【9月5日朝】BTC8万ドル割れ、雇用統計3倍で利上げ再燃

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日本時間9月5日の朝、ビットコイン(BTC)は8万ドルの節目を割り込み、7万9,000ドル台(約1,240万円)で週末に入った。昨夜の記事では、FRBウォーラー理事のハト派発言で8万ドル台へ急伸した「地合いの反転」と、今夜に迫る米雇用統計の見どころを整理した。そして日本時間4日21時30分に発表された8月の米雇用統計は、市場予想の約3倍という力強い結果となり、前日までのラリーに冷や水を浴びせた。9月16日のFOMCで「利上げ」観測が再び強まり、BTCは上値を削られている。今朝は、この雇用統計ショックの中身と債券・株式市場の反応、そして来週11日の米消費者物価指数(CPI)に向けた注目点を整理する。

主要マーケット動向:BTCは8万ドル割れ、雇用統計で失速

暗号資産市場は、強い米雇用統計を受けてリスクオフに傾いた。ビットコインは日本時間9月4日の米東部時間寄り付き前に一時8万2,240ドルをつけ、5月以来の高値を更新した。しかし雇用統計の発表直後に約2%下落し、8万ドルを割り込んだ。米東部時間9月4日14時11分(日本時間5日3時11分)時点では7万9,592.42ドルで推移している(出典:24/7 Wall St.Fortune)。1ドル=約155.8円で換算すると、1BTCはおよそ1,240万円となる(為替出典:Exchange-Rates.org)。

イーサリアム(ETH)は前日の急伸局面で始値2,507.70ドル(前日比約4.9%高)をつけたが、雇用統計後は上値が重い展開となった(出典:Yahoo Finance)。XRPは9月15日の米上院採決を控え、1.45ドル前後で底堅く推移している(出典:24/7 Wall St.)。前夜のラリーで積み上がった強気ポジションの一部が、指標を受けて巻き戻された格好だ。

重要ヘッドライン

8月米雇用統計、予想の約3倍──9月利上げ論が再燃

最大の材料は、8月の非農業部門雇用者数(NFP)だ。結果は16万2,000人増と、市場予想の約5万3,000人を大きく上回り、3月以来の強い伸びとなった。失業率は4.1%で横ばい、7月分は2万3,000人減から2万1,000人増へ上方修正された(出典:24/7 Wall St.米労働統計局(BLS))。前日にウォーラー理事が示した「利上げ見送り」の論拠のうち、雇用鈍化という半分が崩れた形だ。

米長期金利が上昇、リスク資産に逆風

雇用統計を受け、米10年債利回りは4.80%、2年債は4.40%へ上昇した(出典:24/7 Wall St.)。金利上昇は、利息を生まない暗号資産にとって相対的な魅力を低下させる。CMEなどが算出する9月利上げ確率は、ウォーラー発言前の約67%が発言後に約50%へ低下していたが、雇用統計を受けて再び上振れした(出典:Bloomberg)。

BTC現物ETFに1月以来の大量流入

一方で、需給の下支えも確認された。米ビットコイン現物ETFは9月3日に7億3,080万ドルの資金流入を記録し、1月以来最大の1日となった。9月1日は2億3,650万ドルの流出だったが、2日に1億100万ドルの流入へ転じ、3日に大きく積み増した(出典:Farside Investors24/7 Wall St.)。8万ドル超で買い付けたETF勢が、下落局面で買い増すかが焦点となる。

暗号資産関連株は前日に急伸

前夜のラリーを映し、米コインベース(COIN)株は9月4日の取引で前日比10.14%高で引けた。米株全体はまちまちで、S&P500は7,731.80(前日比0.15%安)、ナスダック100は0.16%高で終えている(出典:24/7 Wall St.)。

テーマ深堀り:焦点は9月11日のCPIへ

雇用統計で利上げ論が息を吹き返したことで、市場の関心は次の一手――9月11日発表の8月CPIに移った。ウォーラー理事の「利上げ見送り」論は、そもそも物価の鈍化を前提としていた。コア個人消費支出(PCE)ベースの3カ月インフレ率は、2月の4.76%から7月には3.05%まで低下しており、CPIがこの減速トレンドを裏づければ、強い雇用統計の重みは相対的に薄れる可能性がある(出典:24/7 Wall St.)。

逆に、強い雇用に続いてCPIが上振れすれば、ケビン・ウォーシュ議長らタカ派は「賃金・物価の両面」で利上げの根拠を得ることになる。その場合、BTCは9月3日に離れた7万7,000ドル水準を再び試す展開も否定できない。加えて、暗号資産の規制枠組みを定める「CLARITY法案」の討論終結(クローチャー)投票が9月15日、FOMCが9月15〜16日と、重要日程が集中している。制度面の前進が確認されれば、金利観測とは別の下支え材料となり得る。

識者の見方:強弱それぞれの論点

強気派は、労働市場が「加速せずに底堅い」点を重視する。8月29日終了週の新規失業保険申請件数は20万6,000件と年間を通じた安定レンジ内にあり、8月のレイオフ発表も2022年以降の同月で最少だった。これは利上げよりも「据え置き」を支持する材料でもあり、ETFへの継続的な資金流入と併せて下支えになるとの見立てだ(出典:24/7 Wall St.)。

弱気派は、雇用統計が予想の3倍という事実を重く見る。前夜のラリーはウォーラー発言に伴う空売りの買い戻し(ショートカバー)主導だった可能性があり、7万7,000ドルを明確に割り込めば、上昇の持続性に疑問符が付くとの指摘がある。金利上昇局面では、レバレッジ取引のコスト増も重石になりやすい。

今後の注目イベント・指標

来週は9月11日の米8月CPI(日本時間21時30分)が最大の関門となる。あわせて15日のCLARITY法案クローチャー投票、15〜16日のFOMCと、相場を左右する日程が続く。国内では、世界3位のBTC保有企業となったメタプラネットの動向や、金融庁の税制改正要望(法人保有BTCの分離課税化)の行方も引き続き注目される(出典:CoinPost)。

まとめ

前夜の急伸から一転、強い米雇用統計がBTCを8万ドル割れへ押し戻した。9月利上げ観測は再燃したが、ETFへの大量流入という需給の下支えも健在だ。方向感を決めるのは、来週11日のCPIと16日のFOMCとなる。週末は薄商いになりやすく、値動きが荒くなりやすい点にも留意したい。

*本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘や特定銘柄の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。*

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