【10月27日朝】BTC8万ドル割れ、米株高でも戻らず FOMCは明朝3時

マーケット速報

おはようございます。あきFPです。昨日の朝は「8万ドル死守」と書きましたが、その8万ドルを割ったまま朝を迎えました。しかも昨夜の米株は上がっています。この食い違いが今日のいちばんの論点です。

主要マーケット動向

ビットコインは79,986ドル。24時間-0.36%、7日-2.35%、30日-4.89%(10月27日6時55分時点、CoinMarketCap)。24時間の安値は79,332ドル、高値は80,825ドルで、8万ドルをはさんで張り付いています。昨日の朝は8万ドル台をなんとか保っていましたが、そのまま戻せていません。9月以来の安値圏です。

イーサリアムは2,309ドル。24時間-1.03%、7日-3.68%、30日で-13.93%。BTCの-4.89%と比べると1か月の落ち方がかなり違います。アルトコインシーズン指数も51(1か月前62)で、資金はどこにも向かっていません。

市場全体の時価総額は2.68兆ドル(24時間-0.20%、30日-7.16%)。BTCドミナンス60.02%、ETH 10.53%。Fear & Greed指数は44の「Neutral」(前日43、1週間前49、1か月前は73の「Greed」)。1か月で30ポイント近く落ちた割に「極度の恐怖」には届いていません。パニックではなく熱が抜けている局面です。

前夜の米国市場は、ナスダック26,169.38(+0.82%)、S&P500が7,676.80(+0.70%)、ダウ52,361.52(+0.28%)。10年債利回りは4.98%でほぼ横ばい。WTI原油は101.40ドル(-1.78%)、ブレント115.20ドル(-1.34%)。ドル円は一時156円台をつけたあと157円台半ばに戻しました。

株高、金利横ばい、原油安。教科書的には暗号資産に追い風が吹く組み合わせです。それでBTCが下げている。ここが気持ち悪いところです。

重要ヘッドライン

  • AnthropicがIPOを申請、ナスダックに「ANT」で上場予定…米SECへのS-1提出が26日に明らかになり、AI関連株の買い戻しとあわせてナスダックとS&P500を押し上げました(CNBC)。
  • 米現物BTC ETFは22日に6.36億ドル、23日に1.38億ドルの流出…合計7.74億ドル(22日はIBITが2.54億、FBTCが2.18億)。ただ19〜21日に10.7億ドル入っていたため5営業日のネットは+3.01億ドル。累計純流入は約572.5億ドルが残っています。
  • 30日にデリビットで約111億ドルのBTCオプションが満期…未決済の約34.6%にあたり、プットコール比0.56、マックスペインは78,000ドル。最大の建玉は95,000ドルのコール約25,031BTCで、このままなら価値ゼロで消えます。
  • GMOが政府に「能動的サイバー防御」の発動を要請…FX自動売買用VPS「お名前.comデスクトップクラウド」への不正アクセスで利用者の取引口座が操作された事案で、10月1日に始まった制度の第1号を求める異例の要請です。攻撃側が100万ドル(約1.6億円)を27日正午までに要求していると各局が報じています。暗号資産の話ではありませんが、「口座を乗っ取られる」国内事例として記録しておく価値はあると思います。
  • 自己管理ウォレットの事故が2件…Polkadot系Fearless Walletの拡張機能が2025年2月から秘密鍵を流出(8人・計17,286DOTの不正送金報告)。Electrumも4.8.3より前に深刻な脆弱性が公表されました。

テーマ深掘り:株は上がったのにBTCは戻らない──利上げサイクル下の「置いていかれ方」

先週はAI関連株の決算への反応が鈍くリスクオフになり、円とスイスフランが買われました。昨夜はその巻き戻しで、AI株が買い戻され、AnthropicのIPO申請も材料になってナスダックが0.8%上昇。リスク選好は戻っている。なのにBTCは8万ドルを回復できていない。理由を3つ挙げます。

1つめ。金利の前提が「下がる」から「まだ上がる」に変わったこと。 Fedは9月16日に全員一致で25bp引き上げ、政策金利は3.75〜4.00%。9月CPIは前年比3.7%(8月3.4%)、コアも2.6%(同2.4%)と再加速し、ドットプロットは2026年末・2027年末の中心を4.1%に引き上げました。今週は据え置き観測が9割で利上げ確率は1割弱。ただロイター調査(10月16〜20日)では100人中94人が10月据え置き、100人全員が12月の引き上げを予想。アトランタ連銀の織り込みトラッカーも86.86%(10月23日時点)ですが、これは12月16日起点の3か月物SOFRオプション由来で、会合単体の確率ではありません。「12月利上げは全員予想」という構図は先週から変わっていません。

2つめ。ETFという蛇口の向き。 10月のフローは出入りが激しく、週単位ではプラスでも残高は1か月で1,112億ドルから1,077億ドルに減りました。ETF経由の新規買いが価格を押し上げる局面は、いったん止まっています。先週末のまとめで「ETFに資金は戻ったのにBTCは3週続落」と書いた状態が続いています。

