【10月7日夕】日経7万円台で失速、BTC8万3千ドル台へ|原油101ドルと長期金利5.3%の重し

【10月7日夕】日経7万円台で失速、BTC8万3千ドル台へ|原油101ドルと長期金利5.3%の重し マーケット速報

夕方の相談枠で、「株は最高値を更新しているのに、うちのビットコインだけ下がっているのはなぜですか」と聞かれました。もっともな疑問です。ただ今日に関していえば、答えは株式市場の中ではなく、債券と原油の側にあります。

アジア市場:日経平均は7万円台で失速

7日の東京市場は、日経平均株価が前日比0.9%安の7万円台前半で引けました。6日に7月以来はじめて7万円の大台を回復したばかりで、素直な利益確定売りが出た、という整理になります(Trading Economics)。香港ハンセン指数も0.5%ほど下げ、アジア全体として「下げたというより、上げ疲れた」一日でした。

崩れたわけではありません。日経平均は月間で7%台、年間では4割超の上昇幅を保っています。問題は、その上昇を支えてきた前提のほうです。

暗号資産:BTCは8万3千ドル台、ETHは2,600ドル割れ

ビットコインは日本時間7日夕方の時点で約8万3,700ドル、24時間で2.7%安です。今朝の時点では8万5,500ドルでしたから、日中だけで2,000ドル近く削られた計算になります。火曜の海外時間には8万6,600ドル台から8万4,000ドル割れまで一気に落ちており、その流れが日中も止まらなかった形です。

イーサリアムは約2,594ドルで4.3%安。ビットコインより下げが大きいのは、ここ数日のETF資金フローの差がそのまま出ているのだと思います。ビットコイン・ドミナンスは59.1%まで戻っており、資金が相対的にBTCへ寄っています。

市場全体の時価総額は約2.85兆ドル(24時間で2.7%減)。Fear & Greed指数は62で「Greed(強欲)」ですが、1週間前の67からはじわじわ下がっています。ビットコインの基本的な性質が変わったわけではなく、評価のされ方が変わっている局面です。

テーマ深掘り:原油101ドルと長期金利5.3%が、暗号資産に効く経路

今日の下げを「暗号資産固有の悪材料」で説明しようとすると、たぶん失敗します。素直に見れば、原因は二つの数字です。

ひとつはブレント原油。7日時点で1バレル101.9ドル、前日比1.3%高で、100ドルの大台に腰を据えてしまいました。年間では5割以上の上昇です。背景はホルムズ海峡でのタンカーへの攻撃で、英国海事貿易機関(UKMTO)は今月すでに9件の事案を報告しています(Trading Economics)。

もうひとつは米10年債利回り。7日は5.32%前後で、24年ぶりの高水準圏にあります。この1か月で0.5%以上、1年前からは1.2%も上がっています(Trading Economics)。10月5日の時点でも「24年ぶり高水準」と書いたのですが、そこからさらに上がってしまいました。

この二つがつながっています。原油が上がると、輸送費と燃料費を経由して物価全般を押し上げます。インフレが落ちないなら、FRBは金利を下げられない——いや、現実にはもう上げています。9月16日のFOMCで政策金利は3.75〜4.00%へ引き上げられました。2023年以来の利上げです(Trading Economics)。

長期金利が5.3%あるということは、「待っているだけで年5%強がもらえる選択肢」が目の前にある状態です。利息もキャッシュフローも生まない資産は、この環境では不利です。金も前日の4,180ドルから4,130ドル近辺へ調整しており、ビットコインだけが特殊な扱いを受けているわけではありません。

では米国株はなぜ最高値なのか。S&P500は7,818.93で4日続伸、年内24回目の高値更新です(Saxo Market Quick Take)。正直なところ、きれいに説明できる自信はありません。株と債券のどちらが間違っているのかは、後になってしか分からないでしょう。暗号資産はその中間で、今日は金利の側に引っ張られている——そう見えます。

そして今夜、その前提を確認する材料が出ます。日本時間8日午前3時(米東部時間7日14時)、9月16日会合のFOMC議事要旨が公表されます(FRB公式)。市場が読みたいのは、あの利上げが「確信をもった一手」だったのか、「保険」だったのかという点です。委員の何人が追加利上げに前向きだったか、エネルギー価格の上昇をどう評価したか。ここがタカ派寄りに読まれれば、10月28日の会合への見方が変わりかねません。

現時点の市場は、10月会合での据え置きを8割前後の確率で織り込んでいます。逆に言えば、2割は利上げを見ているということでもあります。過去1か月、この手の確率は何度も振れてきました。今夜の議事要旨ひとつで方向が決まる、とまでは思いません。

