【10月22日朝】BTC8万4千ドル台、FOMC据え置き観測8割 ボラは年初来最低圏

マーケット速報

おはようございます。ビットコインは8万4千ドル台まで戻しました。ただ、前日まで相場を押し上げていたETFの資金流入は、ほぼ止まっています。それでも上がった。今朝はここを考えます。

主要マーケット動向

日本時間10月22日朝の時点で、ビットコインは1BTC=8万4,761ドル。24時間で2.26%、1週間で3.75%高です(NADA NEWS)。昨日の朝は8万2千ドル台でしたから、まる一日で2千ドル強。もっとも30日前比ではまだ2.13%のマイナス。10月は上げ下げの繰り返しで、結局あまり進んでいません。

イーサリアムは2,496ドル。24時間で1.65%高ですが、30日では9.94%安。ビットコインとの差がじわじわ開いています。市場全体の時価総額は2.83兆ドルで前日比2.1%増。ビットコインドミナンスは60.21%。1か月前は58.6%でしたから、資金がビットコインに寄る構図は変わっていません。

Fear & Greed指数は56の「中立」。前日51、1週間前50ですから、少し温まった程度です。1か月前は79の「強欲」でした。熱狂とは言えません。デリバティブの建玉は4,084億ドルで24時間5.27%増、ビットコインの24時間清算額は7,600万ドル。無理なレバレッジが積み上がった気配は、今のところありません。

前夜の米国市場が追い風でした。ダウは52,856.09ドルで360.21ドル高、ナスダックは26,702.86で278.04ポイント高(約1.05%高)、S&P500は0.58%高。スペースXとスーパー・マイクロの決算が良く、AI投資への過剰懸念が後退して半導体株に買いが戻りました。米10年債利回りは5.12%でほぼ横ばい、ドル円は158.14円、NY原油(12月物)は97.15ドルへ下げ(OANDA証券)。

重要ヘッドライン

  • 米OCCがGENIUS法の最終規則を確定。準備金・償還・リスク管理の要件を定めたもので、施行は2027年1月18日。ベッセント財務長官は1863年の国法銀行法になぞらえ「米国金融の分水嶺」と評しました(Cointelegraph)。利回り・報酬の扱いには曖昧さが残ったとの指摘もあります。
  • ビットコイン現物ETFの流入が急減速。10月19日の全体純流入は約5億2,670万ドル、ブラックロックのIBIT単独で約6億6,520万ドルでした。それが20日は全体で約2,320万ドル、IBITも約2,990万ドルまで縮小しています。
  • イーサリアム現物ETFは流出が続く。累計純流入額は9月28日の139億6,000万ドルから10月20日の128億1,000万ドルへ。この期間で11億5,000万ドルが抜けた計算です。先週の記事で触れたETH投信の流出が止まりません。
  • K33はボラティリティが2026年の最低水準に近づいていると分析。28日間の実現ボラティリティは1.2%まで低下し、現物の1日平均出来高は25億ドルと前週比1%減。9月21日以降は8万〜8万4,000ドルの狭いレンジが続いています(NADA NEWS)。
  • 井林国土交通大臣が、訪日外国人の免税にステーブルコイン活用を検討すると表明。衆院国土交通委員会での所信表明で、購入後に消費税相当額を返す「リファンド方式」に触れつつ述べたものです(NADA NEWS)。決定ではなく検討段階ですが、金融庁のオンチェーン金融フォーラムと同じ方向です。
  • ソラナのAlpenglowアップグレードが稼働。ブロック確定の高速化を狙ったもので、10月21日にメインネットで有効化されました(Yahoo Finance/基礎解説)。

テーマ深掘り:ETF流入が95%消えても価格が上がった理由と、FOMC据え置き観測8割

数字を並べると違和感が残ります。19日に5億ドル超が入ったETFは、20日には2,300万ドル程度。ざっと95%減です。それでもビットコインは上がった。普通なら、ETFの買いが止まれば値は重くなるはずです。

答えは金利の側にありました。市場は10月27〜28日のFOMCで政策金利が据え置かれる確率を約8割と見ています。現在の誘導目標は3.75〜4.00%。9月下旬には10月の「利上げ」確率が7割近くまで上がっていたので、ここ1か月で見方がきれいに反転したわけです(Forbes)。原油が100ドル手前から97ドル台へ下げたことも、インフレ再燃の警戒を和らげました。昨日の夕方に「利上げが残る相場」と書いた翌日に、残り方が少し軽くなった格好です。

ただ、利上げが消えたわけではありません。同じ市場が12月9日の会合では利上げをかなり強く織り込んでいます。債券市場はさらに先、2027年前半の連続利上げと短期金利5%まで視野に入れています。つまり昨夜の上昇は「利上げの消滅」ではなく「利上げの先延ばし」を買ったもの。ウォーシュ議長がフォワードガイダンスから距離を置き、先の道筋が見えにくいぶん、目先の1回が消えた安心感が大きく出たのかもしれません。

