【10月24日】ビットコイン週間まとめ|ETFに資金は戻ったのにBTCは3週続落|来週はFOMC・日銀・PCE

ウィークリーまとめ

結論

「ETFにお金が戻ってきたと聞いたのに、なぜ値段は下がっているんですか」。今週、相談の場でいちばん多く聞かれたのがこれでした。たしかに米国のビットコイン現物ETFは、月曜から金曜までの5営業日を合算すると約3億ドルの純流入です。前週は2億2,840万ドルの流出でしたから、符号が反転しています。それでも価格は下げました。

今週わかったことを先に書きます。

  • ビットコインは24日18時台(日本時間)で8万541ドル。直近7日間で1.2%安となり、週ベースでは3週続けてのマイナスです。
  • イーサリアムは2,364ドルで7日間2.9%安。30日間では10.5%安と、ビットコインより明確に弱い状態が続いています。
  • ETFの資金は戻ったのに価格が下がった。この差を埋めているのは、現物の買いではなくデリバティブの縮小です。未決済建玉は1週間で17.8%減りました。
  • 日本の9月の全国コアCPIは前年同月比2.1%。9か月ぶりに2%台へ戻りました。
  • 来週はFOMC、ECB、日銀の決定が3日間に並びます。

資金は戻った。それでも価格は下げた

まず数字を並べます。ファーサイド・インベスターズが集計している米国のビットコイン現物ETFの日次純流出入は、今週こうでした。

10月19日(月) +5億2,670万ドル
10月20日(火) +2,320万ドル
10月21日(水) +5億2,480万ドル
10月22日(木) △6億3,560万ドル
10月23日(金) △1億3,790万ドル

合計すると約3億120万ドルの純流入(筆者が5営業日を合算)。前週の10月12日〜16日は2億2,840万ドルの流出でしたから、たしかに資金は戻っています。ただ中身は荒い。22日の6億3,560万ドルの流出は、6月25日以来の大きさでした。入る日と出る日の振れ幅が、週の合計額より大きいのです。

イーサリアムのほうはもっとはっきりしています。19日から22日までの4営業日で2億2,510万ドルの流出(23日分は本稿執筆時点で未集計)。ETHは資金も価格も戻っていません。ビットコインのドミナンスは60.14%と、1週間前の59.89%から上がりました。相場全体が弱いときに資金がビットコインへ寄る、よく見る形です。

では、なぜ流入が戻ったのに価格が下がったのか。正直なところ、一つの理由で説明しきれるとは思っていません。ただ、ETFの純流入はあくまで「ETFという器に入った金額」であって、市場全体の需給の一部でしかない、という当たり前のことは押さえておきたいところです。ETFの残高は現在1,077億ドル。1週間前の1,078億ドルとほぼ変わっていません。3億ドルの流入は、この規模に対しては0.3%程度の話です。

今週いちばん大きく動いたのは、価格ではなく建玉だった

価格の1.2%安より、筆者が気になったのはこちらです。暗号資産デリバティブの未決済建玉(オープンインタレスト)は3,295億ドルまで減り、1週間で17.8%、30日間では26.6%縮みました。年間で見ても低い水準です。現物の出来高も1週間で39.1%減、デリバティブの出来高も32.3%減。市場からレバレッジと参加者の両方が抜けています。

この1週間のビットコインの強制清算は5億1,600万ドル。価格が一方向に大きく動いたわけではないのに、ポジションは着実に整理されています。

これをどう読むか。強気に読むなら、過熱したレバレッジが落ち、崩れにくい土台ができたということです。弱気に読むなら、買いの主体が薄くなり、少額の売りでも値が飛びやすくなったということ。どちらも成り立ちます。恐怖・強欲指数は45で「中立」、1週間前の48からわずかに低下しました。市場も判断を保留している、というのが実感に近い気がします。

こういう局面で相談を受けると、「何もしない」という選択肢を最初に置くようにしています。売買を増やすほど手数料とスプレッドが積み上がりますし、そもそも板が薄いときは不利な値で約定しやすい。取引所ごとのコスト差が効いてくる相場でもあるので、気になる方は暗号資産取引所の比較を一度見直しておいてもいいかもしれません。

日本の物価が9か月ぶりに2%台|10月23日の全国CPI

23日に総務省統計局が公表した9月の全国消費者物価指数は、総合が前年同月比2.1%、生鮮食品を除くコアが2.1%、生鮮食品およびエネルギーを除くコアコアが2.4%の上昇でした。コアが2%台に乗るのは9か月ぶりです。前月比(季節調整値)でも総合が0.4%、コアとコアコアが0.5%と、足元の加速が目立ちます。

株式市場のほうは荒れました。日経平均は20日に841円安、21日に545円高、22日にメタの決算をきっかけとしたAI投資への懸念から1,713円安、23日は214円安の6万2,693円で終えています。米10年債利回りは23日に4.99%と5%を割りました。金利が下がったのに暗号資産も株も下げる、という日があったのが今週の居心地の悪さです。

日銀については、ブルームバーグが10月21日に伝えたサーベイで、12月の追加利上げを見込む回答が8割超に拡大しました。10月会合は据え置きの見方が大勢です。円金利が上がる方向にあることは、円建てで暗号資産を持つ人にとって、無視できない背景だと思います。

