【6月22日朝】BTC1,036万円で下げ渋り 焦点は25日の米PCE

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週明けの暗号資産市場は、前週のFRB(米連邦準備制度理事会)タカ派転換で売られたビットコイン(BTC)が、流動性の薄い週末を底堅く乗り切り、1,000万円台を維持して2026年6月22日朝(日本時間)を迎えた。市場の関心は早くも、今週木曜(25日)に米国で発表される5月の個人消費支出(PCE)物価指数に移っている。ケビン・ワーシュ新議長率いるFRBがフォワードガイダンス(先行きの政策示唆)を撤廃した「データ次第」の局面で、今週最初の本格的なインフレ指標がどう出るかが、当面の方向感を左右する。本稿(朝刊)では、週末の値動きと、今週の重要イベントを日本の読者向けに整理する。

主要マーケット動向:BTCは1,036万円で下げ渋り、アルトに物色の動き

ビットコインは2026年6月21日午前9時時点(日本時間)で、国内集計の円建て価格が約1,036万6,000円(24時間で約+1.1%)と、前週の急落局面から下げ渋っている(みんかぶ暗号資産)。米ドル建てでは6万4,000ドル前後で、前週末に一時6万2,000ドル台前半まで売られた水準から小幅に切り返した(Yahoo FinanceCoinDesk)。週末は流動性が薄く値が振れやすいものの、前週にみられた一方的な売り圧力は和らいでいる。

イーサリアム(ETH)は約28万600円(同+1.6%)、リップル(XRP)は約185.6円(+1.1%)と、主要銘柄はそろって小幅高となった(みんかぶ暗号資産)。暗号資産全体の時価総額は約355兆円、ビットコインの占有率(ドミナンス)は58.44%だった(みんかぶ暗号資産)。

目を引くのはアルトコインの一部に資金が向かい始めた点だ。ソラナ(SOL)は24時間で約+4.8%と主要銘柄のなかで相対的に強く、ステラルーメン(XLM)は過去30日で約+50%、アクシーインフィニティ(AXS)は過去7日で約+21%上昇した(みんかぶ暗号資産)。ビットコインの上値が重いなかで、循環物色の色彩がうかがえる。ただし、いずれも値動きの荒い銘柄であり、短期の急騰は急落と表裏一体である点には注意が必要だ。

重要ヘッドライン

① 今週最大の関門は25日の米5月PCE——ワーシュFRBの「データ次第」を試す

今週、暗号資産を含むリスク資産にとって最大の注目イベントは、米東部時間6月25日(木)午前8時30分(日本時間同日21時30分)に米商務省経済分析局(BEA)が公表する5月分の個人所得・支出統計だ。ここに、FRBが最も重視するインフレ指標であるPCE物価指数が含まれる(BEA公表スケジュール)。

これは、6月17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)でFRBがタカ派姿勢を強めて以降、初めての本格的なインフレ指標となる。FOMCでは、公表された経済見通しで2026年末のPCEインフレ見通しが3.6%へと大きく引き上げられた(3月時点は2.7%)。利下げ観測がほぼ消え、政策金利の中央値(ドット)は年内利上げを織り込む内容に転じた(news.bitcoin.comDecrypt)。25日の実績がこの警戒を裏付けるのか、和らげるのかが焦点となる。

② ビットコイン現物ETF、流出は鈍化も方向感を欠く展開

機関投資家マネーの動向を映す米ビットコイン現物ETFは、5月中旬から6月初旬にかけての記録的な連続流出(13営業日で累計約43億〜44億ドル)が一服したのち、6月半ば以降は資金の出入りが交錯する展開となっている。調査会社ファーサイド・インベスターズの集計では、6月18日は約9,070万ドルの純流出で、その大半をブラックロックの「IBIT」が占めた(Farside Investors)。

一方、直近2週間では6月12日に約8,590万ドル、16日に約1,020万ドルの純流入を記録した日もあり、流出一辺倒の構図からは脱しつつある(Farside Investorsnews.bitcoin.com)。なお、上場来の累計純流入額はなお約534億ドルが残っている(Farside Investors)。資金が完全に逃げ出したわけではなく、流出ペースの鈍化が定着し、明確な再流入へ転じるかが当面の試金石となる。

③ 国内:金融庁が要望する「申告分離課税・暗号資産ETF」、適用は2028年めど

日本国内では、暗号資産の税制と商品設計をめぐる制度整備が中長期のテーマとして改めて注目されている。2025年12月に与党が公表した令和8年度税制改正大綱では、一定の要件を満たす暗号資産(特定暗号資産)の譲渡益について、現在の総合課税(最大55%)から、株式などと同じ20.315%の申告分離課税へ移行する方針が盛り込まれた。あわせて、投資信託法施行令の改正を前提に暗号資産ETFの組成を可能とし、その所得も申告分離課税の対象とする方向が示されている。適用は2028年1月をめどとされ、即時の市場材料ではないものの、米国に続き国内でも機関投資家や個人が暗号資産にアクセスしやすい制度的な土台が整いつつある(CoinDesk JAPAN長島・大野・常松法律事務所)。