もうひとつ、K33が指摘したボラティリティの縮小が気になります。28日間の実現ボラティリティ1.2%は、2026年でほぼ最も静かな水準です。オプション市場でも、21日のビットコインの7日物インプライド・ボラティリティは32.6%で、30日物の35.5%を下回っていました。近い将来の荒れを市場はあまり想定していない。K33のリサーチ責任者Vetle Lunde氏は、値動きが縮んだあとは通常ボラティリティが拡大すると述べています。先週ナスダックが2025年4月以来最大の週間下落となったのに、ビットコインの下げが2%程度で済んだのも、エネルギーが溜まっている状態と読めます。方向は、正直わかりません。圧縮されたバネが上に跳ねるか下に抜けるかは、FOMCと11月3日の米中間選挙の中身次第でしょう。

相談を受ける立場から申し上げると、こういう「静かだが節目が近い」局面こそ、持ち高の大きさを点検する時間だと考えています。値動きが小さいとレバレッジの危うさが見えにくくなる。建玉が24時間で5%増えた一方で清算額が7,600万ドルにとどまるのは、まだ余裕がある裏返しでもありますが、イベント明けに一気に逆転する類の数字でもあります。

識者の見方:強気・弱気の両論

強気側の根拠は、金利の天井が近づいているという見立てです。10月据え置き、12月に1回で打ち止めなら、2027年初めには引き締めの終わりが視野に入ります。ETFも勢いは落ちたとはいえプラス圏で、ビットコイン建てなら19日のIBITへの流入8,128BTCは2025年4月以来の大きさでした。制度面でもOCCの最終規則で米国の枠組みが固まり、JPモルガンは今後10年のビットコインの年率リターンを10%と見込んでいます。1か月以上8万ドルを守っている点を底固めと評価する声もあります。

弱気側は同じ材料を逆から読みます。12月利上げがほぼ確実で、その先も連続利上げが織り込まれているなら、金利は「もう上がらない」どころか「まだ上がる」局面です。米10年債利回りは5.12%。無リスクでこの水準が取れるなかで、無配当の資産を持つ理由は弱くなります。ETF全体では19日に6,436BTCの純流入でしたが、IBITを除くと1,692BTCの純流出。買っているのが実質1本だけという構図は心もとない。イーサリアムの7日物インプライド・ボラティリティが16日の41.1%から21日は46.3%へ上がり、プット側に2.8ポイントのプレミアムが残っているのも、下方向の保険がまだ買われている証拠でしょう。フランス10年債が約24年ぶりの5%近辺に達した財政不安も、どこかで火種になりえます。

今後の注目イベント・指標

  • 10月22日(木) 米新規失業保険申請件数、米景気先行指数、ユーロ圏消費者信頼感
  • 10月23日(金) 日本の全国消費者物価指数と製造業PMI、米製造業・サービス業PMI、ミシガン大消費者信頼感(確定値)、ユーロ圏PMI(財経新聞の週間イベント)
  • 10月27〜28日(火〜水) FOMC。据え置き確率は約8割。据え置いた場合、利上げを求める反対票が出るかが焦点
  • 10月28〜29日(水〜木) ECB定例理事会
  • 10月29〜30日(木〜金) 日銀金融政策決定会合と展望レポート。政策金利1.25%の据え置きが有力。2027年度の物価見通しは原油高で小幅上方修正の見込みで、次の利上げは12月が本線との見方です
  • 11月3日(火) 米中間選挙。暗号資産の市場構造法案(CLARITY法)の行方を左右します
  • 2027年1月18日 GENIUS法の施行日
  • 12月9日(水) FOMC。市場は利上げをかなり織り込んでいます

まとめ

今朝の相場をひとことで言えば、買いの主役がETFから金利に入れ替わった一日でした。ETFの流入が95%消えても価格が上がったのは、10月のFOMCで利上げが見送られるという見立てが固まったからです。けれども12月には利上げが控え、その先も連続利上げが織り込まれている。安心して眺められる環境ではありません。

そして値動きは、いま2026年で最も静かな水準に縮んでいます。静けさは安全とは違います。FOMCと中間選挙が来週以降に並ぶなかでボラティリティが1.2%まで下がっているのは、むしろ身構えておくべき数字だと受け取りました。

この手の局面で一番もったいないのは、静かだからと持ち高を増やし、動いた瞬間に判断を奪われることです。方向は当てられません。当てられないからこそ、どちらに振れても生き残れる大きさに整えておく。それだけで来週の気分はだいぶ変わるはずです。今日もよい一日を。

※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の暗号資産の売買を推奨するものではありません。価格・指標は執筆時点のものです。暗号資産は価格変動が大きく、元本が保証される商品ではありません。

この記事を書いた人
CFP®認定者/ファイナンシャル・プランナー

あきFP/CFP®認定者・ファイナンシャルプランナー。製薬会社のMRを経て金融の仕事へ。暗号資産の税金と資産設計を中心に、相談の現場で実際に聞かれることを、初心者にも分かる言葉で整理してお届けしています。著書に『暗号資産の持ち方 守りの教科書』『暗号資産の税金 守りの教科書』ほか(著書一覧)。

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