【7月15日夕】改正金商法が成立、仮想通貨が「金融商品」に BTC1050万円台

【7月15日夕】改正金商法が成立、仮想通貨が「金融商品」に BTC1050万円台 Uncategorized

本日7月15日(水)夕、日本の暗号資産市場にとって歴史的な一日となった。暗号資産(仮想通貨)を初めて「金融商品」として位置づける改正金融商品取引法(金商法)が、参議院本会議で可決・成立したのだ。約8年越しといわれた業界の悲願がひとつの節目を迎え、申告分離課税20%程度への移行やインサイダー取引規制の導入、そして暗号資産ETF解禁への道筋が整った。市況もこれに呼応するように底堅く、ビットコイン(BTC)は1BTC=1,050万円台へと戻り歩調を強めている。本稿(夕刊)では、今朝お伝えした米CPI後の反発を踏まえつつ、当日午後に確定した「金商法成立」の中身と、日本発のオンチェーン金融の胎動を掘り下げる。

主要マーケット動向:BTCは1,050万円台を回復、円建てで全面高

日本時間7月15日夕方時点で、ビットコインは1BTC=約1,050万円(過去24時間比3〜4%高)で推移している。ドル建てでは日中に一時6万5,000ドル近辺まで上昇する場面があり、これは6月22日以来の高値水準となった(Yahoo!ファイナンス(ウエルスアドバイザー)KuCoin Market Report)。前夜の米6月CPIが予想を下回る鈍化を示し、早期利上げ観測が後退したことが引き続き支えとなっている。

主要アルトコインも円建てでそろって上昇した。CoinPostの相場データによると、7月15日夕時点でイーサリアム(ETH)は1ETH=約30万4,000円(同5%前後高)、XRPは約179円(同3.4%高)、ソラナ(SOL)は約1万2,600円(同3.6%高)、BNBは約9万4,000円(同1.7%高)で推移している(CoinPost)。朝方にETHが前日比6%超上昇したのに続き、リスク選好の戻りが日中も継続した格好だ。

もっとも、6万5,000ドル(およそ1,050万円)はこの数週間で上値抵抗として意識されてきた節目でもある。マーケットメイカーのウィンターミュートは、BTCが地政学リスク下でも6万2,000ドルを維持し、現物ETFへの資金フローも流入に転じたとしつつ、「トレンド回復には追加の材料が必要」と、戻りの持続性には慎重な見方を示している(CoinPost)。国内では制度整備という強い追い風が吹く一方、海外の需給には依然として重さも残る。

重要ヘッドライン

改正金商法が成立——暗号資産を初めて「金融商品」に位置づけ

暗号資産の取引規制を資金決済法から金商法の枠組みへ移す改正法が、7月15日の参議院本会議で可決・成立した。4月10日の閣議決定を経て衆議院を通過し、前日14日に参院財政金融委員会で可決されていた(CoinPost日本経済新聞NADA NEWS)。改正の核心は、これまで「支払い手段」とされてきた暗号資産を金融商品として初めて定義し直す点にある。暗号資産交換業者の名称は「暗号資産取引業者」へ改められ、無登録販売への拘禁刑の上限は現行3年以下から10年以下、罰金は300万円以下から1,000万円以下へと大幅に引き上げられる。

インサイダー規制と情報開示を新設、投資家保護を強化

改正法では、未公表の重要情報を用いた売買を禁じるインサイダー取引規制が暗号資産分野に初めて導入される。発行者の新規事業や上場・廃止といった情報を事前に知った関係者の取引を禁止し、証券取引等監視委員会(SESC)への犯則調査権限の付与と課徴金制度の整備が盛り込まれた。あわせて「特定暗号資産」の発行者には年1回の定期的な情報開示が義務づけられ、株式などと同様の市場ルールが整う(CoinPostBloomberg)。

税制は最高55%の総合課税から「申告分離課税20%程度」へ

税制面では、現行で最高55%が課される総合課税から、申告分離課税(税率20%程度)への移行と、損失の3年間繰越控除が盛り込まれた。対象は「特定暗号資産」として要件を満たすものに限られ、詳細は今後の制度設計で確定する。ただし税制変更は金商法改正の施行を条件とするため、施行が2027年度となる場合、課税ルールの適用は2028年1月1日からとなる見通しだ(CoinPost長島・大野・常松法律事務所)。