④ 米「クラリティ法案」、上院審議は7月4日休会前の採決が焦点(前週からの継続)

米国の暗号資産市場構造を定める「クラリティ法案(CLARITY Act)」は、6月1日に上院の議事日程に登載され、本会議審議入りが可能な段階にある。7月4日の独立記念日休会前の採決を視野に、本会議通過に必要な60票の確保や委員会間の法案テキスト統合などが残る関門とされる(Latham & Watkins 政策トラッカーCoinDesk)。市場構造ルールの整備は中長期の追い風と目されるが、成立時期にはなお不透明感が残る。

テーマ深掘り:ワーシュFRBの「ノーガイダンス」相場と暗号資産の付き合い方

今回の相場局面を理解するうえで欠かせないのが、6月17日に就任後初のFOMCに臨んだワーシュ新議長の政策スタンスだ。FRBは政策金利を3.50〜3.75%に据え置いたが、注目されたのは金利水準そのものよりも、運営の「型」を大きく変えた点にある。

第一に、ドットチャート(政策当局者の金利見通し)が利下げから利上げへと反転した。18人の当局者のうち9人が年内に少なくとも1回の利上げを見込み、政策金利の中央値見通しは1四半期で3.4%から3.8%へと跳ね上がった(news.bitcoin.comtftc.io)。背景にはエネルギー価格の高止まりなどによるインフレ再燃への警戒がある。

第二に、ワーシュ議長はフォワードガイダンス(先行きの政策方針を事前に示す手法)を撤廃した。市場が「次の一手」を当局の発信から読み取る従来の手法が使えなくなり、今後はインフレや雇用の実績データへの感応度が高まる(Phemex Academy)。25日のPCEのような経済指標が、これまで以上に相場を動かしやすくなるということだ。

暗号資産にとって、金利の高止まりは一般に逆風だ。利息を生まないビットコインは、高金利下では債券など他の資産と比べ相対的な妙味が薄れやすい。実際、FOMC後にBTCは6万3,000ドル台へ下落した。もっとも、直近のサイクル安値(約5万9,400ドル)を1割ほど上回る水準を保っており、底堅さを示すとの見方もある(Decrypt)。今週はPCEという「答え合わせ」を控え、結果次第で値動きが大きくなりやすい。短期では指標前後のボラティリティ上昇を念頭に無理なレバレッジを避け、中長期では金利環境とETFフローという二つの潮流を冷静に見極めたい局面だ。

識者の見方:強気・弱気の両論

強気派は、ETFの記録的な連続流出が一服し、6月半ば以降に純流入の日が散発的に戻り始めた点を重視する。前週の急落でBTCの日足RSI(相対力指数)が一時20台前半まで低下した「売られ過ぎ」も、目先の売り圧力が一巡しつつある兆候と捉える。国内の申告分離課税・ETF制度の整備が進めば、中長期で新たな資金が入りやすくなるとの期待も根強い。

一方、弱気派は、FRBがインフレ警戒を強めるなかで利下げ観測が後退し、ドル高・高金利がリスク資産全般の重しになり続けると指摘する。ETFも明確な再流入には至っておらず、機関マネーの本格回帰には時間がかかるとの慎重論が多い。25日のPCEが市場予想を上回れば、利上げ観測が一段と強まり、再び下値を試す展開もあり得る。いずれの見方も、今週のインフレ指標が当面の分水嶺になるという点では一致している。

今後の注目イベント・指標

今週は25日(木)の米5月PCE物価指数が最大の山場となる(BEA)。あわせて、米ビットコイン現物ETFの日次資金フロー(Farside Investors)、FRB高官の発言、米長期金利とドル円の動向にも目配りしたい。国内では、暗号資産の申告分離課税・ETF制度化に向けた今後の法令整備の進捗が、中長期の論点となる。

まとめ

週明けのビットコインは1,036万円前後で下げ渋り、市場の関心は25日の米PCEへと移っている。ワーシュFRBがフォワードガイダンスを撤廃した「データ次第」の局面では、今週のインフレ指標が当面の方向感を左右する。ETFの流出鈍化やアルト物色など底堅さを示す材料がある一方、高金利環境は引き続き重し。指標発表を前に、過度なリスクを取らず冷静に見極めたい局面だ。

免責事項:本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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