カルダノ(ADA)とは|エイダコインの仕組みとLeios・1年で69%下げた2026年10月の立ち位置をCFPが解説

アルトコイン

結論

「昔エイダコインを買って、そのまま置いてあります。もう見るのもつらいんですが、持っていていいんでしょうか」

カルダノについて相談の場でいちばん多いのは、将来性の話ではなくこの種の質問です。無理もありません。2026年10月25日時点の価格は1ADA=0.2035ドル。1年前から約69%、年初から約43%下げています。2021年9月2日の最高値3.10ドルと比べると93%下です。

先に答えを書きます。カルダノは「開発が止まったプロジェクト」ではありません。公式ニュースの更新は毎週出ていて、10月7日にはプログラマブルトークンの仕様がメインネットで稼働しました。拡張の本命とされるLeios(レイオス)もテストネットの段階まで来ています。いっぽうで、価格が1年で3分の1になった事実も動きません。開発の進捗と価格は、少なくともこの1年ほとんど連動していない。ここを混ぜると判断を誤ります。

カルダノとは何か──研究を先に置く設計

カルダノは2017年に稼働を始めたプルーフ・オブ・ステーク(PoS)のブロックチェーンです。創設者はチャールズ・ホスキンソン氏。イーサリアムの共同創設者の一人でもあります。名前は16世紀イタリアの数学者ジェロラモ・カルダーノから、通貨単位のADAは世界初のプログラマーとされるエイダ・ラブレスから取られました。日本では長く「エイダコイン」と呼ばれ、相談の場でも2017年から2018年ごろに買ったという方の口から出てきます。

特徴としてよく挙がるのが開発プロセスです。新しい仕組みを入れる前に学術論文として査読に出す手順を踏んできました。コンセンサス方式のOuroboros(ウロボロス)もその流れで論文化されています。

評価は分かれます。スマートコントラクトがメインネットに載ったのは2021年9月12日のAlonzoハードフォークで、イーサリアムから6年遅れ。慎重さと読むか機会損失と読むかは、正直なところ立場によって変わります。

供給量の上限は450億ADA。流通量は約368億ADAで、8割強はすでに市場に出ています。CoinMarketCapの情報では創設側の配分はIOHKに25億、Emurgoに21億、Cardano Foundationに6億4,800万ADAで、総供給の約16%が創設側に渡ったとされています。

Leiosで何が変わり、何を引き換えにするのか

「もう誰も作っていないんでしょう」と言われることがありますが、更新頻度を見るかぎりそうではありません。7月18日にvan Rossemハードフォークが実行されてプロトコルバージョンが11になり、10月7日にはCIP-0113のプログラマブルトークンが稼働。10月にはDijkstraNetという公開テストネットが開かれました。

ただし丁寧に書きます。ノード11.2は新しいブロック形式とPlutus V4のスクリプトコンテキストを運ぶもので、Leios本体は入っていません。公式の週次更新でも「ハードフォーク対応ではない」と明記されています。Leiosを統合したリリース候補を狙うのは、その次のノード11.3です。話題のLeiosは、まだメインネットの手前にいます。

そのLeiosは現行のOuroboros Praosの処理能力を上げる拡張です。ブロックを2種類に分け、エンドーサーブロック(EB)が約5秒ごとに並行して承認を進め、ランキングブロック(RB)が約20秒ごとに最終的な順序を確定させる。公式FAQが挙げる数字は「最大1,500件以上/秒」「Praos比30〜65倍」。2026年5月14日のIOGの投稿では段階的に10〜65倍へ引き上げるとされ、そのために財務から2,770万ADAの助成を申請したことが示されています。目標は2026年後半のメインネット対応リリース候補です。

引き換えになるものも公式FAQ自身が書いています。ノード要件はCPU6コア以上・帯域100Mbps以上・SSDへ上がる。そしてLeiosはシャーディングではないので、すべてのノードが全チェーンを検証し続けます。要件が上がれば小規模なステークプール運営者が降りる可能性はある。処理能力と分散性のどちらを取るかという古い論点が、ここでも出てきます。

日程も残っています。監査とガバナンス承認が先にあり、カルダノの大型アップグレードは過去に何度も後ろにずれました(2022年のVasilがわかりやすい例です)。リリース候補が2027年のメインネットになる可能性は相応にあると思っています。

