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損益の計算が終わって、金額は出た。でも、確定申告書のどこに入れればいいのか分からない。毎年2月になると、この質問がいちばん多くなります。
暗号資産の利益は、ふだん見慣れた「給与」や「配当」の欄には入りません。雑所得という、少し分かりにくい場所に入ります。入力そのものは数字を2つ入れるだけなので、場所さえ分かれば5分で終わります。この記事では、国税庁の確定申告書等作成コーナーで、どの画面を通ってどの欄に何を入れるかを順番に追いました。
先に結論
- 暗号資産は雑所得の「その他」。種目は「暗号資産」を選びます
- 入れる数字は収入金額と必要経費の2つだけです
- 損益の計算書を添付する必要はありません。ただし手元には残します
- 勤務先に知られたくなければ、第二表の住民税の欄で「自分で納付」を選びます
入力の前に用意するもの
画面を開く前に、次のものを手元に置いてください。途中で探しに行くと、入力中のデータが消えることがあります。
- 年間の実現損益の金額(計算ツールまたは国税庁の計算書で出したもの)
- 使っている取引所の商号と所在地
- 会社員の方は源泉徴収票
- マイナンバーカード、またはID・パスワード方式の利用者識別番号
実現損益の出し方は、損益計算ツールの使い方にまとめました。
画面の流れ
作成コーナーに入ってから、雑所得の入力画面にたどり着くまでの道のりです。
1. 作成開始を押す。国税庁のサイトから確定申告書等作成コーナーに入り、申告する年分を選びます。2026年分であれば「令和8年分」です。
2. 所得税を選ぶ。作成する書類の種類を聞かれるので、所得税の申告書を選びます。
3. 申告する所得にチェックを入れる。会社員の方なら「給与」にチェック。あわせて、その他の収入の欄にある「雑(業務・その他)」にもチェックを入れます。ここを入れ忘れると、あとの画面に雑所得の入力欄が出てきません。
4. 雑所得の入力に進む。収入・所得の入力画面に「雑所得(業務)、雑所得(その他)」という項目があるので、その「入力する」を押します。表示された画面で「+雑所得を入力する」を押すと、入力欄が開きます。
入力欄ごとに、何を入れるか
開いた画面に並ぶ項目を、上から順に見ていきます。
種目
プルダウンから「暗号資産」を選びます。
業務に該当しますか
原則として「該当しない」を選びます。ここでいう業務とは、副業として継続的・反復的に行っている事業的なものを指します。個人が投資として売買しているだけなら該当しません。
収入金額
年間の実現損益を入れます。売った総額ではありません。ここを間違える方がときどきいます。計算ツールのサマリーに出てくる実現損益は、すでに取得原価と売買手数料を差し引いたあとの金額です。
必要経費
実現損益の計算に含まれていない経費だけを入れます。取得原価や取引手数料はすでに引かれているので、ここに重ねて入れないでください。入れるとしたら、取引のために使った通信費や書籍代、計算ツールの利用料といったものです。どこまでが経費になるかは事情によるので、迷ったら税務署か税理士に確認してください。
源泉徴収税額
暗号資産の売買では源泉徴収されないので、0円です。
所得の生ずる場所
取引所の所在地を入れます。各社の会社概要ページに載っています。
報酬などの支払者の氏名・名称
取引所の商号を入れます。
取引所を複数使っている場合
暗号資産の損益は、取引所をまたいで合算して計算します。ですから入力も1件にまとめます。収入金額には全取引所を合算した実現損益を入れ、支払者の欄にはメインで使っている取引所の商号に「ほか」を付けておけば足ります。
取引所ごとに行を分けて入力すると、合算前の数字が並ぶことになって、かえって分かりにくくなります。
住民税の欄を忘れずに
入力が進むと、住民税に関する事項を聞かれる画面が出てきます。給与以外の所得にかかる住民税の徴収方法を選ぶ欄があるので、ここで「自分で納付」を選んでおくと、給与からの天引きではなく自宅に納付書が届きます。
勤務先は給与天引きの金額から社員の住民税額を把握できる立場にあるので、ここを選んでおくかどうかで見え方が変わります。ただし副業そのものが認められるかどうかは勤務先の就業規則の話なので、そこは別に確認しておいてください。
計算書は添付しない。でも捨てない
国税庁は、暗号資産の計算書を確定申告書に添付して提出する必要はない、としています。作成コーナーでも添付を求められません。
ただし、提出しないことと保存しなくていいことは別です。計算の根拠になった取引履歴と計算書は、手元に残しておいてください。あとから問い合わせを受けたときに出せるかどうかで、話の長さがまったく変わります。
送信して終わり
あとは画面の指示どおりに進めば、納める税額が表示されます。e-Taxで送信するなら、マイナンバーカード方式かID・パスワード方式のどちらかです。スマートフォンがあればマイナンバーカード方式がいちばん早く、カードを読み取って送信すれば完了します。
2026年分の申告期間は、2027年2月16日(火)から3月15日(月)までです。納付も同じ期限なので、送信して安心して忘れる、ということのないように。
画面は毎年少しずつ変わります
ここまで書いた画面の流れは、直近に公開されている作成コーナーにもとづいています。2026年分の画面は2027年1月に公開されるので、項目の並びや文言が多少変わる可能性があります。大きな流れが変わることはまずありませんが、実際に入力するときは画面の表示に従ってください。
よくある質問
利益が20万円以下なら、入力しなくていいですか
会社員で年末調整を受けていて、給与以外の所得の合計が20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要です。ただし住民税にはこの例外がないので、お住まいの市区町村への申告は別に必要になります。詳しくは基本ガイドに書きました。
損失だった年も入力しますか
暗号資産の損失は翌年に繰り越せず、給与所得とも相殺できません。暗号資産だけで損失が出た年は、その損失のために申告する意味はありません。他に申告すべき所得があるなら、暗号資産の欄は空欄のまま進めて構いません。
海外の取引所の分も同じ欄に入れますか
同じ欄に合算して入れます。日本の居住者であれば、取引した場所が国内か海外かで申告義務は変わりません。支払者の欄は、国内取引所の商号に「ほか」を付けておけば足ります。
間違えて送信してしまいました
申告期限内であれば、もう一度作成して送信し直せます。最後に送信したものが有効な申告として扱われます。期限を過ぎてから気づいた場合は、修正申告か更正の請求という手続きになるので、税務署に相談してください。
免責
本記事は2026年10月時点の公開情報にもとづく一般的な解説です。税制・各社のサービス内容・料金は変更されることがあります。個別の税務判断、取得価額の計算方法の選択、申告の要否については、必ず税理士または所轄の税務署にご確認ください。本記事の情報に基づく判断および行動の結果について、当サイトおよび筆者は責任を負いかねます。
暗号資産の税金・確定申告ガイド
この記事は個別の論点を扱ったものです。全体像から確認したい方は、まず基本ガイドをどうぞ。