3つめ。レバレッジの残骸。 デリバティブ建玉(OI)は3,445億ドルで24時間+3.05%、7日-8.02%。ファンディングレートの平均は+0.0055%でプラス圏に戻り、BTCの24時間清算額は4,914万ドル(前日比+210%)。前日比では跳ねていますが絶対額は小さい。つまり今の下げは投げ売りではありません。売りが襲ってきているのではなく、買い直す人がいない。だから戻らない。CryptoQuantのDarkfost氏は、Binanceへの個人の30日入金額が半年ぶり高水準の107.5億ドル(1か月前55億ドル)に増えた一方、クジラの入金は59億ドルから38億ドルへ減ったと指摘しています。個人が降りて大口は動いていない、という読み方ができます。ただ入金は売却の証明ではありません。

CFP認定者として相談を受ける立場から一つ。「株が上がったのにBTCが上がらないのはおかしいのでは」という質問を、この1週間で何度か受けました。おかしくはありません。株とBTCはどちらも「リスク資産」とひとまとめにされがちですが、株には企業の利益成長という独自のエンジンがあります。金利が高くても利益が伸びるなら買う理由が立つ。BTCにはそのエンジンがなく、基本的に流動性と期待だけで動きます。だから利上げサイクルの終盤では差が露骨に出る。連動が切れること自体は異常ではなく、仕様に近いのです。

では、どちらが先に折れるのか。正直わかりません。株が「AI投資は過剰だった」と判断すればBTCも沈むでしょうし、Fedが12月に動いて打ち止め感が出れば、置いていかれたBTCのほうが戻りが速い展開もありえます。どちらかに賭ける必要はないと思っています。こういう局面で効くのは「いつ見直すか」を先に決めておくこと。価格を見てから考えると、たいてい下がった日に減らして上がった日に増やすことになります。

識者の見方:強気・弱気の両論

強気側。 BTSEのCOO、Jeff Mei氏は「今週Fedが金利を変えることはおそらくない。見ているのは議長が12月の引き上げをどれくらい強く示唆するかだ」と述べています。12月が織り込み済みなら、会合を通過した時点で不透明感が一つ減るという整理です。大口が売り急いでいる形跡がないこと、ETFの累計純流入572.5億ドルの大半が残っていることも根拠になります。

弱気側。 テクニカルは素直に悪いです。土曜に50日移動平均を下抜け、それが抵抗に変わりました。RSIは40.94、MACDは-434.42。crypto.newsの整理では79,000ドルを日足で明確に割ると75,000ドル、次に70,000ドルが視野に入るとされ、マックスペイン78,000ドルも下方向の磁力として意識されます。Orbit Markets共同創業者のCaroline Mauron氏は「市場の焦点はFOMC、その次は米中間選挙だ」として、イベント通過までポジションを軽くする動きを指摘しています。

今後の注目イベント・指標

  • 10月27日(火)…米消費者信頼感指数(予想81.0、前回81.9)、耐久財受注、新築住宅販売、5年債入札。GMOへの身代金要求期限が正午と報じられています。
  • 10月28日(水)…FOMC結果発表(日本時間29日3時)、ウォーシュ議長会見は同3時30分。今回は経済見通しの更新なし。NZ準備銀行・カナダ中銀、マイクロソフトとアルファベットの決算も。
  • 10月29日(木)…9月PCEと7〜9月期GDP速報(日本時間21時30分)。8月PCEは前月比+0.3%、前年比3.4%。ECB理事会、アマゾン・インテル、ストラテジーの決算も。
  • 10月30日(金)…日銀決定会合の結果と展望レポート、植田総裁会見。据え置き予想が優勢ですが、年内の追加引き上げを示唆するかが焦点。同日に前述のオプション満期。
  • 11月3日(火)…米中間選挙。CLARITY法案の行方を左右するとの見方も。
  • 11月18日…今回会合の議事要旨。12月8〜9日…年内最後のFOMC。

まとめ

今朝のポイントは、8万ドルを割ったことよりも「米株が上がったのに割ったまま」という事実のほうだと思っています。売りに追われているわけではありません。清算額は小さく、ファンディングもプラス圏。ただ、買い直す人が出てこない。利上げが残っているあいだは、この状態がだらだら続く可能性はあります。

今週は29日未明にFOMCと議長会見、同日夜にPCEとGDP、30日に日銀と大型のオプション満期。材料が3日に集中しています。動いたときに慌てないよう、ポジションの大きさだけは今日のうちに確認しておいてください。方向を当てる話ではなく、間違えたときに耐えられるかという話です。

年内の損益が見えてくる時期でもあります。20万円ルールが使えないケースのほうも、余裕のあるときに目を通しておいてください。

本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が大きく、元本が保証されない資産です。投資判断はご自身のリスク許容度に照らして行ってください。

出典:CoinMarketCap/TheStreet/CryptoTicker/ITmedia/みんかぶFX

この記事を書いた人
CFP®認定者/ファイナンシャル・プランナー

あきFP/CFP®認定者・ファイナンシャルプランナー。製薬会社のMRを経て金融の仕事へ。暗号資産の税金と資産設計を中心に、相談の現場で実際に聞かれることを、初心者にも分かる言葉で整理してお届けしています。著書に『暗号資産の持ち方 守りの教科書』『暗号資産の税金 守りの教科書』ほか(著書一覧)。

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