国庫の支出枠が尽きかけている

技術より実務的に効いてくるのがここです。カルダノにはチェーン自身が持つ国庫と、使い道を投票で決める仕組みがあります。公式サイトによると投票主体は三つ。ADA保有者から委任を受けて投票するDRep、ハードフォークや安全性パラメータを決めるステークプール運営者、提案が憲法に沿うかを審査する憲法委員会です。憲法改定にはDRepの75%以上の賛成が必要で、2026年1月に79%の賛成で改定版が承認されました。

ここまではよくできた仕組みだと思います。問題は残り枠です。

CryptoSlateがオンチェーンデータ(Koios API)を集計した記事によると、10月16日時点の国庫残高は約13.78億ADA。いっぽうで支出上限(Net Change Limit)が5億ADAに設定されています。対象期間は2026年2月13日から2027年7月ごろまで。この5億ADAのうち、すでに30件の引き出しで4億5,739万ADAが使われていました。残りは4,260万ADA、上限の8.5%です。期間はまだ8か月以上あります。

そして今、Toto Financeという事業者が2,200万ADA(約500万ドル)の引き出しを申請中です。使途は現物の銅を買って保管するというもの。残り枠の約51.6%を一件で使う規模で、投票は11月15日まで開いています。是非は私には判断がつきませんが、残り枠の半分を一件に充てる局面に来ているという事実は、それ自体が情報だと思います。

いっぽうで2026年のCardano Summitの予算案は、65.21%の賛成を集めながら承認要件に届かず否決されました。透明ではあるけれど、物事が進みにくい。長所と短所が同じ事例に同時に出ています。

2026年10月の立ち位置を数字で見る

CoinMarketCapの10月25日時点のデータでは、価格0.2035ドル、時価総額は約74.9億ドルで15位、暗号資産全体に対するシェアは約0.28%。変化率は24時間で1.8%安、7日間で8.0%安、30日間で19.6%安。ただし90日間では23.2%高で、6月末から8月にかけては戻していました。1年では68.7%安、年初来では42.9%安です。

地合いも添えます。同じ時点でビットコインのドミナンスは60.16%、アルトコインシーズン指数は49、恐怖・強欲指数は44の「中立」。資金がアルトコインに向かう局面ではありません。ただ、BTCの年初来下落率と比べればADAの下げは明らかに深いです。

材料は両方あります。強いほうでは、ドイツのDZ BANKが個人向けサービス「meinKrypto」の初期ラインナップに、ビットコイン・イーサリアム・ライトコインと並べてADAを採用しました。MiCA認可を得たプラットフォームですが、参加は各銀行の判断なのですべての銀行で使えるわけではありません。弱いほうでは、CoinSharesがストックホルム上場のETP7本を償還すると発表し、そのなかにADAのステーキング型ETPが含まれます。選択期限は10月26日、償還は11月9日。商品集約が理由でADAを否定したわけではありませんが、欧州で上場商品が一つ減るのは需要側に逆風です。

同じ上位銘柄でも下げ方の質は違います。比べてみたい方はビットコイン(BTC)とはとイーサリアム(ETH)とはも併せてどうぞ。

日本で買う場合、持つ場合に効いてくること

国内でADAを買える窓口は複数あります。確認できた範囲で書くと、bitbankはADA/JPYを販売所ではなく取引所(板取引)で扱っています。公式の取引ペア一覧では呼値0.001円、最小注文数量0.0001ADA、信用取引の欄は空欄です。販売所と取引所の差は、ADAのような中位銘柄でとくに効きます。販売所には売値と買値の差(スプレッド)があり、これが実質的な手数料になる。板取引が選べるならそちらのほうがコストは下がります。各社の手数料は暗号資産取引所おすすめ比較6社で同じ物差しで並べてあります。

ステーキングについて。SBI VCトレードはADAを対象にしていて、公式サイトの表では年率1.9%と記載されています。ただし条件の読み方に注意が必要です。この年率は「直近1か月間の当社実績値」で、顧客に配分されるのは実績の75%。年率1.9%を「定期預金より高い」と受け取る方がいますが、元本が1年で69%動く資産です。利回りの数字だけを取り出して比べる意味はあまりないと思います。

そして税金。国税庁のFAQ(令和7年12月26日付「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて」)の問1-7にこうあります。

