きます。9月のCPIは前年比3.7%、コアは2.6%。モルガン・スタンレーのGapen氏は「リスクは、FRBが我々の想定以上に利上げを迫られる方向にある」と述べています。PCEが2%に戻るのは2028年以降という見立ても出ていて、92人中38人が少なくとも2回以上の追加利上げを見込んでいます。9月調査では5人に1人程度でした。

ここまで書いて、正直わからない部分もあります。昨日の金利低下が本当に逃避だけなら、株が落ち着いた瞬間に金利は戻り、BTCには向かい風になります。逆に、AI投資への疑いが本物で景気減速の入り口なら、12月利上げの織り込みは剥がれ、そのときはBTCに追い風が吹く。昨日の下げがどちらの前兆なのかは、来週のFOMCとPCEを見ないと決められません。

相談を受ける立場から一つだけ。こういう「理屈が効かない日」こそ、先に保有比率を決めておいた意味が出ます。金利が下がったから買い増す、株が下がったから売る、と都度判断を変えていると、昨日のような往復相場では上でも下でも損をします。決めた比率まで戻すだけ、という運用のほうが、少なくとも精神的には持ちます。

識者の見方:強気・弱気の両論

強気側の根拠は、機関投資家の買いが止まっていないことです。価格が下げた週に現物ETFが3日で10.7億ドルを集めたのは軽い事実ではありません。Kruger氏も、BTCの希少性は株式市場の揺れに耐える助けになりうると指摘しています。デリバティブの建玉が1割減ってファンディングも縮んだのは、投機の燃料が抜けて下に落ちにくくなったとも読めます。BTCは7月1日からまだ39%高い水準にいます。

弱気側は、その流入が続くかを疑います。GiottusのVikram Subburaj氏は「フローは不安定で、本格的な回復を確認するには継続的な流入が必要」として、分割での買い付け、ポジションサイズの抑制、ETFフローとFRBのシグナルを見てから増やすことを勧めています。7月以降の1日平均流入は8,600万ドル程度で、過去の上昇局面の2億ドル超には届きません。テクニカル面では8万2,500ドル割れが7万ドルへの道を開くという声もあります。1年前と比べればBTCはまだ24%安です。

今後の注目イベント・指標

  • 10月27日(火)米9月耐久財受注、10月消費者信頼感指数(前回81.9)、9月新築住宅販売
  • 10月28日(水)FOMC政策金利発表、日本時間29日未明。据え置き予想が8割台。声明と記者会見での12月への言い回しが焦点です
  • 10月29日(木)米7〜9月期GDP、9月PCEデフレーター(コア前年比の前回3.0%)、ECB理事会
  • 10月30日(金)日銀金融政策決定会合の結果、10月東京都区部CPI(前回2.7%)、9月失業率
  • 10月31日(土)中国10月製造業PMI(前回50.1)
  • 11月3日(火)米中間選挙。CLARITY法案の行方を左右します

なお、デリビットでは10月30日満期の8万5,000ドルと8万6,000ドルのコールがいちばん売買されています。FOMCを通過したら上を試す、という前提のポジションが残っているということです。

まとめ

昨日は、理屈どおりに動かない日でした。金利が下がってBTCも下がる。プライバシー銘柄まで一緒に落ちる。こういう日は「何が起きたのか」を無理に一行で説明しようとすると、たいてい間違えます。

いま確かなのは二つだけです。暗号資産が株、とくにAI関連株の値動きに引っ張られていること。そして来週、FOMCとPCEと日銀が三日続けて並んでいること。この二つを頭に入れておけば、当面は足りると思います。

価格がどうなるかは、私にもわかりません。ただ、前日に書いた「ボラティリティが年初来最低圏」という状態からは明確に変わりました。静かな相場に慣れた直後の値動きは、数字以上に大きく感じます。そこで判断を急がないことが、いちばん効く対策かもしれません。なお暗号資産の売買や交換は売っていなくても課税される場面があるので、動いた月は記録を残しておいてください。

(価格は日本時間10月23日6時55分時点。本記事は情報提供が目的で、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。)

この記事を書いた人
CFP®認定者/ファイナンシャル・プランナー

あきFP/CFP®認定者・ファイナンシャルプランナー。製薬会社のMRを経て金融の仕事へ。暗号資産の税金と資産設計を中心に、相談の現場で実際に聞かれることを、初心者にも分かる言葉で整理してお届けしています。著書に『暗号資産の持ち方 守りの教科書』『暗号資産の税金 守りの教科書』ほか(著書一覧)。

あきFPをフォローする

これから暗号資産を始めるなら|OKJ

世界最大級のOKGroupが運営する国内の暗号資産交換業者「OKJ」(登録番号:関東財務局長 第00020号)。口座開設から取引までスマホで完結し、24時間365日の入出金・入出庫に対応。ステーキングなどの収益サービスや、100%コールドウォレット管理によるセキュリティが特長です。

OKJ
マーケット速報マクロ・金融政策朝のマーケット
シェアする
あきFPをフォローする
タイトルとURLをコピーしました