SBIがソラナ財団と戦略提携、日本発「オンチェーン金融」へ

制度整備と歩調を合わせるように、民間の動きも加速している。SBIホールディングスは7月13日、ソラナ財団との戦略的提携を発表した。ソラナ財団は合弁会社SBI R3 Japanに参画し、同社は「SBI Solana Global」へ商号を変更、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)とともに運営される。円建てステーブルコイン「JPYSC」の発行・流通支援や、社債・不動産などトークン化現実資産(RWA)の組成、クロスボーダー決済基盤の構築を掲げる(SBIホールディングスCoinDesk)。15日にはSBIグローバルアセットマネジメントらがJPYSC想定トークンで日本株ファンドの決済PoCを開始するなど、社会実装が具体化しつつある(CoinPost)。

テーマ深堀り:金商法成立は日本市場をどう変えるのか

今回の改正が持つ意味は、単なる「規制強化」にとどまらない。暗号資産を金融商品として法的に定義し直したことで、投資家保護の枠組みと、機関投資家が参入するための「土俵」が同時に整う点が本質だ。

第一に、税制のインパクトが大きい。総合課税で最高55%だった税率が申告分離課税の20%程度に下がり、損失の繰越控除も可能になれば、これまで税負担を理由に本格参入をためらってきた個人・法人の投資判断は変わり得る。株式・投資信託と同じ土俵で損益通算や税務処理ができるようになることは、資産形成の選択肢としての暗号資産の位置づけを大きく前進させる。

第二に、暗号資産ETFへの道筋だ。改正法はETFの組成を可能にする制度的枠組みも整備しており、日本取引所グループ(JPX)は2027年頃の上場を視野に入れているとされる。米国では現物ビットコインETFの承認が機関投資家参入の転機となった。信託・証券・銀行・保険といった伝統的金融機関が参入しやすくなれば、国内でも同様の構造変化が起きるとの期待は自然だ(CoinPost)。

ただし、実装までの道のりは平坦ではない。施行は公布から1年以内、税制変更は最短でも2028年からと、効果が表れるのは先の話だ。今後は政令・監督指針レベルの詳細設計が焦点となり、デリバティブのレバレッジ規制(現行2倍)の緩和幅やカストディ・AML/CFTの業者要件など、詰めるべき論点は多い。規制対応コストが中小取引所を圧迫し業界再編を促す懸念もある。「成立」はゴールではなく、制度を機能させる作業の出発点である。

識者の見方

強気派は、今回の法整備を中長期の構造変化の起点と捉える。税率引き下げとETF解禁の枠組みが、これまで様子見だった機関投資家マネーを呼び込む「制度的な受け皿」になるとの見立てだ。SBI・ソラナ提携や三メガバンクのオンチェーン金融戦略が相次いで表面化していることも、伝統的金融と暗号資産の融合が不可逆的に進む証左とされる。

一方の慎重派は、制度の効果が顕在化するまでの時間差を重く見る。施行は2027年度、税制変更は2028年からで、当面の相場を動かすのはあくまで米国の金融政策や需給だという指摘だ。実際、現物ビットコインETFは6月に過去最大級の資金流出を記録しており、機関投資家の慎重姿勢はなお残る。ウィンターミュートも戻りの持続性には条件が必要としており、「制度の追い風」と「海外需給の重さ」を切り分けて見る冷静さが求められる。

今後の注目イベント・指標

国内では、成立した改正金商法の公布時期と、施行に向けた政令・監督指針の設計動向が最大の焦点となる。あわせて、7月16日から開幕するアジア最大級のWeb3カンファレンス「WebX 2026」での議論や、SBIをはじめとするオンチェーン金融・ステーブルコイン関連の続報が材料視されそうだ。海外では、7月下旬に控える米FOMC(ウォーシュ議長にとって初の金利判断)と、審議が最終局面に入った米クラリティ法案の行方、現物ETFの資金フローが引き続き注目される。

まとめ

7月15日、暗号資産を「金融商品」と定める改正金商法が成立し、日本市場は制度面で大きな一歩を踏み出した。申告分離課税20%程度への移行、インサイダー規制、ETF解禁の道筋という三点が整った意義は大きい。もっとも効果が表れるのは2027〜2028年以降で、当面の相場は米金融政策と需給に左右される。市況ではBTCが1,050万円台を回復したが、上値の重さも残る。制度の追い風を冷静に評価し、過度な期待にも悲観にも傾かず見極めたい局面だ。

*本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。*

コメント

タイトルとURLをコピーしました