【10月7日朝】S&P500最高値もBTC8万5千ドル、CFTCが規則で先手

【10月7日朝】S&P500最高値もBTC8万5千ドル、CFTCが規則で先手 マーケット速報

おはようございます。あきFPです。今朝のいちばん素直な絵は「米株は史上最高値、暗号資産は横ばい」。そしてその裏で、米国の暗号資産規制が議会ではなく規則の側から動き始めました。

主要マーケット動向

ビットコイン(BTC)は日本時間7日朝6時台で8万5,543ドル。24時間では0.5%安とほぼ動かず、1週間で2.5%高、30日で7.0%高。8万6千ドル手前の足踏みが、これで数日続いています。前日朝と水準はほとんど変わりません。

イーサリアム(ETH)は2,696ドル。24時間0.8%安、7日で0.7%高、30日で7.6%高。30日の伸びはBTCより大きいのですが、直近1週間はほぼ横ばいです。

対照的だったのが米国株です。6日のS&P500は7,818.93で0.58%高、史上最高値での引け。ダウは51,521.28ドル(+0.49%)、ナスダック総合は27,599.79(+0.45%)。前日はナスダックが最高値を更新していて、2日続けて別の指数が記録を塗り替えた形です(TheStreet)。

株高を支えたのは金利と原油の落ち着きです。米10年債利回りは5.275%へ3.6ベーシスポイント低下。とはいえ5.2%台という絶対水準は、ここ20年以上で見てもかなり高い。WTI原油は87.77ドルと1.86%安でした。

日経平均は6日に737.12円高の70,683.98円。3カ月ぶりの7万円台回復です(日本経済新聞)。ドル円は東京午後に158円台前半、NY時間にいったん158円を割り込んで、また戻すという往復でした。

市場全体の時価総額は2.91兆ドルで24時間0.5%減、30日では7.7%増。Fear & Greed指数は67の「Greed」。前日も67、1週間前が68、1カ月前は75でしたから、強気がゆっくり目減りしている格好です。BTCドミナンスは59.06%。オープンインタレストは3,795.8億ドルで7日では3.9%減、平均ファンディングレートは+0.0024%とほぼ中立。BTCの24時間清算額は2,052万ドルで前日比78%減です。投げも踏み上げも起きていない、静かな膠着と言っていいと思います。

重要ヘッドライン

  • CFTCがレバレッジ現物取引の連邦規則案を公表(5日)──「Regulation CTX」「Regulation CAM」の事前規則案告示。セリグ委員長がフォーダム大ロースクールのシンポジウムで発表しました。意見公募は60日間で、12月初旬までが期限です(The Block)。
  • SECとCFTCの共同解釈が「原則として有価証券でない」と整理──デジタルコモディティ・デジタルコレクティブル・デジタルツールの3分類を示し、BTC、ETH、XRP、ソラナ、ステラ、テゾスを例示。規則ではなく解釈です(CoinPost)。
  • 米財務省FinCENが監視系の規則案2本を撤回──ミキシングサービスの報告義務案と、非カストディアルウォレット関連の報告規則案。「正当な活動を妨げる懸念」が理由とされます(AML Intelligence)。
  • BTC現物ETFの純流入は6日でわずか780万ドル──5日は8,980万ドルの純流出、2日は1億8,990万ドルの純流入。符号が日替わりで、トレンドと呼べる流れがありません(Farside Investors)。残高はBTC現物ETFが1,112.8億ドル、ETH現物ETFが146.4億ドル。
  • ストラテジーが334BTCを追加、保有は84万8,000BTC──約2,870万ドル分。流通供給のおよそ4%ですが、買い付けのペース自体はかなり落ちています(TFTC)。
  • 国内の暗号資産現物取引高、8月は7,644億円──2カ月ぶりの増加。国内は海外の値動きに素直に連動しており、独自の盛り上がりがあるわけではありません。

テーマ深掘り:議会が止まり、規則が先に動き出した米国の暗号資産規制

今日いちばん腰を据えて見ておきたいのは、CFTCの規則案です。市場価格には即座に効きませんが、効き始めると長く効きます。

背景はシンプルで、法律が通らなかったから、です。包括的な市場構造法「CLARITY法案」は9月に上院を通過できませんでした。そこでCFTCが、自前の権限で届く範囲を規則で埋めに来た。それが5日の発表です。

骨格は3段のはしごです。第1段は現物のみを扱う取引所で、ここは引き続き州の資金移動業法の世界。第2段が証拠金・レバレッジ・融資を伴う個人向け取引で、ここに新しいRegulation CTXとCAMがかかる。第3段が無期限先物などデリバティブで、従来からCFTCの管轄です。