制度とインフラ|ステーブルコイン最終規則とソラナの高速化

相場より、むしろ今週の本題はこちらかもしれません。

米通貨監督庁(OCC)が21日、GENIUS法に基づくステーブルコインの最終規則を公表しました。準備資産、償還、リスク管理、カストディ、発行者の監督までを定めるもので、施行は2027年1月18日です。報道によれば、関連会社や第三者経由での利回り支払いを一律に違反とみなす推定規定は削除され、個別の事実関係で判断する形に変わりました。一方、発行者による保有だけを理由とした利回り支払いの禁止は維持されています。マネロン・制裁関連は財務省の別途の規則制定に委ねられました。

同じ21日、ソラナの新しいコンセンサス「Alpenglow」がメインネットで稼働しました。取引確定までの時間を従来の約12.8秒から約0.15秒へ短縮することを目指すものです。今回有効化されたのは投票の仕組みで、データ配信部分の導入時期は未定。手数料や取引の挙動は変わりません。

日本側では、金融庁が19日に公表したオンチェーン金融フォーラムの議事録が引き続き重要です。この中身は給付金・国債・日銀当座預金が「オンチェーン」へで詳しく扱いました。

来週の日程|FOMC・ECB・日銀が3日に集中する

来週は中央銀行が並びます。

  • 10月27〜28日 FOMC。結果発表は日本時間29日午前3時、ウォーシュ議長の会見が同3時30分。政策金利は3.75〜4.00%で据え置きの見方が9割超。今回は経済見通しとドットチャートの公表がありません。
  • 10月28〜29日 ECB理事会。結果は日本時間29日22時15分。欧州が25日に冬時間へ移るため、いつもより1時間遅れます。
  • 10月29〜30日 日銀金融政策決定会合。据え置きの公算が大きく、展望レポートと植田総裁の会見が焦点です。
  • このほか米7-9月期GDP速報値、9月のPCE価格指数、英予算案。28日にマイクロソフトとアルファベット、29日にアマゾンの決算。

もう一つ、11月に効いてくる話を。MSCIが決めた「非事業会社」の指数除外ルールは11月30日から適用され、対象企業の最終リストは11月11日に公表される予定です。ビットコインを大量に保有する上場企業が指数から外れる可能性があり、JPモルガンはストラテジー1社で最大28億ドルの資金流出になりうると試算しています。これは株式の需給の話であって、企業が持つビットコインそのものが売られると決まったわけではありません。ただ、株価経由で暗号資産のセンチメントに波及する経路は、頭に入れておいていいと思います。

よくある誤解

「ETFに資金が入れば価格は上がる」。今週がそうでなかったように、ETFの純流入は需給の一部にすぎません。今週の3億ドルは、ETF残高1,077億ドルに対して0.3%程度。デリバティブ側で3,295億ドルの建玉が動いている市場で、ETFの日次フローだけを見て方向を決めるのは無理があります。

「含み損だから今年は申告がいらない」。年内に一度も売っていない、交換もしていない、決済にも使っていない——そこまで揃えば、たしかに課税のタイミングは来ません。ただ、暗号資産どうしの交換やステーキング報酬の受け取りなど、売っていなくても所得が認識される場面があります。この点は売っていないのに課税される暗号資産の場面で国税庁FAQの原文に当たって整理しました。年内にできる損益の調整を考えるなら、暗号資産の税金の基本も先に確認しておきたいところです。

「もうすぐ20%の分離課税になるから、売るのは待てばいい」。税率だけを理由に売買のタイミングを決めるのは、相場の変動に比べて割に合わないことが多い、というのが率直な感想です。いつの取引からどう扱われるのかは、暗号資産の分離課税で整理しています。少なくとも今年分の所得は、現行の取り扱いで計算することになります。

まとめ

資金は戻った。レバレッジは抜けた。価格は3週続けて下げた。この3つが同時に起きたのが今週です。相反しているようで、たぶん矛盾はしていません。器に入る金額が増えても、器の外で縮んでいる量のほうが大きければ、値は下がります。

来週はFOMCと日銀が並びます。どちらも据え置きが本命で、サプライズが出るとすれば声明文の表現や投票行動、そして展望レポートの物価見通しでしょう。ただ、正直なところ、来週の相場がどちらに振れるかは筆者にもわかりません。わかるのは、建玉が薄くなった市場はイベントに対して過剰に動きやすい、ということくらいです。

相場を見る時間が取れない方ほど、来週は距離を置いておく、という選択が効くかもしれません。

情報の出典(2026年10月24日確認)

なお、ETFの週間合計、および前週との比較は、上記の日次データを筆者が合算したものです。集計元の確定値と差が出る場合があります。

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の暗号資産や金融商品の売買を推奨するものではありません。相場観や見通しは執筆時点の情報に基づく筆者の整理であり、将来の結果を保証するものではありません。暗号資産は価格変動が大きく、元本を割り込む可能性があります。税制・各社のサービス内容は変更される場合がありますので、最終的な情報は国税庁および各社の公式サイトでご確認ください。個別の税務判断については税理士に、投資判断についてはご自身の責任においてご検討ください。

この記事を書いた人
CFP®認定者/ファイナンシャル・プランナー

あきFP/CFP®認定者・ファイナンシャルプランナー。製薬会社のMRを経て金融の仕事へ。暗号資産の税金と資産設計を中心に、相談の現場で実際に聞かれることを、初心者にも分かる言葉で整理してお届けしています。著書に『暗号資産の持ち方 守りの教科書』『暗号資産の税金 守りの教科書』ほか(著書一覧)。

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