日中に出たニュース

米政府に紐づくウォレットから、約1億300万ドル相当の資産がコインベース・プライムなどへ移動しました。内訳はビットコイン833.6枚(約7,156万ドル)とBNB40,285枚(約3,163万ドル)。BTCはハッシュフレア詐欺事件の没収分と2016年のビットフィネックス事件由来、BNBはFTX・アラメダの押収分とされています(CoinMarketCap Community)。

「政府が売るのか」という話にすぐなりますが、現時点でどの連邦機関も売却を公表していません。移動は売却ではない、というのは原則として正しい指摘です。2025年3月の大統領令14233で設けられた戦略的ビットコイン準備では、最終没収が確定したBTCの売却は裁判所命令や被害者弁済などに限られています。一方でBNBのような非BTC資産は別枠の「デジタル資産備蓄」扱いで、財務長官の裁量が広い。両者を同じ目で見ないほうがいいと思います。政府関連アドレスの保有はなお32万4,000BTC前後と推定されており、需給の天井としては意識せざるを得ない規模です。

ETFの資金フローは分かれました。米国の現物ビットコインETFは火曜に1億1,900万ドルの流入で、月曜の9,000万ドル流出から切り返し。対してイーサリアムETFは2億200万ドルの流出で、流出は6営業日連続、合計約4億800万ドルに達しています(Cointelegraph)。今日のETHの弱さは、ここが効いています。

企業の動きでは、ロビンフッドが2,500万ドル相当のビットコインを自社バランスシートに計上しました。時価総額1,000億ドル近い会社ですから業績への影響はほぼなく、姿勢の表明という性格が強い発表です。ストラテジー(旧マイクロストラテジー)は9月28日〜10月4日に334BTCを平均8万5,838.80ドルで取得、保有は84万8,000BTCに。今の価格だと直近の買い増し分は含み損です。

制度面では、ロシア中央銀行が9月施行の新規制に基づく登録事業者の第一弾を公表しました。取引所4社、カストディアン5社で、ズベルバンクやVTBが名を連ねています。ただし財・サービスの支払いへの利用は引き続き禁止。「認めつつ囲い込む」設計で、日本の金商法移行やトークン化の議論とは目的が違う方向を向いています。

今夜の米国市場で見るところ

第一に、午前3時のFOMC議事要旨。第二に、原油。ホルムズ海峡の事案が続くか、サウジの東西パイプラインが日産580万バレルの能力を回復した効果が勝つか。第三に、価格の節目です。市場参加者が意識しているのは8万2,000ドルの支持線と8万7,500ドルの回復ラインで、ビットフィネックスのアナリストは「8万1,300ドルを継続的に下回り、かつETFから資金が抜ける状態」を警戒シナリオに挙げています。10月のレンジ観測は7万8,000〜9万5,000ドル。幅が広すぎて、使い物になりません。

なお、未決済建玉は4,133億ドルで24時間に8.4%増え、資金調達率もプラス圏です。下げ局面でレバレッジが増えるのは戻りを狙う買いが入っている証でもありますが、同時に下へ加速しやすい地合いでもあります。火曜には1時間で4億ドル超のロングが整理されました。

相談を受ける側から見て

CFP認定者・IFAとして相談を受けていて、この局面でいちばん多いのが「もう少し待てば下がりますか」という質問です。分かりません、と答えています。原油と中東情勢という、暗号資産の外側にある変数で動いている相場なので、チャートを眺めても答えは出てこない気がします。

そのうえで、二つだけ申し上げています。ひとつは、金利5.3%の世界では「待つこと」自体のコストが小さい、ということ。待機資金を債券や定期預金に置けば利息が付きます。急いで判断する必要は、以前より薄れています。

もうひとつは逆の話で、強気の側の論拠も一応は成立しているということ。取引所にあるBTCの比率は6.5%まで下がり、直近では24,073BTCが取引所から流出しました。売れる在庫が減っているという見方はできます。ETFの累計流入は578億ドルで、純資産は1,106億ドル——ビットコイン時価総額の6.5%に相当します。長い目で見れば、この買い手の層は数年前には存在しませんでした。

どちらにも筋が通っています。だからこそ比率の話に戻るのだと思います。資産全体の何%までなら、半値になっても生活設計が崩れないか。そこが決まっていれば、8万3,000ドルか8万7,000ドルかは大きな問題ではなくなります。決まっていない状態で金額を増やすのが、いちばん危ないパターンです。

情報の出典(2026年10月7日確認)

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の暗号資産や金融商品の取得・売却を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が大きく、元本が保証された商品ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。記載した価格・利回り・制度の内容は執筆時点(2026年10月7日)に確認できた情報に基づくもので、その後変更される可能性があります。個別の税務上の取り扱いについては税理士、個別の投資判断については有資格の専門家にご相談ください。

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