中身で目を引いたのは3点です。ひとつ、レバレッジ付きの個人取引を登録先物業者(FCM)経由に通し、顧客資産の分別管理を義務づける。ふたつ、オムニバス口座に準備金証明を課す。みっつ、商品先物法上の「現実の引き渡し」の定義を、利用者自身の非カストディアルウォレットへの移転へ読み替える。3つめは地味に見えて実務的には大きい。これまで28日以内の処理で引き渡しとみなせた運用に、線を引き直すことになります。上場基準も、トークンの分配状況・ロックアップ・ベスティングを見て相場操縦に弱い銘柄をふるう方向が示されました(Genfinity)。

同時に出たSEC・CFTCの共同解釈も方向は同じで、BTCやETH、XRPなどを「原則として有価証券に当たらない」と整理しました。長年の論争に行政側が一応の答えを置いた、という意味では節目でしょう。

ただ、ここで一歩引いておきたい。今回出たのは規則案と解釈であって、法律ではありません。セリグ委員長自身が「すべての取引所に登録を義務づけられるのは議会だけだ」と述べています。規則は委員構成が変われば巻き戻せますし、解釈はもっと簡単に変わる。「これで米国の規制は固まった」という読み方は、たぶん早すぎます。

CFP認定者として相談を受ける立場から付け足すと、「規制が整ったなら安心ですよね」という質問は本当によく来ます。そのときお伝えしているのは、整ったのは事業者が守るルールの輪郭であって、価格の下振れリスクが減ったわけではない、という切り分けです。日本の個人投資家の生活設計に直接効くのは、米国の規則よりも国内の税制と金商法移行のほうでしょう。

先日取り上げたトークン化株式の24時間取引も、結局は「既存の制度のどこに載せるか」という同じ問いの別の現れ方です。

識者の見方:強気・弱気の両論

強気側の読みはこうです。レバレッジ取引の受け皿が連邦レベルで整えば、オフショアに出ていた取引が米国に戻る。FCM経由の分別管理と準備金証明は、FTX以降に失われた信頼を制度で埋める作業にあたる。機関投資家が内部のコンプライアンス審査を通しやすくなり、参入障壁が実務レベルで下がる。BTC現物ETFの残高が1,100億ドル台で維持されているのは、機関側の土台が崩れていない証拠だ──と。

弱気側は、効果の範囲を疑います。今回の規則案は現物取引そのものには及ばず、州法のパッチワークは残る。意見公募は60日、最終規則化まではさらに時間がかかる。そして何より、いまの相場を決めているのは規制ではなく金利だ、という指摘。10年債5.275%、12月の追加利上げ確率が7割超という環境で、無利息の資産に資金を厚く振る理由を作るのは難しい。オープンインタレストが7日間で3.9%減っているのも、積極的にリスクを取る気分ではないことの表れだと見ます。

正直なところ、どちらが当たるかは私にもわかりません。ただ、時間軸が違う議論だという点は意識しておきたい。強気側は年単位の制度の話、弱気側は数カ月の金利の話をしています。両方同時に正しい、という結末はあり得ます。

今後の注目イベント・指標

  • 10月8日 午前3:00(日本時間)|FOMC議事要旨(9月15〜16日会合分)。この会合では政策金利が3.75〜4.00%へ25bp引き上げられ、採決は12対0の全員一致。ウォーシュ議長は「インフレは高すぎ、その状態が長すぎた」と述べています(CNBC)。その後コアPCEは3.0%へ鈍化、9月雇用統計も+2.9万人・失業率4.2%と下振れており、要旨のタカ派色がどの程度かが今夜の焦点です。
  • 10月14日 21:30|米9月CPI・コアCPI。今月最大の指標。
  • 10月15日 21:30|米9月PPI、小売売上高。
  • 10月27〜28日|FOMC(結果公表は29日午前3:00)。10月の利上げ確率は18%前後、12月9日会合は7〜8割の織り込みです(DeFi Rate)。
  • 10月29〜30日|日銀金融政策決定会合。展望レポート発表回。ドル円158円台での開催になります。
  • 12月上旬|CFTCのRegulation CTX/CAM意見公募の締め切り。
  • 12月9日|FOMC。現時点では年内の追加利上げの本命とみられている回です。

まとめ

今朝の構図は、株が最高値まで走ったのに暗号資産は8万5千ドル台でじっと座っている、ということです。金利が少し下がって株が買われても、BTCにその風はほとんど届いていない。ETFのフローが日替わりで符号を変えているのを見ると、資金の側もまだ腰を決めていないのだろうと思います。

一方で今回の規制の動きは、相場の値動きとは別の時間軸で意味を持ちます。議会が止まったぶんを行政が規則で埋めに来た。前進ですが、法律より巻き戻しやすい前進でもある。見出しが「米国で規制が整った」と大きく出ていても、中身は規則案と解釈だという一行は覚えておいて損はありません。

もし今日やることを一つだけ選ぶなら、今夜のFOMC議事要旨をどう受け取るかの基準を、先に自分の中で決めておくことでしょうか。タカ派ならどうする、ハト派ならどうする。事前に決めておくだけで、深夜に慌てて判断する回数は減ります。ビットコインの基本的な性質から確認したい方は、こちらの解説も合わせてどうぞ。それでは、今日もよい一日を。

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