「マイニング、ステーキング、レンディングなどにより暗号資産を取得した場合、その取得に伴い生ずる利益は所得税又は法人税の課税対象となります」

受け取った時点で課税対象です。売っていなくても、です。受け取り時の時価が取得価額になるので、後で売ればその差額であらためて計算が発生します。二重課税ではありませんが、記録がないと後から再現できません。区分は問2-2で「雑所得(その他雑所得)」とされ、2026年分はまだ総合課税です。全体像は仮想通貨の税金と確定申告の基本に、売らなくても課税される場面の整理は売っていないのに課税される場面にまとめてあります。

ステーキング報酬が自動で積み上がる銘柄は件数が膨らみます。ADAを数年持っている方は受取記録が数百件になっていることも珍しくなく、手計算が現実的でなくなる水準です。取引履歴の取り込みから実現損益が出るまでは損益計算ツールの使い方、作成コーナーのどの欄に何を入れるかは申告書の入力手順をご覧ください。カルダノ発のプライバシーチェーンMidnight(NIGHT)を受け取った覚えのある方は、OKJがミッドナイト(NIGHT)取扱い開始の記事で税務にも触れています。

よくある誤解

「1年で69%下げたのは開発が止まったから」。数字と合いません。2026年だけでも7月のハードフォークでバージョンが11になり、10月にはプログラマブルトークンが稼働し、公開テストネットが開かれています。開発が進んでいるのに価格が下がる状態が1年続いている。因果を逆に読むと、次の判断を間違えます。

「オンチェーン投票があるから意思決定が速くて民主的」。仕組みは透明です。ただサミット予算は65.21%の賛成で否決され、支出枠は残り8.5%。透明であることと速く決まることは別です。

「ステーキングは預けるだけだからリスクも税金もない」。両方違います。報酬は受け取った時点で課税対象(FAQ問1-7)。元本の価格変動もそのまま残ります。年率1.9%を受け取りながら元本が30日で19.6%下がれば、合計では大きなマイナスです。

「Leiosが来れば1,500TPSになる」。公式FAQの数字は到達目標で、IOG自身の説明では段階的な展開です。しかも現時点ではメインネットの手前。ノード要件も上がります。実装=即1,500TPSではありません。

まとめ

冒頭の「持っていていいんでしょうか」に、私は「いいとも悪いとも言えません」としか答えられません。逃げではなく、材料の性質がそうなっているからです。

開発は進んでいます。オンチェーンのガバナンスは、他の大型チェーンにはない水準で透明です。ドイツの大手銀行に採用されるという、派手ではないけれど実質的な前進もありました。いっぽうで価格は1年で69%下げ、最高値からは93%下。国庫の支出枠は残り8.5%。本命のLeiosはまだメインネットの手前です。

ひとつ言えるのは、判断の軸を「上がるか下がるか」から「この資産が自分の資産全体の何%か」に移したほうが答えが出やすいということです。全体の2%なら下げても生活は変わりません。30%なら、技術の議論の前に割合の議論をしたほうがいい。

そして持ち続けるにしても売るにしても、年内にやっておくことがあります。報酬の受取記録を集めることと、損益を一度計算してみること。12月31日を過ぎると選べなくなる手があります。期限のあるものは年内やることリストにまとめてあります。

情報の出典(2026年10月25日確認)

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の暗号資産の売買を推奨するものではありません。価格・時価総額・年率などの数値は2026年10月25日時点のもので、その後変動します。税制および各社のサービス内容は変更される場合があるため、最終的な情報は必ず国税庁および各社の公式サイトでご確認ください。個別の税務判断については税理士にご相談ください。本記事の内容に基づく投資判断および申告により生じたいかなる損害についても、筆者および当サイトは責任を負いません。

この記事を書いた人
CFP®認定者/ファイナンシャル・プランナー

あきFP/CFP®認定者・ファイナンシャルプランナー。製薬会社のMRを経て金融の仕事へ。暗号資産の税金と資産設計を中心に、相談の現場で実際に聞かれることを、初心者にも分かる言葉で整理してお届けしています。著書に『暗号資産の持ち方 守りの教科書』『暗号資産の税金 守りの教科書』ほか(著書一覧)。

あきFPをフォローする

これから暗号資産を始めるなら|OKJ

世界最大級のOKGroupが運営する国内の暗号資産交換業者「OKJ」(登録番号:関東財務局長 第00020号)。口座開設から取引までスマホで完結し、24時間365日の入出金・入出庫に対応。ステーキングなどの収益サービスや、100%コールドウォレット管理によるセキュリティが特長です。

OKJ
アルトコイン銘柄・テクニカル分析
シェアする
あきFPをフォローする
タイトルとURLをコピーしました